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「牛とのハグ」が癒やされるとブームに…動物保護団体からは懸念の声も

オランダ、スパンブルクの「ファームサバイバル」で、牛を抱きしめる女性。

オランダ、スパンブルクの「ファームサバイバル」で、牛を抱きしめる女性。

Farmsurvival

  • 牛を抱擁することが健康法としてブームになっている。
  • オランダが発祥で、現在ではアメリカ、スイスなど世界各地の農場が「牛とのハグ」を提供して人気を博している。
  • 牛の体温とゆったりとした鼓動を感じることで、ポジティブな気持ちになり、ストレスが軽減されるという。

牛を抱擁することは、ストレスを軽減し、前向きな感情を高める最新の健康法としてブームになっている。

オランダの田舎町、ルーフェルで始まった「牛とのハグ」は、現在ではスイスからアメリカに至る世界各地の農場がこのセラピーを提供して人気を博している。

オランダ、スパンブルクで「ファームサバイバル(Farmsurvival)」を経営するヨセ・バン・シュトラーレン(José van Stralen)は、他の農家から「牛とのハグ」の話を聞いて、6年前にサービスを始めた。

「人に抱擁されると、牛は耳を下げて目を半分閉じたり、人の膝の上に頭を乗せたりする。そんなボディランゲージから牛がかなりリラックスしていることが伝わってくる」と彼は言う。

「これはポジティブなエネルギーの交換だと言える。牛を抱擁している人の方も、その暖かな体のそばにいることでリラックスした状態になり、牛のゆったりとした心臓の鼓動を聞き入ることもある。これは牛と人の双方にメリットがあるすばらしい体験だ」

「抱擁を体験した人からは、思っていた以上に意味のあることだったとよく言われる。彼らはぬくもりにふれ、牛に受け入れられ、愛されていると感じたと言うが、それはまさに牛も求めていることだ」

「青空の下、緑の野原で牛に囲まれて過ごすほどすばらしいことはない」

BBCによると、人が牛の体温とゆったりとした鼓動を感じると、社会的な交流によって分泌されるホルモンであるオキシントンが増加してストレスを軽減し、前向きな感情を高めると考えられている。

2007年、フランスとオーストリアの科学者による研究論文が、学術誌「Applied Animal Behaviour Science」に掲載された。それによると「牛は、人になでられたりマッサージされたりすると、うれしそうにリラックスした様子を示す」ことが分かった、とPeopleが報じた。

さらに論文では、牛を抱擁した人間も心拍数が低下し、身体的にリラックスした状態になると述べ、このような認識が「人間と牛のコミュニケーションの質の向上につながるかもしれない」と結論づけた。

牛を抱擁したり、なでたり、マッサージしたりするセッションの時間は、大体最大3時間までだが、牧場によって異なる。人間と同様、牛の中にも社交的な牛もいれば、人に興味を示さず、すぐにどこかに行ってしまう牛もいる。

世界動物保護協会(WAP)の渉外アドバイザー、フィリップ・ウィルソン(Philip Wilson)は「牛が受ける利益についての報告があるかもしれないが、主に利益を受けているのは人間の方だろう」とInsiderに語った。

「動物保護団体として我々が懸念しているのは、動物が痛みや苦しみを感じることができる存在で、幅広いポジティブな感情を持つという本質的を、人間が理解しているかということだ」

「その他、人との望まない接触によるストレス、輸送や飼育の環境、動物と人間が関わることのリスクについても懸念している」

「セラピーという点では、犬や猫のようなコンパニオン・アニマルでも、同じような効果があるので、その方がお互いにとってリスクが少ないのではないかと考えている」

[原文:Cow hugging has emerged as the latest, global wellness trend to help reduce stress and increase positivity

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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