12月、LINE Payにまつわる決済手段が大きく変わる。
撮影:小林優多郎
LINEは10月30日、キャッシュレス決済「LINE Pay」について、三井住友カードとの戦略的業務提携を強化すると発表した。
両社は4月23日から一般申し込みを受け付けている「Visa LINE Payカード」の発行・運営を通じてすでに協業を行っている。今回の提携強化のポイントは以下の8つだ。
- LINE Pay残高が使えるVisaのバーチャル(プリペイド)カードがLINE内で発行可能に(12月予定)
- LINE Pay残高が、Apple Pay(iD)でも利用可能に(12月予定)
- 現在、Visa LINE Payカード限定となっているLINE Payの後払い方式「チャージ&ペイ」を、三井住友カード発行のVisaブランドカードに拡大(2021年春予定)
- 三井住友カード会員向けに、LINEでの利用通知サービスを開始(Visa LINE Payカード会員向けには提供済み)
- 三井住友カード会員向けサイト「Vpass」と連携し、LINE上で各種手続きが可能。LINEのAI「CLOVA」のチャットボットを用いた問い合わせ対応も予定
- 三井住友カード会員がLINEの各種サービスを利用した際、独自ポイント「Vポイント」を付与
- 三井住友カード開発の新型決済端末「stera terminal」がLINE Payのコード決済に対応。
- LINEとsteraのデータを掛け合わせた新サービス、マーケティングソリューションの開発を検討。
今後実施される施策で変わるLINE Payの支払い方法。
出典:LINE
いままではVisa LINE Payカード会員向けの機能にとどまっていたものが、カードを発行していないLINE Payユーザーや三井住友カード会員向けにも、提携の効果が拡大した格好だ。
JCBのLINE Payカードは12月で新規発行終了へ
LINE Payは2016年3月からJCBとともに、プリペイドのプラスチックカード、バーチャルカードなどを提供してきた。
撮影:小林優多郎
ところで、LINEは以前からLINE Pay残高で支払えるプリペイドカード「LINE Payカード」をJCBとの協業を通じて提供している。
LINE Payカードは、Apple Payでの利用こそできないが、Androidユーザーなら「Google Pay」に登録し、QUICPay+での非接触決済、LINEアプリ内でのバーチャルカード発行が可能だった。
LINE Pay広報によると、「12月のVisaプリペイドカード開始以降、(バーチャルカードの)新規発行はVisaに変更となります。すでに発行済みのJCBプリペイドカードは期限が切れるまでご利用いただけます」とのこと。
以上のことを整理すると、今後、LINE Pay上での前払い(プリペイド)式の支払い方法は以下のように整理される。
- 既存のJCBプリペイド(バーチャルカード、LINE Payカード、Google Pay)のユーザーは利用期限まで現状を維持できる。
- 12月以降、Visaプリペイドのバーチャルカードが発行できるようになり、Apple Pay・Google Payに対応(いずれもiD)。
- Visaのプリペイドカードはバーチャルのみとなるため、事実上12月以降はプラスチックのプリペイドカードが発行されない。
三井住友カードとの提携強化により、2016年3月23日からJCBとの協業で提供されてきたLINE Payカードは急な幕引きとなった。この決定に対し、JCB広報は「現時点でコメントできることはありません」と話している。
(文、撮影・小林優多郎)