BI Daily Newsletter

幸福はお金で買える ── ただし、お金を使うべき対象は人それぞれ

研究によると、旅行などの体験にお金を使うことは、物を買うよりも多くの幸福をもたらす。

研究によると、旅行などの体験にお金を使うことは、物を買うよりも多くの幸福をもたらす。

hxyume/Getty Images

  • ある程度まではお金で幸福を買うことができる。研究によると、約7万5000ドルまでは収入につれて幸福度も上がるという。
  • 研究者はまた、体験は社会的関係を強化し、アイデンティティを確立することで人々を幸せにすることを見出した。
  • あなたの価値観に合った体験やアイテムにお金を使うことで、あなたの幸せをさらに高めることができるかもしれない。

このフレーズを知っているだろう。

「お金で幸福を買うことはできない」

実際のところは、それは100%の真実ではない。あなたがどれだけのお金を持ち、どのように使うかによって、ある程度の人生の満足感を買うことができる。

調査によると、幸福感は収入とともにある程度まで上昇する。2010年の45万人のアメリカ人を対象とした調査では、年収7万5000ドルまでは、収入が多いほど幸福感が高いことがわかった。しかし、それ以上では低下する。単にお金を持っているだけでなく、人生経験を楽しむことや社会とのつながりを持つといった基本的なニーズを満たすことが、人生の満足と幸福の重要な要素であるということがその理由でもある。

まずは最低限の生活費

金融セラピスト、LMSW(認定ソーシャルワーカー)で『The Financial Anxiety Solution』の著者でもあるリンゼイ・ブライアン・ポドビン(Lindsay Bryan-Podvin)は、年収7万5000ドルが皆の基準になるわけではないと言う。食料、住居、医療などの基本的なニーズを満たすことが最優先事項で、収入から得られる満足度は、地域の生活費や個人的な興味などの要因によって異なる。

「経済的に安定すると、精神的な健康状態もよくなるということは、データでもかなりはっきりしている」と、彼女は言う。

「長時間の労働はストレスになるものだ」

事実、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、貧困レベルの生活をしている成人は、それ以上の生活をしている成人に比べて、うつ病にかかる可能性が3、4倍高かった。

仕事を掛け持ちしなくても基本的なニーズを満たすことができることは、友人や家族と過ごす時間が持てるようになるということでもあり、それは幸福のために重要だ。1938年に開始され、80年近くにわたって数百人の男性を追跡してきたハーバード大学の研究では、身体的および精神的健康に関するデータが収集されている。そこで研究者たちは、金銭や名声よりも、親密な人間関係が人々を幸せにしていることを見出した。

体験に使うか、モノを手に入れるか

基本的なニーズを満たしてしまえば、お金で幸せを買えるかどうかは、何に使うかにかかっているかもしれないと、ブライアン・ポドビンは言う。

体験にお金をかけることは、物質的なものにお金をかけるよりも幸せになるという説がある。そして、これを裏付ける研究もある。2014年の研究によると、体験は人を幸せにするが、それは体験が社会的な関係を深め、自分のアイデンティティを確立し、他人と比較されることが少ないからだという。

2000人以上のミレニアル世代を対象に2014年に行われた調査によると、78%の人がモノよりも体験やイベントにお金を使うことを好むという。ミレニアル世代だけではない。同じ調査によると、消費者の体験やイベントへの支出は1987年から70%増加している。

しかし、人によっては、最も幸せをもたらすのは、有形のものを買うことかもしれない。「調査が示しているのは、何かに非常に強い親和性を持っている場合は、その物を買うことで多くの幸福を得ることができるということだ」と語るブライアン・ポドビンは、自動車への情熱を例に挙げた。

お金で買えないものもある

お金を多く持っていれば幸せも増えるとは限らない一つの理由は、ブライアン・ポドビンが「ライフスタイル・クリープ」と呼ぶ傾向があるからだ。つまり、より多くのお金を稼いでいると出費も増えることが多いということだ。

例えば、ゴルフクラブの会員になったり、高級なレストランでディナーを食べたりしてお金を使うことになるかもしれない。そうなると、相当な給料をもらっていても、お金が足りないと感じるかもしれない。

幸せはまた、そのお金を稼ぐためにどれだけ働かなければならないかにもよる。「30万ドルの収入があることはすばらしいことだが、もし週に80時間働いて、稼いでいるお金を使うことができないなら、何の意味があるのだろうか」 とブライアン・ポドビンは言う。

結論としては

幸せになるのに必要なお金は人によって異なる。幸せは、あなたの基本的なニーズを満たすためにどれだけのお金が必要か、そして何があなた自身に喜びをもたらすかにかかっているかもしれない。

ある人にとってはヤンキースのシーズンチケットかもしれない。他の人にとっては、月に1度のマッサージか、新しいランニングシューズかもしれない。

最終的には、お金をどのように使うかによって、人生の満足度を高めることができる。自分の価値観に合った体験やアイテムにお金を使えば幸せが増すだろうとブライアン・ポドビンは言う。

[原文:Money can buy happiness: Here's how much you need and how to spend it, according to a financial therapist

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み