BI Daily Newsletter

中国軍の爆撃機が謎のミサイルを搭載…対艦弾道ミサイルか、極超音速滑空体か

北京上空を飛行する中国のH-6爆撃機。

北京上空を飛行する中国のH-6爆撃機。

AP Photo/Ng Han Guan

  • 中国のH-6N爆撃機とみられる航空機が、これまでに知られていないミサイルを搭載している様子が撮影された。
  • H-6NはH-6ファミリーの中で最も進化した爆撃機で、アメリカ国防総省によると「長距離打撃に最適化されている」という。
  • 軍事アナリストは、この謎のミサイルは空から発射される対艦弾道ミサイルのようだと語った。他の専門家が提起するもう一つの可能性は、このミサイルがある種の極超音速兵器であるということだ。

10月17日、中国のH-6N爆撃機とみられる航空機が、これまで知られていないミサイルを搭載している様子を撮影した映像が公開された。

The War Zoneが最初に報じた非常に短い動画では、近くの飛行場に着陸しようとしているグレーの爆撃機に、これまで知られていないミサイルが搭載されていた。これはH-6Nが初めて目撃された映像で、この爆撃機のペイロードに関する新たな洞察を提供するものだ。

マクスウェル空軍基地にあるアメリカ空軍大学の中国航空宇宙研究所の研究責任者、ロデリック・リー(Roderick Lee)は、河南省の寧祥飛行場で撮影されたようだと、ツイッターで述べている。彼は最近のニュースサイトのThe Diplomatに、この基地には中国のH-6爆撃機の中でも最も進化したH-6Nが配備されているかもしれないと書いている。

中国は1960年後半からH-6爆撃機を運用してきたが、軍事力の近代化を進める中で、ソ連のTu-16爆撃機のライセンス生産として始まったH-6の改良に大きな力を注いだ。

アメリカ国防総省は2009年に就航したH-6Kの派生型であるH-6Nを「6基(の対地巡航ミサイル)を搭載でき、グアムまでを射程に収める精密な長距離攻撃能力を人民解放軍に与える」と評価している

中国の軍事力増強に関する2018年の報告書で、国防総省は中国軍が新しい空中発射弾道ミサイルを搭載するために航空機を改良していると述べた。

その翌年の軍事パレードで、中国は改良型のH-6Nを発表した。

国防総省は最新の中国の軍事力に関する報告書の中で、H-6Nを「H-6Kの派生型で長距離打撃に最適化されている」と位置付け、従来の爆弾倉の代わりに、空中発射弾道ミサイルを外部に搭載できるように改良されていると説明している。

中国がH-6Nに対艦弾道ミサイル(ASBM)を搭載するかもしれないという憶測があったが、それはおそらく「空母キラー(carrier-killer)」として知られる陸上発射型のDF-21D ASBMの空中発射バージョンだろう。

Open Nuclear NetworkのアナリストであるXu TianranはBusiness Insiderに対し、動画に映っているミサイルは空中発射対艦弾道ミサイルだと思うと述べた。

Xuは「陸上発射型のASBMのほかに、中国軍が柔軟性と多様性を高めるための空中プラットフォームを持ちたがっていることは驚くべきことではない」とし、アメリカ海軍、具体的には11隻の空母の抑止を目的とした中国の対艦・対空兵器開発への取り組みを指摘した。

H-6Nの映像が公開されてから、もう1つの可能性として挙げられているのは、このミサイルが何らかの極超音速兵器ではないかということだ。現在、十分な防衛策が存在しないこの兵器の開発は、米中間の重要な競争分野だ。

The War Zoneによると、ビデオに映っているミサイルは、中国が初めてH-6N爆撃機を披露したのと同じ軍事パレードで発表した地上発射の超音速兵器DF-17に似ているという。DF-17は地対地攻撃兵器で、弾道ミサイルを利用してDF-ZF極超音速滑空体をマッハ5以上に加速するものだ。

アメリカ空軍は現在、B-52爆撃機に搭載する極超音速兵器であるAGM-183空中発射高速応答兵器(Air-Launched Rapid Response Weapon:ARRW)の開発を進めている。

17日に公開されたH-6Nの映像の画質では、何を搭載していたのかを正確に断定することは困難で、兵器の開発段階もわからない。

しかし、ミサイルがASBMであろうと、極超音速兵器であろうと、あるいはまったく別のものであろうと、中国が爆撃機の戦闘能力を向上させるために大きな力を注いでいることは明らかだ。

[原文:Video captures advanced Chinese bomber carrying a mystery missile possibly built for long-range strikes on US bases or even aircraft carriers

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

あわせて読みたい

新着記事

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み