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- シンガポール政府は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の中で子どもを産もうとしている市民に一時金を支給する。
- 一時金の支給は、パンデミックの影響で子どもを産むかどうか考え直している人々を励ますためのものだと、シンガポールのヘン・スイキャット副首相が語ったとCNNが報じた。
- 具体的な支給額は明らかになっていないが、一時金は赤ちゃんに関する親の出費を支援しようとするものだ。
シンガポール政府は、新型コロナウイルスのパンデミックの中で子どもを産もうとしている市民に一時金を支給する。
シンガポールのヘン・スイキャット副首相は10月5日、子どもを持つことを考えていた人々がパンデミックをきっかけに家族計画の見直しを迫られていると指摘した。多くの人々が経済面を不安視しているという。
CNNによると、スイキャット副首相は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、子どもを持ちたいと考えている親が家族計画を見合わせているとの意見を受け取っている」と語った。
一時金は赤ちゃんに関するさまざまな費用を支援しようとするもので、具体的な支給額は明らかになっていない。
出生率の低下に歯止めをかけるため、シンガポールでは子どもが産まれたカップルに"ベビーボーナス"として最大1万シンガポールドル(約78万円)が支給されていて、一時金はこのボーナスにさらに上乗せされることになる。
シンガポールは新型コロナウイルスを比較的コントロールできている国 —— これまでの死亡者数は27人だ —— として知られているが、パンデミックの影響でその経済は大きな打撃を受けている。
また、パンデミックが起こる前から、シンガポールは人口に占める高齢者の割合が若い世代に比べて偏って多い"人口統計学上の時限爆弾"に瀕していた。"人口統計学上の時限爆弾"はGDP(国内総生産)の縮小を招き、経済に悪影響を及ぼしかねない。
パンデミックのせいで子どもを持たないと人々が決断することは、この問題を悪化させる恐れがある。
こうした課題に直面しているのは、シンガポールだけではない。アメリカでも、新型コロナウイルスの影響で多くのアメリカ人 —— 中でも有色人種、性的マイノリティーの人々、低所得の人々 —— がいつ子どもを持つか、家族計画を見直していることが最新のレポートで分かっている。
[原文:Singapore's government will pay people to have children during the pandemic]
(翻訳、編集:山口佳美)