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ハリー・ポッターの親友として、ロン・ウィーズリーは本でも映画でも重要な役割を果たしている。ロン以外のウィーズリー家の人々もハリーにとっては家族のような存在だ。
作者のJ・K・ローリングはツイッター、インタビュー、公式サイトなどを通じて、"ハリー・ポッター"の世界を7冊の本を超えて拡大させた。
これらを踏まえ、ハリー・ポッターの大ファンでも知らないかもしれないウィーズリー家に関する事実をいくつか見ていこう。
※以下、『ハリー・ポッター』シリーズのネタバレを含みます。
ウィーズリー家の人々のファーストネームは一部、アーサー王伝説から来ている。
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登場人物の名前を付ける際、ローリングは歴史や昔話、地元の墓地に刻まれた名前などを参考にしたという。その流れで、ウィーズリー家の何人かのファーストネームはアーサー王伝説から来ている。
アーサー・ウィーズリーはもちろん、ジニーはアーサー王の妻グィネヴィアを省略したものだ。
パーシーも、円卓の騎士の1人であるパーシヴァルを参考にした可能性がある。
ウィーズリーという名前にも大きな意味が。
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Pottermore(現在はWizarding Worldとして知られる)によると、ウィーズリーというラストネームはローリングの"イタチ好き"から来ているという。ただ、イギリスではイタチは評判が悪い。これは、シリーズの中でウィーズリー家がしばしば、不当に低く見られていたことと似ている。
ウィーズリー家の家の名前が「隠れ穴」であることも恐らく、イタチが巣穴に住んでいることを考慮してのものだろう。アーサーのパトローナス(守護霊)もイタチの形をしている。
ラブグッド家の近くに住んでいる。
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7冊目の本でハリー、ロン、ハーマイオニーはラブグッドの家を訪ねている。そこでゼノフィリウス・ラブグッドが死の秘宝の物語を3人に説明する。ただ、この家が「隠れ穴」とさほど遠くない場所にあるとロンが言ったことは、ファンも忘れているかもしれない。
ラブグッド家とウィーズリー家の家はいずれもオッタリー・セント・キャッチポールにある。
モリーの兄弟は2人ともデス・イーター(死喰い人)に殺された。
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ホグワーツでアーサーと出会う前のモリーの人生についてはほとんど知られていないものの、『不死鳥の騎士団』は少しだけモリーについて明かしている。
第一次魔法戦争では、モリーの兄弟で不死鳥の騎士団のメンバーだったファビアン・プルウェットとギデオン・ プルウェットを含め、多くの罪のない人々が命を落とした。
当初、家族が第二次魔法戦争で戦うことにモリーがためらいを示していたのは、そのせいかもしれない。
アーサーはブラック家の親戚。
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魔法界で純潔を維持している一族は非常に少ないことから、彼らの多くが何らかの血縁関係にあることは驚くことではない。
アーサーの母セドレーラ・ウィーズリー(旧姓ブラック)はフィニアス・ナイジェラス・ブラックの孫娘であることから、ウィーズリー家はブラック家の親戚にあたる。
ちなみに、アーサーの祖母リサンドラ・ブラック(旧姓ヤックスリー)はデス・イーターのコーバン・ヤックスリーと血縁関係にある可能性が高い。
当初、シリーズ中に命を落とすウィーズリー家のメンバーは1人ではなかった。
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2007年のTodayのインタビューでローリングは、アーサーが『不死鳥の騎士団』でヘビに噛まれた時に彼を死なせるつもりだったと語った。だが、ローリングはアーサーというキャラクターにあまりにも愛着があったため、そうはしなかったという。
「シリーズを通じて唯一の良き父」だとローリングは話している。
ガーディアンによると、『死の秘宝 PART2』のDVD特典でローリングは、「ロンを死なせることも真剣に考えた」と話している。
結局、第二次魔法戦争で命を落としたウィーズリー家のメンバーはフレッドのみだった。ローリングは、どうしてフレッドを死なせて、双子のジョージを死なせなかったのかは分からないとTodayに語っている。
モリーのボガートの姿は時間とともにやや変化している。
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ボガートは、目撃した人の一番恐れるモノに姿を変えるまね妖怪だ。
子どもを持つ母親で、面倒見の良いモリーにとって最大の恐怖は、家族を失うことだ。だからこそ、モリーが対面するボガートは自身の死んだ子どもたちや夫の姿をしている。
ハリーはモリーの生物学上の息子ではないが、シリーズを通して実の子どものように考えるようになり、モリーのボガートは死んだハリーの姿をすることもあった。
ビルとフラーの関係はグリンゴッツで始まった。2人の関係を初めは誰もが支持していたわけではない。
