ポーランド、クラクフにあるアトランティック・スポーツ・フィットネス。2011年。
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- ポーランドのクラクフにあるスポーツジムは、コロナウイルスによる規制を回避するために、教会に改名しようとしている。
- アトランティック・スポーツ・フィットネスはフェイスブックで、自らを「健康な身体の教会(Church of the Healthy Body)」、トレーナーたちを「長老会(elder council)」と呼んだ。
- 10月15日、ポーランドは記録的な数の新規感染者に対応するため、交通信号になぞらえたシステムの導入を発表した。
- 地元紙によると、クラクフは「赤」のゾーンに入っていて、ジムが閉鎖を命じられるが、教会は社会的距離を取った上での活動を認められている。
- 同ジムのマネージャーは、もし閉鎖されたら、自分たちの仕事と人々の健康が危険にさらされると述べている。
ポーランドのクラクフにあるスポーツジムは、コロナウイルスによる新たな措置が実施されても営業を続けられるよう、「健康な身体の教会(Church of the Healthy Body)」という新たな名前をつけようとしている。
アトランティック・スポーツ・フィットネスのマネージャー、マルタ・ヤムローズ(Marta Jamróz)は10月17日のフェイスブック(Facebook)への投稿で、「フィットネスのクラスは行えないので...今日から、我々『健康な身体の教会』では、宗教的な信徒による活動を始める」と書いた。
彼はまた、このジムのトレーナーたちを「長老会」と呼んだ。
ポーランドのGazeta Wyborcza紙によると、同国のマテウシュ・モラヴィエツキ(Mateusz Morawiecki )首相は、国民に自宅待機を求めるための「信号」になぞらえた新たな国内規制策を発表した。それによると、クラクフを含む「赤」のゾーンでは、ジムとプールは閉鎖しなければならない。
この規制は、同国でコロナウイルスの症例が記録的に増加したことを受けて制定された。ジョンズ・ホプキンス大学のサイトによると、ポーランドでは新たな患者が急増していて、18日には1日1万人弱にまで増加している。夏の間、毎日の新しい症例は1000例を超えることはなかった。
ただし、Gazeta Wyborczaによると、新しい規則では、教会は7平方メートルあたり1人の社会的距離をとれば、「赤」ゾーンでも集会を行うことが認められている。このことを受けて、アトランティック・スポーツ・フィットネスはブランドを変更したようだ。
「すべて法に則って行う」とヤムローズは書いているが、集会の性質や参加者の距離については説明していない。彼女は、新たな規制が発表されたとき、「我々は誰もそれを信じたくなかった」と述べ、人々の健康と従業員の仕事に対する懸念を表明した。ヤムローズによると、このジムは「すべての衛生規則」に従っているという。
「クラブに来たくない人は来なくていい!」と彼女は書いた。
「それなのに、すべての衛生規則を守っている場所を閉鎖するのか! 我々は健康のためだけに戦っているのではない!我々は今、生存のために戦っている!我々の仕事として!」
アトランティック・スポーツ・フィットネスが、見かけ上のブランド再構築を行ったことで再オープンが許可されたかどうかについては、回答を得られなかった。
スポーツジムは、コロナウイルスの大流行の場になった。例えば、カナダのスピン・スタジオでは、厳重な衛生管理にもかかわらず、少なくとも72人がウイルスに感染したという。
感染症の専門家であるスーザン・ハシグ(Susan Hassig)博士は以前Business Insiderに対し、ジムに行くことは「中から高程度のリスク」があると語っている。
Business Insiderが以前報じたところによると、パンデミックはこの業界にとって悲惨な出来事で、2020年にアメリカのフィットネスやスポーツ用品関連の会社数社が破産を申請した。また、営業停止と再開が繰り返されることで、バーチャルクラスでの活動や少人数でセッションなど、スポーツジムはさまざまな対応を余儀なくされている。
しかし、ジムが教会に改名するのは今回が初めてだろう。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)