ロンドンのポップアップストア(2019年5月23日、イギリス)。
Dave Benett/Getty Images for SHEIN
- 中国のファストファッション「SHEIN」がアメリカの10代の若者の間で大人気だ。
- パイパー・サンドラー(Piper Sandler)の調査「Taking Stock With Teens」によると、高収入世帯の10代の若者が好きなeコマースサイト・ランキングで、SHEINは2位となった。
- SHEINによると、そのウェブサイトには毎日、新商品を500アイテム追加しているという。
- 最近、商品の一部が批判にさらされている。
中国のファストファッションがアメリカの10代の若者の間で大人気だ。
2008年に南京で創業したSHEINは、パイパー・サンドラーの最新調査「Taking Stock With Teens」で10代の若者が好きなeコマースサイトのランキングで、アマゾンに次いで2位となった。
ランキングではアマゾンが大きくリードしている —— 高収入世帯の10代の若者の54%がアマゾンを"好きなeコマースサイト"と答えていて、SHEINと答えたのは5%だった —— ものの、SHEINはナイキ(Nike)やPacSun、アーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters)といったアメリカの主なブランドを上回った。
SHEINは高収入世帯の10代の女子が着始めたブランドのランキングでも1位になった。PacSun、ルルレモン(Lululemon)がこれに続いた。
パイパー・サンドラーはアメリカ48州9800人の10代の若者を対象に調査を実施し、その平均年齢は15.8歳だった。回答者の平均世帯年収は6万7500ドル(約715万円)だった。
SHEINにはインスタグラムで約1390万人のフォロワーがいて、主に最新のスタイルに身を包んだインフルエンサーの写真を再投稿している。最新の流行アイテムが安く手に入ることで知られていて、Tシャツは6ドルから、ワンピースは12ドルからとなっている。
Instagram, @sheinofficial
プレスリリースによると、SHEINではそのウェブサイトに新商品を毎日500アイテム追加しているという。ウィメンズだけでなく、メンズ、キッズ、アクセサリー、家庭用品も販売している。
SHEINは世界200以上の地域に商品を発送しているとしているものの、その中心はヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、中東だ。2019年の収益は28億3000万ドルにのぼると、サウス・チャイナ・モーニング・ポストはSHEINのWeChatへの投稿を引用して報じた。ファッション・ノバ(Fashion Nova)やブーフー(Boohoo)、ミスガイデッド(Missguided)といったファストファッションのeコマースサイトと競合している。
常設の実店舗は置いていないが、さまざまな都市でポップアップ・ストアを開いている。
ただ、物議を醸したこともある。7月にはカギ十字のついたネックレスを2.50ドルで販売し、批判を受けた。SHEINはナチスのカギ十字ではなく、仏教のシンボルのつもりだったとした上で販売を取りやめ、謝罪した。
その1週間ほど前には、SHEINがイスラム教の礼拝用マットを「飾りになるラグ」と呼んで販売していると、ファッション・インフルエンサーや活動家のナベラ・ヌール(Nabela Noor)氏がツイートし、反発を招いていた。
(翻訳、編集:山口佳美)