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2度目の方が症状が重かった…… アメリカで初めて、新型コロナの再感染が報告される

検査

sonreir es gratis/Getty Images

  • アメリカ、ネバダ州在住の男性(25)が新型コロナウイルスに感染し、回復した1カ月後、2度目の感染をしたことが最新の研究で分かった。
  • この男性のケースは、わたしたちの免疫に対する理解に「大きな」影響を及ぼすと、筆者の1人はBBCに語った
  • 男性に基礎疾患はなく、2度目の方が症状が重かったという。
  • 新型コロナウイルスの再感染がアメリカで確認されたのはこれが初めて。ベルギー、オランダ、香港、エクアドルでも再感染の事例が報告されているが、世界全体で見てもこうした事例は珍しい。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染し、一度は回復したネバダ州在住の男性(25)が、再び新型コロナウイルスに感染、より重症化したと医師たちが発表した。

新型コロナウイルスの再感染がアメリカで確認されたのはこれが初めてだという。再感染は珍しいとはいえ、一度感染しても自動的にCOVID-19の免疫を獲得できるわけではなさそうだ。

男性の症例は、医学雑誌『ランセット・インフェクシャス・ディジーズ(Lancet Infectious Diseases)』に掲載された。ネバダ州ワショー郡在住の男性に初めて症状が見られたのは3月25日のことだった。

のどの痛み、咳、頭痛、吐き気、下痢に悩まされていた男性は4月18日、コミュニティーの検査イベントに参加し、新型コロナウイルスに感染していることが分かった。男性に基礎疾患はなく、免疫にも問題はなかった。9日間の自己隔離の末、症状は収まり、体調は回復した。

5月に検査を2度受け、いずれも陰性だった。ところが2度目の検査で"陰性"となった2日後、男性は再び体調不良に陥った。6月5日の検査を受けると、陽性だった。症状が重く、今回は入院することになった。その後、男性は回復している。

2度目の方が症状は重かった

同研究によると、ウイルスの遺伝子の系統が異なることから、2度目の"陽性"は1度目に感染したウイルスが単に再活性化したものとは考えにくい。

同じウイルス株がこの期間内に1人の人間の中で突然変異する可能性も「ほとんどない」という。男性がもともと2つのウイルス株に感染していて、そのうちの1つがしばらく潜伏していた可能性も排除している。

2度目の感染で息切れや低酸素の症状が見られたため、男性は救急救命室に入った。

なぜ1度目よりも2度目の方が症状が重かったのか、理由はまだ分かっていないが、BBCによると、論文の著者たちは3つの可能性を示唆している。

  1. 2度目の感染の方がウイルス量が多かった
  2. 2度目に感染したウイルスの方が強いウイルスだった
  3. 1度目の感染に対する免疫反応が2度目の感染を重症化させた

新型コロナウイルスの免疫について、まだ分かっていないことは多い

Business Insiderでも報じたように、トランプ大統領はCOVID-19から回復したと大統領の主治医が発表して以来、アメリカでは"感染後の免疫"をめぐる議論に対する関心がこれまでになく高まっている。

大統領は「免疫ができた」と何度も主張している —— ツイッター社はこの投稿に対し「誤解を招く恐れがある」と警告を表示した —— が、科学的な結論はまだ出ていない。

ランセット・インフェクシャス・ディジーズに掲載された今回の研究は、わたしたちの免疫に対する理解に「大きな」影響を及ぼすと、ネバダ大学の病理学准教授で論文の共同著者でもあるマーク・パンドリ(Mark Pandori)氏はBBCに語った

「先の感染が必ずしも将来の感染から身を守るわけではない可能性がある」という。

イギリスのイースト・アングリア大学の医学教授ポール・ハンター(Paul Hunter)氏は、同研究について「非常に懸念している」とBBCに語った。

ただ、こうしたケースがよく見られるものなら、もっと前にわたしたちの耳に入っていただろうとも指摘している。

新型コロナウイルスの再感染が確認された例は、世界でも珍しい。8月には香港で1例、その直後にベルギーとオランダで1例ずつ報告されている。同研究によると、エクアドルでも報告されているという。

「今回の研究結果が予防接種にとってどのような意味を持つのか、確かなことを言うにはまだ早すぎる」とハンター氏はBBCに語っている。

「しかし、今回の研究結果はこの感染症に対する免疫反応について、わたしたちはまだ十分に分かっていないということを改めてはっきりさせた」

[原文:A Nevada man was reinfected with the coronavirus — the first confirmed case in the US — and the 2nd time was worse

(翻訳、編集:山口佳美)

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