バージニア州で開かれた極右デモに参加する武装した人々。
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- ロサンゼルス・タイムズによると、アメリカでは極右集団が11月3日の大統領選当日、投票所を監視する計画をオンラインで立てている。一部は武装するという。
- 極右集団「オース・キーパーズ(Oath Keepers)」のリーダー、スチュワード・ローズ(Stewart Rhodes)氏は、必要があればメンバーは武器を抜くだろうと話している。
- ローズ氏は「極左勢力」が有権者を脅かすのを阻止したいと話している。専門家たちは、こうした集団の存在が状況を悪化させるだろうと指摘している。
アメリカでは11月3日の大統領選当日、極右集団 —— その一部は武装して —— が投票所をパトロールする計画を立てていて、専門家たちは有権者への脅威となったり、暴力的な衝突を引き起こす恐れがあると懸念している。
極右集団「オース・キーパーズ」のリーダー、スチュワード・ローズ氏は、メンバーは「投票する人々を守るために大統領選の日に出動する」だろうと、10月10日付けのロサンゼルス・タイムズに語った。中には武器を携帯する者もいるだろうと話している。
同紙によると、オース・キーパーズは「重武装したMAGA(編集注:トランプ大統領が訴えるMake America Great Again(アメリカを再び偉大に)の略)を支持する愛国者たち」が大統領選の日に向けて備えているともTelegramに語っている。
投票所に武器を持ち込めるかどうか、持ち込める場合でもどのような形で持ち込めるかは、州の法律によって異なる。
街中をパトロールするオース・キーパーズのメンバー(ミズーリ州ファーガソン)。
Scott Olson/Getty Images
ただ、投票所で大っぴらに銃を携帯することは有権者への脅しと見なされる可能性がある。それはアメリカでは違法だ。
ローズ氏は、メンバーはいざという時には武器を抜くだろうと話している。
同氏は「極左勢力」が有権者を狙うのを心配しているという。ピュー・リサーチ・センターが7月から8月にかけて実施した調査では、トランプ大統領の支持者は民主党のバイデン候補の支持者よりも、投票所で直接投票したいと考えていることが分かっている。
「わたしは直接投票に行くし、わたしの知人も皆、そうだ。極左勢力もそれを分かっていると思う」とローズ氏は語った。
オース・キーパーズでは、問題があればまずは警察に通報するつもりだが、「警察が自らの務めを果たすかどうかは分からない」とローズ氏は話している。
例えば、投票所で銃を持ったデモ参加者に気付いたら「我々は介入する」という。
「前にもやったことがある。警官がやるべきことをやっていれば、我々は待機するだけだ。彼らがやるべきことをやらないなら、我々が介入する」
南部貧困法律センター(Southern Poverty Law Center:SPLC)のシニア・リサーチャー、キャシー・ミラー(Cassie Miller)氏は「ミリシア(編集注:極右武装勢力)や武装集団のメンバー、武装したトランプ大統領の支持者をわたしたちが投票所で目にする可能性は非常に高いでしょう」とロサンゼルス・タイムズに語った。
「こうした人々は有権者への脅しに加わろうというだけでなく、カオスな瞬間を作りたいと考えています」
「トランプの勝利以外、何も受け入れるつもりはないのです」
人権調査・教育研究所(Institute for Research and Education on Human Rights:IREHR)のエグゼクティブ・ダイレクター、デビン・ブルクハルト(Devin Burghart)氏は、極右集団がミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州の投票所に待機するだろうと、ロサンゼルス・タイムズに語った。
「武装して投票所に現れる行為は確実に、投票するために来た人々への抑止になる」という。
(翻訳、編集:山口佳美)