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YouTubeの"子どもインフルエンサー"は、子どもたちにジャンクフードを売り込んでいる —— 最新研究

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Vanya Dudumova/Getty Images

  • YouTubeで人気の子どもインフルエンサーに関する研究によると、こうした子どもたちの動画に登場するフードやドリンクの90%は健康的とは言えないものだった。
  • 子ども向けの動画でジャンクフードをPRすることは、一生に及ぶ不健康な食生活、肥満、関連する健康問題につながる恐れがある。
  • 研究者たちは、子どもが出演するYouTube動画に特定の商品を映り込ませるプロダクト・プレイスメントに対する規制を強化するよう呼びかけている。

2019年に最も稼いだユーチューバーは、9歳のライアン・カジくんだった。子ども向けエンターテインメント・レストラン「チャッキーチーズ(Chuck E Cheese)」に行ったり、マクドナルドのごっこ遊びをしたり、巨大なチュッパチャプスのレビューをする動画なども人気だ

医学雑誌『Pediatrics』に掲載されたある論文によると、約2700万人の登録者数を誇る『ライアンズ・ワールド』のような子どものYouTubeチャンネルは、不健康なフードやドリンクのブランドで何百万というインプレッションを生み出している。

ニューヨーク大学の公衆衛生の研究者たちは、YouTubeで最も視聴された子どもインフルエンサー5人の動画を分析するために、フードとドリンクが登場する回数を数え、ブランド名を記録し、その飲食物に含まれる栄養素を評価した。

もちろん、動画に登場する全てがスポンサーシップと関係しているわけではないが、小さな子どもにとっては、スポンサードコンテンツと通常の動画に違いはないだろうと、論文の筆者でニューヨーク大学の助教でもあるマリー・ブラッグ(Marie Bragg)氏はInsiderに語った。

「懸念されるのは、動画を見ている小さな子どもたちにとって、それがスポンサー料を企業が払ったものだったり、そうでなかったりすることは、恐らく関係ないだろうということです」とブラッグ氏は指摘する。「それとは関係なく、動画が広告のように機能し、不健康な食習慣を助長する可能性があります」という。

動画に登場するフードやドリンクの90%が健康的なものではない

ブラッグ氏とその同僚たちは、食べ物や飲み物が登場する179本の動画 —— その視聴回数は合計10億回以上、合計260万の"いいね"を獲得している —— を分析した。

その結果、こうした動画に登場するフードやドリンクの90%強は、健康的なものではなかった。このうち30%をマクドナルドが占め、ハーシーズ(Hershey's)やキンダー(Kinder)、M&M'sといったチョコレートのブランドなども含まれた。ホットドッグのような特定のブランドではない不健康なアイテムも4%あった。

一方、ブランドの有無にかかわらず、健康的なフードやドリンクは6%だった。

子どもにジャンクフードをPRすると、肥満やその他の健康問題につながりかねない

インフルエンサーが不健康な食べ物を宣伝するのを見ている子どもたちは、食べ過ぎたり、おやつにジャンクフードを食べたりしやすいことが、同じく『Pediatrics』に掲載された別の研究で分かっている。

長期的に見れば、肥満の子どもはおとなになっても肥満のままでいることが多く、それは他の健康問題を招きかねない。

「わたしたちは、子どもたちを健康にするチャンスも、糖尿病や心臓病、その他の健康問題の危険にさらすチャンスも持っています」とブラッグ氏は話している。「なぜなら多くの場合、子どもの頃の体重増加はおとなになっても続くからです」という。

子どもはステルス・マーケティングの影響を特に受けやすい

これまでの研究で、8歳以下の子どもは宣伝とアニメを区別できないことが分かっている。それも、宣伝が主にテレビで放送されていた頃の話だ。

近年では、12歳以下の子どもを持つ親の80%以上が子どもにYouTubeを見ることを許している。だが、規制は追いついていない。ブラッグ氏によると、テレビの番組の主な出演者が番組の合間に流れるCMで特定の商品を宣伝する"ホスト・セリング"は、アメリカのテレビでは禁止されているが、YouTubeではインフルエンサーたちが同じような方法で宣伝をすることが可能だ。

「特に、自分たちと同じような年齢の子どもがこうした商品を使ったり、こうしたドリンクを飲んだり、こうしたおもちゃで遊んでいるのを見ると、子どもたちはそれを社会的なものの一部と見なして、より引き付けられてしまうんです」と児童心理学者で栄養士のニコル・ビューケンス(Nicole Beurkens)氏はInsiderに語った。ビューケンス氏は今回の研究とは無関係だ。

今回、子どもインフルエンサーの動画を分析した研究論文の筆者たちは、アメリカの連邦取引委員会(FTC)に対し、子どもインフルエンサーが宣伝する不健康なフードやドリンクに対する規制を強化するよう呼びかけている。 ただ、親にも責任はあると、ビューケンス氏は指摘する。

「親は子どもたちがどんなものを見ているのかに注意し、監督し、コミュニケーションを取る必要があります。YouTubeのようなプラットフォームでは特に、です」とビューケンス氏は言う。

[原文:YouTube's 'kidfluencers' are marketing junk foods like McDonald's and chocolate bars

(翻訳、編集:山口佳美)

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