アエロフロート・ロシア航空。
Dmitry Feoktistov\TASS via Getty Images
- アエロフロート・ロシア航空の従業員や元従業員を使って、5000万ドル(約52億8000万円)相当の盗まれた電子機器をロシアに密輸した疑いで、アメリカは関係者10人に逮捕状を出した。
- 米国務省はこの件に関与したアエロフロート・ロシア航空の従業員113人のビザを取り消した。
- 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響で、アエロフロート・ロシア航空は8月、4億8500万ドルの損失を報告していた。
アエロフロート・ロシア航空の従業員や元従業員が、5000万ドル相当の盗まれた電子機器をロシアに密輸する手助けをしたことがアメリカの捜査で分かった。
捜査は連邦捜査局(FBI)、税関・国境取締局(CBP)、ニューヨーク市警、その他当局によるもので、アエロフロート・ロシア航空の従業員や元従業員を使って電子機器を密輸した疑いで、関係者10人に逮捕状を出した。電子機器にはiPhoneやiPad、Apple Watchが含まれていた。
当局の発表によると、乗務員の手荷物を調べたところ数億円相当の電子機器が見つかり、「その多く」は盗まれたものだという。密輸を主導した容疑者10人のうち8人は10月19日午後(現地時間)に逮捕されたが、2人は逃亡中だ。
米国務省はこの件に関与したアエロフロート・ロシア航空の従業員113人のビザを取り消した。
ニューヨーク州東部地区連邦検事代理のセス・ドゥシャーム(Seth DuCharme)氏は 「容疑者たちは、アメリカの輸出に関する法や規制を回避するためにアメリカとロシアのネットワークを使った国際的密輸組織のメンバーだった」とコメントしている。
国際航空運送協会(IATA)によると、航空業界は新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、運航が減り、収益を失うなど特に苦しんでいる業界だ。アエロフロート・ロシア航空は8月、4億8500万ドルの損失を報告していた。
イギリスでも、レイオフされた元客室乗務員がコカインを取り引きしたとして逮捕されている。
歴史あるアエロフロート・ロシア航空の現在の価値は1250万ドルだ。
Business Insiderはアエロフロート・ロシア航空にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
(翻訳、編集:山口佳美)