唯一無二の“回転する”3眼カメラ搭載「ZenFone 7 Pro」の実力、日本では10月23日発売

ZenFone 7 Pro 正面

ASUSはZenFone 7 Proの日本展開を発表した。

撮影:小林優多郎

台湾のPC・スマホメーカーであるASUSは10月21日、新型スマートフォン「ZenFone 7」「ZenFone 7 Pro」を日本向けに発表した。

本体価格はZenFone 7が8万5800円、ZenFone 7 Proが9万9800円(いずれも税別)。発売予定日は両機種とも10月23日。

今回は事前に上位機種であるZenFone 7 Proを触れる機会を得たため、ファーストインプレッションをお送りする。

唯一無二のフリップカメラは3眼レンズ仕様に進化

ZenFone 7 Pro 背面

背面カメラは3眼レンズ。

撮影:小林優多郎

ZenFone 7 Proは、高性能で高価格なハイエンドレンジの5G対応SIMフリースマホだ。

CPUには現行のクアルコム製チップセットで最高峰の「Snapdragon 865 Plus」、メモリーは8GB、ストレージは256GB(UFS 3.1)を搭載する。

そして、最大の特徴はカメラにある。ZenFone 7シリーズは前機種の「ZenFone 6」シリーズから引き続き、背面カメラが回転して正面カメラを兼ねる「フリップカメラ」機構を採用する。

フリップカメラ

背面カメラが回転して正面カメラになるフリップカメラ。約2万回のフリップに耐えられるという。

撮影:小林優多郎

また、ZenFone 6からの進化ポイントとして、広角+超広角のデュアルレンズから、広角+超広角+望遠のトリプルレンズの構成になり、通常のスナップショットでもセルフィーでもより自由度の高い構図で撮影できることが挙げられる。

一般的に、正面カメラは背面カメラに比べて性能が低い傾向にある。だが、ZenFoneの場合、フリップ機構のおかげで正面カメラも背面カメラと同じ画質で撮影できる。

作例 色合い

6400万画素の広角レンズ側で撮影(写真をクリックすると大きなサイズで表示します)。発色もよく、“シズル感”もある。

撮影:小林優多郎

作例 広角

6400万画素の広角レンズ側で夜景を撮影(写真をクリックすると大きなサイズで表示します)。

撮影:小林優多郎

作例 超広角

1200万画素の超広角レンズ側で夜景を撮影(写真をクリックすると大きなサイズで表示します)。手ブレ補正非対応だからか、手ぶらで撮影するとややブレが目立つ。

撮影:小林優多郎

作例 望遠

800万画素の望遠レンズ側で夜景を撮影(写真をクリックすると大きなサイズで表示します)。

撮影:小林優多郎

作例 セルフィー

6400万画素の広角レンズ側で夜景&セルフィーで撮影(写真をクリックすると大きなサイズで表示します)。潰れがちな髪の毛の細部もしっかり写っている。

撮影:小林優多郎

作例 セルフィー 参考

参考までにソニー「Xperia 5 SO-01M」のインカメラ(800万画素)で撮影したもの。ZenFone 7 Proのものと比べると、全体的に細部が見えず、ぼやっとしたイメージ。

撮影:小林優多郎

すでにグローバルではその性能の評価を受けており、カメラ性能などのベンチマークを行なうDXOMARKの評価によると、ZenFone 7 Proのセルフィーにおける評価点は101点で、10月21日時点では「Huawei P40 Pro」(103点)に次ぐ2位となっている。

邪魔な要素の少ないディスプレイが快適

ZenFone 7 Pro ディスプレイ

ZenFone 7 Proのディスプレイには“ノッチ”も“パンチホール”もない。

撮影:小林優多郎

フリップカメラ機構の副次的な効果として挙げておきたいのが、スッキリとしたディスプレイのレイアウトだ。

昨今のスマホを見ると、iPhone X以降の正面カメラがディスプレイ部まで食い込んでいる“ノッチ”デザインや、PixelやGalaxyなどのような正面カメラがそのまディスプレイ上に配置されている“パンチホール”デザインのものが多い。

