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伊藤詩織さん「杉田水脈議員には裁判の場で説明してほしい」Twitter拡散の責任問う訴訟始まる

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第1回弁論を終え、取材に応じた伊藤詩織さん。

撮影:横山耕太郎

ジャーナリストの伊藤詩織さんが、Twitter上で名誉を棄損されたとして、衆院議員の杉田水脈氏に約220万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が東京地裁(武藤貴明裁判長)で開かれた。

伊藤さんに対するTwitter上での中傷に対して、杉田氏がTwitter上で「いいね」したことについて、伊藤さんは冒頭陳述で「杉田氏の『いいね』によって、第三者の批判的、暴力的な言葉が拡散され、あふれていく様子も恐ろしく感じています」と訴えた。

被告の杉田氏は欠席したが、裁判を終えた伊藤さんは「どういう思いで『いいね』をしたのか、裁判の場で明らかにしてほしい」と話した。

焦点は「いいね」の責任を問えるか

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今回の訴訟では、Twitter上に書かれた伊藤さんについての中傷に対して、杉田氏が「いいね」した行為の責任を問えるかが焦点になっている。

訴状によると、2018年6月から7月にかけ、伊藤氏についてTwitterに投稿された「枕営業の失敗」「彼女がハニートラップを仕掛け(た)」「被害者ぶるのもいい加減にしてください」などの匿名の誹謗中傷に対し、杉田氏が「いいね」を押したことが名誉感情侵害に当たるとしている。

「どれも私にとってはセカンドレイプ」

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原告側の弁護士は「前例のない裁判になる」と話す。

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この日の裁判には、伊藤さんの支援者や報道関係者ら約25人が傍聴券を求めて列を作った。裁判が始めると、裁判長から「意見陳述されますか」と問われ、伊藤さんが陳述要旨を読み上げた。

「今の社会では、被害を届け出た、訴え出た人への風当たりもいまだに厳しいものがあります。『ハニートラップ』『売名行為』『被害妄想』。これらはオンラインで杉田氏が『いいね』と支持していた言葉たちです。

また、インタビューやTwitterで杉田氏が発言した私に対する批判的な言葉も、私の心に突き刺さっています。これらはどれも私にとってはセカンドレイプとなる発言です」

また杉田氏が国会議員である点も強調したほか、ネット上で拡散された情報による被害が今も続いていると訴えた。

「国会議員は法律形成に大きく関わる人です」「これら(Twitter上での『いいね』など)が法律を変える力がある国会議員からというものだったことに、衝撃、恐怖さえ感じています

「私を攻撃する言葉がネットにまん延しており、私の人格に対して、職場や日常生活で会った人から誤解を受けることが続いています。杉田氏が今後、同じような過ちを大切な人に対してしないでほしいと心から願っています」

前例のない裁判、国会議員である点など争点

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撮影:今村拓馬

第1回弁論を終えた伊藤さんは、裁判所を出ると落ち着いた様子で杉田氏への思いを話した。

「暴力的な言葉を、どういう思いで『いいね』したのか、法廷の場で明らかにしてほしいと思っています。どういうお気持ちなのか、当事者として何度も考えたことですし、答えをいただけるか分かりませんが、聞いてみたいと思っています

伊藤さんはプラットフォームの改善や、法律での規制が必要だとした上で、こう指摘する。

「SNS上で『いいね』される情報は、ネガティブな言葉の宝庫になってしまっています。シェアされる言葉の暴力性について、今回の裁判が、一人ひとりが責任を持って向き合う機会になってほしいと思っています

原告側の佃克彦弁護士は今回の訴訟について次のように話す。

「前例のない裁判。具体的にどう争うかはまだわかりませんが、被告側は『いいね』を押しただけであり、違法性はないと主張すると思います。

ただ、杉田氏が国会議員であり、社会的に影響力を持っている点などいろいろな事情を加味して、裁判所が総合的に判断してくれるかどうかがポイントになる

第1回弁論に欠席した杉田氏は、「請求の原因に対する認否」は「追って認否する」とする答弁書を提出した。

(文・横山耕太郎

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