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パンデミックで業績が低下しても役員賞与は確保…一部の大企業は業績目標や評価期間を変更した

大企業の役員は従業員の賞与や業績目標を変更してまで報酬を確保

イタリアン・レストラン「オリーブガーデン」の親会社、ダーデン・レストランツは、セムラー・ブロッシーの報告書で名前が挙がった企業の1つだ。

Richard Levine/Corbis via Getty Images

  • 賞与制度や業績目標を変更して役員報酬を確保している大企業があることがわかった。
  • そのような企業は、目標に非財務的な項目を追加したりして、業績の悪い月をないものにしていると、セムラー・ブロッシー・コンサルティング・グループは報告している。
  • 例えば、イタリアンレストラン「オリーブガーデン」の親会社、ダーデン・レストランツはロックダウンの売り上げの低下が役員に不利にならないように賞与制度を変更したという。
  • 多くの企業が従業員の給与カットや一時解雇を行っており、役員報酬を守るような調整を行っていると「非常に大きな注目を集める」と、セムラー・ブロッシーは警告している。

大企業はパンデミックの間に賞与制度の見直しや業績目標の変更を行い、役員の報酬を確保していることが明らかになった。

アメリカの大企業29社について調査したセムラー・ブロッシー・コンサルティング・グループ(Semler Brossy Consulting Group)のレポートによると業績が落ち込んだ月をないものにしたり、賞与に連動する目標に非財務目標を追加したりした企業があると、フィナンシャル・タイムズは報じた

10社は、業績の評価期間を変更して、一年のうちの一部だけにした。パンデミックによる売り上げの低迷によって経営陣の年間業績評価が下がらないようにするためだ。

多くの企業が従業員を解雇したり、給与をカットしたりしており、役員報酬を保護するように見える調整は、悪い意味で大きな注目を集める可能性が高いと、セムラー・ブロッシーは警告している。

アメリカ証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、イタリアンレストラン「オリーブガーデン」の親会社であるダーデン・レストランツ(Darden Restaurants)はロックダウンによる売り上げの低下が役員賞与に影響しないよう制度を変更したと、セムラー・ブロッシーが指摘している。フィナンシャル・タイムズは、ダーデン・レストランツの2021年の賞与計画は上半期に非財務目標、下半期には財務目標を用い、取締役会の裁量によって役員賞与を決定するものだと報じている。

ダーデン・レストランツのジーン・リー(Gene Lee)CEOは、パンデミックの初期に自らの報酬カットを受け入れると誓約した経営者の1人で、これは従業員との結束を示すものだった。リーCEOは2020年4月初旬、100万ドルの基本給を返上すると述べた。しかしSECへの提出書類によると、6月初旬の時点で彼の報酬は元に戻っている

また、世界最大の5ツ星リゾートを経営するカジノ運営会社のウィン・リゾーツ(Wynn Resorts)は、2020年下半期の役員の業績目標の一部を、収益を上げることよりも現金を節約することに変更し、「目標レベルを大幅に引き下げた」という。

ダーデン・レストランツとウィン・リゾーツは、Business Insiderのコメント要請に返答していない。両社は、フィナンシャル・タイムズへのコメントも拒否している。

セムラー・ブロッシーは、役員のモチベーションを維持するためにはインセンティブが重要であるが、報酬は「株主、従業員、社会全体に対するCOVID-19のより広範な影響と比例し、整合性のあるものでなければならない。」と主張している

「メディアはパンデミックの中で企業の強欲さを示すネタを積極的に探しており、パフォーマンスベースの賞与の一部を時間ベースの権利確定に変更するなど、一見無害に見える変更でさえ、ネガティブな記事に繋がっていく」と同社は付け加えた。

[原文:Big businesses are protecting exec pay by rewriting bonus plans and changing performance targets during COVID-19, a report has found

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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