イケア、年内に都会の"小さめの店舗"を世界各地で新たに50店舗オープンへ

イケア

John Sibley/Reuters

  • 新たな小売りコンセプトを試すため、イケア(IKEA)は"小さめの店舗"を世界各地に50店舗オープンする。
  • 同社の広報担当者によると、これは親会社インカ(INGKA)の自社のポートフォリオに「活気ある都会の店を取り入れる」ための「主要40都市におけるチャンスを評価するグローバルな取り組み」の一環だという。
  • アメリカでは、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴといった都市で"小さめの店舗"をオープンすると広報担当者はBusiness Insierに語った。

イケアは年内に、都会の"小さめの店舗"を新たに50店舗オープンする計画だ。

同社の広報担当者によると、これは親会社インカの自社のポートフォリオに「活気ある都会の店を取り入れる」ための「ヨーロッパ、ロシア、北米、アジア、オセアニアの主要40都市におけるチャンスを評価するグローバルな取り組み」の一環だという。アメリカでは、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴといった都市で新たにオープンする。

「これはより利用しやすい店になるというわたしたちの狙いを加速させるものです」と、インター・イケア・グループのCEOジョン・アブラハムソン・リング(Jon Abrahamsson Ring)氏は新店舗についてフィナンシャル・タイムズに語った。「大規模店舗のみをオープンする状態にわたしたちが戻ることはありません。人々が生活し、働き、動く場所に近い"小さめの店舗"を含め、店舗の形態は混在することになるでしょう」という。

イケアは現在、世界52カ国で420店舗以上を展開していて、郊外やさらに離れた地域にある広大な倉庫のような店舗でよく知られている。新たにオープンする"小さめの店舗"がどのような店になるのか、広報担当者は詳細を明かさなかったが、「キッチン・プランニング・スタジオ」や家具レンタルといったサービスなどが含まれる可能性が高いと、フィナンシャル・タイムズは報じている

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、店を一時的に閉めたことで売り上げが大幅に低下するなど、多くの小売業者が苦戦している。フィナンシャル・タイムズによると、8月に終わったイケアの営業年度の売り上げは、店舗の営業休止の影響で4%減だった。

それでも、イケアにとって"小さめの店舗"は長きにわたる最優先課題だった。同社は近年、事業改革に大いに投資してきた。2017年にはアプリを通じて様々な雑用を依頼できるタスクラビット(TaskRabbit)を買収し、2018年には"デジタル化"に軸足を移すため7500人を削減した

インカのCEOジャスパー・ブローディン(Jesper Brodin)氏は当時、イケアのデジタル変革は都心部への出店とも関係するとAP通信に語っていた。ブローディン氏は「小売業界は大きく変化していて、そのスピードはこれまでに見たことがないほどだ」とした上で、イケアは「そのニーズにより良い、新しい方法で応えるために投資し、ビジネスを展開していく」必要があると付け加えた。

イケアの取り組みは、実店舗を小型化させつつ新しい購買層にリーチしようとする小売業界全体の動きを反映したものでもある。例えば、ターゲット(Target)は近年、都会にいくつかの"小さめの店舗"をオープンし、大成功している。メイシーズ(Macy's)JCペニー(JCPenney)といった伝統的な百貨店も同様のモデルを試している。

「この国最高のショッピングモールはうまくいくと、わたしたちは信じている」とメイシーズのCEOジェフ・ジェネット(Jeff Gennette)氏は9月の決算発表で語った。

「しかし、メイシーズやブルーミングデールズ(Bloomingdale's)には、モール以外の"小さめの店舗"で大きな可能性があることもわたしたちは知っている」

[原文:Ikea is opening 50 small-format stores globally as it experiments with new retail concepts in 'vibrant urban destinations' during the pandemic

(翻訳、編集:山口佳美)

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