コロナ禍で需要が増加! ハンバーガーやポテトを自動調理するロボット「フリッピー」の仕事ぶり

フリッピー

Miso Robotics

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が続く中、ハンバーガーやサイドメニューを作れるロボットは"完璧な料理人"だ。

Miso Roboticsが開発したロボット・アシスタントの「フリッピー(Flippy)」は、3万ドル(約316万円)で購入できる。キッチンフードの下のレールに取り付けられたフリッピーは、行ったり来たりしながら"焼き"と"揚げ"を担当する。

「1月にプロトタイプを先行公開した後、新型コロナウイルスの影響もあって、需要が急激に高まった」とMiso RoboticsのCEOマイク・ベル(Mike Bell)氏はプレスリリースでコメントした。新型コロナウイルスのパンデミックで外食産業は打撃を受けたが、ファストフード・チェーンは他のレストラン・チェーンに比べて、店内での飲食に依存することなく、ドライブスルーやテイクアウトのおかげで回復が早かった。

パンデミックをきっかけに、ファストフード店で働く人々は"エッセンシャル・ワーカー"となり、有給の病欠がないことや賃金が低いといった労働問題が世間の注目を浴びた。フリッピーのようなキッチンで働くロボットは、「利益率の低下、客足の減少、新たな衛生・安全面での懸念」をよそにファストフード店の競争力を維持できるだろうと、Miso Roboticsは話している。

フリッピーの仕事ぶりを見てみよう。


Miso Roboticsが初めてフリッピーをグリル担当に導入したのは、2018年のことだ。世界初のハンバーガーのパテをひっくり返すロボットは、1時間で150枚のパテを焼くことができた。

フリッピー

Miso Robotics


フリッピー1号は、グリルに並べられた生のパテを見分けることができ、その焼け具合をモニターした。合間にフライ返しやグリルの汚れもきれいにすることができた。

フリッピー

Miso Robotics


同じ年、フリッピーは揚げ物担当のアシスタントとしての能力も伸ばし、ドジャー・スタジアムに試験導入された。

フリッピー

Miso Robotics


フリッピーはフライヤーにバスケットをセットし、油の中でバスケットを振り、チキンテンダーやハッシュドポテトの適切な調理時間をモニターすることもできた。

フリッピー

Miso Robotics


2020年1月、Miso Roboticsはフリッピーのアップデートを発表。レールに取り付けることができるようになった。

フリッピー

Miso Robotics


そのデザインは、"速さ"が売りのキッチンで忙しい調理担当者を支援するために考えられた。キッチンフードの下に取り付けられ、スタッフの邪魔になることなく、動けるように。

フリッピー

Miso Robotics


2020年までにフリッピーはドジャー・スタジアムやチェイス・フィールドの他、ハンバーガー・チェーン「カリバーガー(CaliBurger)」の複数の店舗と契約した。

フリッピー

Courtesy of White Castle


2019年、フリッピーは1万5000個以上のハンバーガー、3万1000ポンド(約1万4000キログラム)以上のチキンテンダーやハッシュドポテトを作った。

揚げ物

Miso Robotics


7月には、ハンバーガー・チェーン「ホワイト・キャッスル(White Castle)」がフリッピーとの提携を発表。

ホワイト・キャッスル

Miso Robotics


パンデミックの最中、フリッピーの導入は提供前のフードと人間の接触を減らす1つの手段にもなる。感染拡大の防止につながることも期待されている。

フリッピー

Courtesy of White Castle


食の安全を向上させるため、Miso Roboticsは「パススポット・テクノロジーズ(Pathspot Technologies)」と提携。手洗い後の従業員の手をスキャンし、食べ物を扱って大丈夫か確認できるようになった。

フリッピー

Miso Robotics


フリッピーとそのAI(人工知能)テクノロジーの進歩は、"揚げ物"といった危険な仕事を担当しながら、人間のスタッフとよりうまく働くことを可能にした。

フリッピー

Miso Robotics


Miso Roboticsのソフトウエア「ChefUI」はフードの種類や温度を見分け、新しいフードを学習することができる。

フリッピー

Miso Robotics


ロボットに付いているモニターは、次に来る注文の内容をスタッフに伝える。スタッフはここで注文に応じて、調理時間を調整することもできる。

モニター

Miso Robotics


こうした進歩の全てがフリッピーの機能を高めた。今ではハンバーガー、チキンウィング、オニオンリングといった19種類のフードを調理することができる。

フリッピー

Miso Robotics


アップデートによって、フリッピーは一般的なハンバーガーとは質感、厚みが違うため、異なる"焼き"の技術が必要な、植物ベースの代替肉を使ったインポッシブル・バーガー(Impossible Burger)も適切に調理できるようになった。

フリッピー

Miso Robotics


フリッピーは水洗い可能だ。使用するツールも自動で交換、洗浄される。

フリッピー

Miso Robotics


Miso Roboticsは、何度も何度も着実にメニュー・アイテムを作るというファストフード・チェーンにとって重要なフリッピーの調理能力の高さをアピールしている。

フリッピー

Miso Robotics

[原文:Flippy, the $30,000 automated robot fast-food cook, is now for sale with 'demand through the roof' — see how it grills burgers and fries onion rings

(翻訳、編集:山口佳美)

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