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マイクロソフトも機械学習で支援! 海洋プラスチックごみを自動で回収する船「インターセプター」が活躍している

サンフランシスコ

サンフランシスコ。

The Ocean Cleanup

  • オーシャン・クリーンアップ(Ocean Cleanup)は、海のプラスチックごみを片付けるテクノロジーをデザインする非営利組織だ。
  • ごみを見分けるのに役立つ機械学習モデルを作るため、マイクロソフトは2つのハッカソンを開催した。
  • オーシャン・クリーンアップは、海洋プラスチックごみを新たな製品に変えようとしている。

海をきれいにするというのは大仕事だ。オランダに拠点を置くある非営利組織にとってもそれはまさに大仕事だが、マイクロソフトの協力が"素晴らしいボーナス"となっている。

ボイヤン・スラット(Boyan Slat)氏が2013年に立ち上げた非営利組織オーシャン・クリーンアップは、太平洋ゴミベルトをきれいにすることを目指している。河川をきれいにすることで、新たなごみが海に入り込まないようにすることも、プロジェクトの一環だ。

2018年には、革新的なソリューションを見つけるためのムーンショット(編集注:難しいが、実現すれば大きな効果をもたらす壮大な計画や試み)にボランティアで取り組むマイクロソフトのハッカソンに参加した。その成果である機械学習モデルは、オーシャン・クリーンアップがプラスチックやその他のごみを追跡し、どこで、どう同組織の巨大な自動プラスチックごみ回収装置を動かせばよいか、教えてくれる。

その仕組みを見ていこう。


オーシャン・クリーンアップは、すでに海にあるプラスチックごみと河川を通じて海に入り込もうとするプラスチックごみと戦う非営利組織だ。

プラごみ

The Ocean Cleanup


海洋プラスチックごみは「太平洋ゴミベルト」といった"大きな集まり"を形成し、マイクロプラスチックへと分解される。マイクロプラスチックは海洋生物、そして人間にとっても害を及ぼしかねない。

海洋ごみ

The Ocean Cleanup


オーシャン・クリーンアップによると、こうしたごみを船と網を使って追いかけるのは、お金や時間がかかるだけでなく、大量の化石燃料を必要とするという。

回収されたごみ

The Ocean Cleanup


そこでオーシャン・クリーンアップでは、"自動回収装置"を使っている。

インセプター001

「インセプター001」(インドネシア、ジャカルタ)。

Ocean Cleanup


「インセプター」もこうした装置の1つだ。

インセプター001

「インセプター001」(インドネシア、ジャカルタ)。

Ocean Cleanup


太陽光発電のこの装置は、川の流れとともに移動しながら、プラスチックごみを海に到達する前に自動で回収する。

インセプター001

「インセプター001」(インドネシア、ジャカルタ)。

Ocean Cleanup


インドネシアやマレーシアではすでに稼働していて、オーシャン・クリーンアップでは今後5年以内に世界で最も汚染のひどい河川1000で「インターセプター」を使いたいと考えている。

インターセプター002

「インターセプター002」(マレーシア)。

Ocean Cleanup


次はベトナムとドミニカ共和国だ。

インターセプター002

「インターセプター002」(マレーシア)。

Ocean Cleanup


それぞれの「インターセプター」は約50立方メートル、重さにして約50トンのごみを収容できる。

インターセプター002

The Ocean Cleanup


十分な大きさにも思えるが、オーシャン・クリーンアップによると「インターセプター」は危険な汚染物質と人の接触を最低限に抑えつつ、世界のさまざまな汚染した河川で使用できるよう、大量生産を念頭にデザインされているため、拡張可能だという。

インターセプター002

「インターセプター002」(マレーシア)。

Ocean Cleanup


「インターセプター」は、川の流れとともに移動しながら、プラスチックごみを回収していく双胴船の一種だ。

インターセプター

The Ocean Cleanup


川の流れを利用して、ごみだけをベルトコンベアで運んでいく。

インターセプター002

「インターセプター002」(マレーシア)。

Ocean Cleanup


その日の天候や川の流れなどにもよるが、「インターセプター」は1日で1万1000ポンド(約5トン)以上のごみを回収することができる。

インターセプター001

「インターセプター001」(インドネシア、ジャカルタ)。

Ocean Cleanup


ごみが満杯になると、「インターセプター」は川岸にある処理施設にごみを持って行く。

インターセプター002

「インターセプター002」(マレーシア)。

Ocean Cleanup


マイクロソフトが関係してくるのはここからだ。2018年、従業員のドリュー・ウィルキンソン(Drew Wilkinson)さんはオーシャン・クリーンアップにEメールを送り、同社が毎年行っているハッカソンで、彼らの活動を手助けできるかもしれないと連絡した。

プラごみ

The Ocean Cleanup


「マイクロソフトには、AI(人工知能)を使って、わずかな費用であなた方の取り組みの追跡、監視の役に立つ莫大な計算資源があります」と、ウィルキンソンさんはメールに書いた。

プラごみ

The Ocean Cleanup

Source: Microsoft


2つのハッカソンを経て、マイクロソフトの従業員たちは「インターセプター」で川を流れるプラスチックごみを追跡する機械学習モデルを作った。

プラごみ

The Ocean Cleanup


マイクロソフトの支援を受ける前、オーシャン・クリーンアップでは1人の人間が自力で画像からごみを見分けていた。非効率でうんざりするようなプロセスだ。

インターセプター002

「インターセプター002」(マレーシア)。

Ocean Cleanup


オーシャン・クリーンアップはこうした画像をマイクロソフトのボランティアと共有。彼らはプラスチックごみと木の枝や葉といった他のごみを見分けるために、機械学習モデルを使った。

サンフランシスコ

サンフランシスコで活動するオーシャン・クリーンアップ。

The Ocean Cleanup


ひと夏で、彼らは3万枚以上の画像を分類できた。

プラごみ

Ocean Cleanup


現在、海の画像向けに同様のモデルを作ろうとしている。

サンフランシスコ

サンフランシスコで活動するオーシャン・クリーンアップ。

The Ocean Cleanup


評価のため、海では大型船が似たような回収手法でごみを集めて、サンフランシスコにある管制センターに持ち帰っている。

サンフランシスコ

サンフランシスコで活動するオーシャン・クリーンアップ。

The Ocean Cleanup


オーシャン・クリーンアップは現在、組織を財政面でも持続可能にするために、集めたプラスチックごみを新たな製品にリサイクルしようと取り組んでいる。

プラスチックの粒

プラスチックの粒。

Ocean Cleanup

[原文:Microsoft teamed up with a nonprofit using autonomous 'interceptor' boats to clean up the ocean and is helping it identify trash with machine learning

(翻訳、編集:山口佳美)

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