トランプ・タワーでの会議の後のドナルド・トランプ次期大統領とアリババの創業者 ジャック・マ―氏。
Evan Vucci/AP Images
(編集部注:この記事の内容は、執筆時点のものです)
アリババ・グループの創設者で会長を務めるジャック・マー(Jack Ma)氏は、月曜日にトランプタワー(Trump Tower)でドナルド・トランプ次期大統領と会談を行った。
マー氏とトランプ氏は会談後、記者たちと短時間の会見を行った。アメリカの中小企業が同社のプラットフォームを通じて中国へのセールスを可能にすることで、米国で100万人の雇用を創出する計画について話し合ったと述べた。
「アリババは、アメリカの中小企業や農家が中国に3億人強いる中流階級へセールスできるよう協力する」とアリババはTwitterで語った。
「素晴らしい会談だった」。トランプ氏は記者団に対し、マー氏は「世界で最も偉大な起業家の1人だ」と語った。 「彼はアメリカを愛している」とトランプ氏は続けた。「そして、中国を愛している」
マー氏は、トランプタワーで記者団に対し、「衣類やワイン、果物」などのアメリカ製品をアリババのプラットフォーム上で販売することを話したと述べた。さらに中国とアメリカとの外交関係改善に関する必要性についても議論したと述べた。
これまでトランプ氏は中国の経済政策を繰り返し批判し、アメリカの雇用を奪っているなどと非難していた。また、アメリカで販売されている中国製品に対して関税を引き上げる可能性があると述べていた。
アリババはアメリカでの本格的な事業展開を計画している。同社はニューヨークにある米国本社の規模を拡大すると同時に、光棍節(中国で11月11日に祝われる「独身者の日」)の国際的な知名度拡大にも力を入れている。
トランプ氏と会談するために移動している写真と、タワーの中でトランプ氏を待っているマー氏の写真がアリババ・グループのTwitterにポストされている。
次期米大統領@realDonaldTrumpに会いに行く途中のジャック・マー。アメリカの中小企業の中国ビジネスへの協力で、100万人分の雇用を創出する「$BABA 計画」について話をするため。
この会談はトランプ氏がアジアのIT界のもう1人の大物であるソフトバンク 孫正義社長との会談のわずか数週間後に行われた。孫氏との会談では、トランプ氏は以前発表された孫氏のファンドによる投資案件を受け入れた。同ファンドはアメリカ国内における5万人の雇用創出に貢献するだろうとトランプ氏は述べた。
この会談のニュースでアリババ株は回復し、アメリカ東部標準時間の午後12時20分の時点で1.26%上昇した。
[原文:Alibaba founder Jack Ma meets with Trump, pledges to create 1 million US jobs]
(翻訳:梅本了平)