パンチホール

Galaxy 20に付いている正面のパンチホールデザインのカメラ。

撮影:小林優多郎

これはいわゆる正面カメラの多機能化や、大画面化と本体の小型化の両立のための工夫ではあるが、映像などを見る際は(慣れるとはいえ)そうしたノイズはないほうが自然だ。

ZenFone 7 Proは2400×1080ドット解像度の有機ELディスプレイを採用。最大90Hzの画面描画速度に対応しており、4K画質の動画を観ることはできないが、YouTubeなどのストリーミング動画、ウェブページなどは十分すぎるほど快適に閲覧できる。

ZenUI 7はスマホの“黒衣”的な存在

プリインストールアプリ

プリインストールアプリは少なめ。

ソフトウェア的な部分を見てみると、ZenFone 7/7 Proが採用する「ZenUI 7」の見た目は、ほとんどPixelやAndroid Oneシリーズと同じく、Android標準に近いつくりをしている。

実際、プリインストールアプリを見てみると、ほとんどがグーグル製で、日本語入力IMEの「ATOK for ASUS」やハイレゾ対応音楽プレイヤー「NePLAYER for ASUS」などのみ。かなりスッキリとした内容だ。

スマートキー

ZenFone 7 Proのスマートキー機能。

では、ZenUI 7=オープンソースのAndroidなのかと言われるとそうではない。

バッテリー節約機能や音声通話の着信時に役立つ機能、特定のアプリを即時起動できるジェスチャー機能など、さまざまな便利機能が内蔵されている。

ZenFone 7 Pro 右側面

右側面に音量ボタンと電源兼指紋センサーがまとまっている。

撮影:小林優多郎

中でも個人的に気に入ったのは、電源ボタン兼指紋センサーの「2回押し」「長押し」に好きな機能を割り当てられる「スマートキー」機能で、例えば標準では2回押しでGoogleアシスタントが起動するようになっているが、特定のアプリの起動やWi-Fi/Bluetoothのオンオフなどに変更できる。

7 Proでしかできないことが少ない

ZenFone 7 Pro フリップカメラ寄り

フリップカメラはZenFone 7にも7 Proにも搭載されている。

撮影:小林優多郎

フリップカメラ機構もZenUI 7の機能もかなり“使える”ものだと感じたが、一方で他のスマホとの違いを“わかっている”人でないと魅力に感じづらいところは、正直あると思う。

価格帯や搭載するチップセットのスペック的にも、この端末が万人に対するものではなく、ゲームも含めたさまざまな体験が快適なハイエンドの魅力がわかるこだわり派向けであるのは確かだ。

ZenFone 7 Proから見れば下位機種の「ZenFone 7」も、Snapdragon 865、メモリー8GB、ストレージ128GBとハイエンド相当の性能を持ち、フリップカメラ機構も搭載している。

付属のカバー

ZenFone 7 Proの付属のカバーには、フリップカメラの誤動作を防止するロック機構がある。

撮影:小林優多郎

一方、7にはない光学手ブレ補正(広角+望遠)に対応する7 Proのフリップカメラはやはり魅力的だ。

ストレージ容量やCPUの性能が違うとはいえ、7と7Proの価格差1万4000円をどう考えるべきか、悩ましい。

筆者の感想としては、ZenFone 7のスペックをもう少し抑えることで、ZenFone 7 Proの“Pro感”を強調してもよかったのではないかと思う。

いずれにせよ、ZenFone 7/7 Proがトリプルレンズ仕様のフリップカメラ機構を搭載した唯一のスマホであることは間違いなく、スナップショットもセルフィーもこだわって撮りたいユーザーは必見のスマホだと言える。

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(文、撮影・小林優多郎

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