- ゼロアビアは、世界初の水素燃料電池を搭載した旅客機の飛行を成功させた。
- この画期的なフライトは、環境に優しい新たなパワートレインを搭載した6人乗りの民間航空機で行われた。
- イギリス政府の支援を受けたHyFlyerプロジェクトの一環として行われたもので、同じ機体で商用航空機の飛行も行っている。
- ゼロアビアのミフタコフCEOは声明で、水素燃料電池を搭載した商用飛行の実現は、我々が思っているほど遠くないだろうと述べた。
ロンドンとカリフォルニアを拠点とするゼロアビア(ZeroAvia)が、世界初の水素燃料電池を動力源とする旅客機を飛行させた。このテスト飛行は、イギリスにある研究開発スペースで行われ、Engineering and Technologyによると、飛行時間は20分だった。
この画期的なフライトは、水素燃料電池を搭載した6人乗りのパイパー・エアクラフトの機体が使われた。水素燃料電池は採掘現場のダンプトラックやピックアップトラックなどの輸送機器でテストされている。ゼロアビアによると、このパイパーMクラスの機体は、現在のところ、世界最大の水素航空機だという。
水素駆動のパイパーは他の航空機とまったく同じように、離陸し、飛行し、着陸した。ただし、現在の段階では、飛行距離と貨物積載能力の点で、化石燃料を動力源とする航空機と比較することはできないという。
このフライトは、イギリス政府が支援するゼロエミッション小型旅客機の製造を目的とした「HyFlyerプロジェクト」によるものだ
Source: ZeroAvia
これまでに行われたこのプロジェクトの飛行は、この水素燃料電池によるものだけではない
Source: ZeroAvia
HyFlyerプロジェクトは6月下旬に、同じ6人乗りのPiper Mクラス機でイギリス初の商用電気飛行を行った
Source: ZeroAvia
ゼロアビアのCEO、ヴァル・ミフタコフ(Val Miftakhov)は声明で、水素燃料電池を動力源とする商用飛行の実現は我々が考えるほど遠くないだろう、と述べた
Source: ZeroAvia
「いくつかの実験的な機体が水素燃料電池を動力源として飛行しているが、今回飛行した航空機の大きさは、すぐに有料の乗客をゼロエミッションフライトで運べることを示している」と同CEOは述べている
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ゼロアビアは2020年末までに、ロサンゼルスからサンフランシスコまでの距離に相当する250マイル(約400km)のゼロエミッション飛行を成功させようとしている
Source: ZeroAvia
同社によると、このフライトの成功は、より環境に優しい旅行ということ以上の意味合いを持つという。コロナウイルスのパンデミックで航空業界は低迷しているが、水素を動力源とする航空機は、将来的に運用コストと所有コストを大きく下がる可能性がある
Source: Business Insider
同社は2023年に「商業運行」を始める予定だ
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(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)