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『炎のゴブレット』で初登場したフラー・デラクールはこの時、ボーバトン魔法アカデミーの最終学年に在籍していた。卒業後、フラーはグリンゴッツ魔法銀行で仕事に就いた。
ビル・ウィーズリーもグリンゴッツで「呪い破り」として働いていた。そして2人は意気投合した。ただ、ビルがフラーと交際し始めた当初、ビルの母親と妹の反応はイマイチだった。モリーはフラーのビルに対する愛を疑い、モリーとジニーのフラー嫌いは明らかだった。
2人が婚約してからも、モリーはビルをニンファドーラ・トンクスとくっつけようとすらしていた(トンクスはすでにリーマス・ルーピンを好きだったのだが…… )。
ただ、ビルとフラーの結婚式が近付く頃には、ウィーズリー家はフラーに多少なりとも好意を持つようになっていた。
ビルとフラーの長女ビクトワール・ウィーズリーは、シリーズ最後に登場したキャラクター。
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『死の秘宝』のエピローグは、ホグワーツの戦いの19年後を描き、数人の新しいキャラクター(主にシリーズの中心キャラクターの子どもたち)が登場した。そして、シリーズの一番最後に登場したのがビルとフラーの長女ビクトワール・ウィーズリーだ。
2007年のドキュメンタリー『J.K. Rowling: A Year in the Life』でローリングは、彼女がホグワーツの戦いの記念日に生まれたことから、フランス語で「勝利」を意味するビクトワールという名前になったと語っている。
また、このドキュメンタリーの中で、ローリングはウィーズリー家の家系図を書き、ビルとフラーの間にはビクトワールの他にもドミニクとルイという2人の子どもがいることを示した。
映画では、2人の異なる役者がビルを演じた。
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最後の映画でビルを演じたのはドーナル・グリーソンだったが、シリーズの中で最初にビルを演じたのは彼ではない。
3作目の『アズカバンの囚人』を観た人なら、ウィーズリー家の人々がエジプト旅行へ行った時に撮った家族写真を一瞬見ているはずだ。その写真に"ビル"として映っているのは、俳優リチャード・フィッシュだ。
ちなみに、映画シリーズの中で唯一、チャーリー・ウィーズリーが姿を見せたのがこの写真だ。
狼人間に襲われた後、ビルはマッドアイ・ムーディのような見た目になったという描写は、映画でより的を得たものになっている。
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『謎のプリンス』の終わりの天文台の塔の戦いで、ビルは狼人間のフェンリール・グレイバックに襲われた。幸いにもビルは狼人間にならなかったが、顔に大きな傷を負い、狼のような傾向を示すようになった。
『死の秘宝』では、ビルはマッドアイ・ムーディに「やや似ている」ところがあると描写された。ムーディも闇祓いの仕事で大きな傷を負っていた。
おもしろいことに、映画でビルを演じたドーナル・グリーソンは、ムーディを演じたブレンダン・グリーソンの実の息子だ。
ウィーズリー兄弟の中では、チャーリーだけが結婚していない。
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2007年のドキュメンタリーによると、第二次魔法対戦で命を落としたフレッドを除くウィーズリー兄弟6人の中で、チャーリーだけが結婚しておらず、子どももいない。
ビルとフラーには3人の子どもがいて、オードリーという名前の魔女と結婚したパーシーには彼女との間に2人の娘モリーとルーシーがいる。ジョージはフレッドの元ガールフレンド、アンジェリーナ・ジョンソンと結婚し、その間にはフレッドとロクサーヌという名前の子どもがいる。
ロンはハーマイオニーと結婚し、ローズとヒューゴ・グレンジャー・ウィーズリーという名前の子どもがいる。ジニーはハリーと結婚し、3人の子ども —— ジェームズ・シリウス、アルバス・セブルス、リリー・ルーナがいる。
チャーリーについては、魔法生物に情熱を持っていること以外、ほとんど知られておらず、ファンの中にはチャーリーの性的指向を怪しむ声もあった。
だが、2007年のドキュメンタリーの中でローリングは、「いいえ、チャーリーはゲイではないと思う。女性よりドラゴンに興味があるというだけ」と話している。
映画の中で、パーシーはメガネをかけているべき。
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『ハリー・ポッター』の本と映画の間にはかなりの違いがある。中には大きな変更、紛らわしい省略もあるが、シンプルに登場人物の見た目に関するものもある。
パーシーの場合、本では何度かメガネをかけていると描写されているが、映画では一度もかけていない。
フレッドとジョージの誕生日はエイプリルフール。
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いたずら好きの双子フレッドとジョージは、1978年のエイプリルフールの日に生まれた。
ローリングは2015年のツイートで、双子の中ではフレッドが兄であることを認めていて、2人のいたずらの多くをフレッドがリードしていたのは、そのせいかもしれない。
ロンは魔法省で2年働いた後、兄と仕事をするために魔法省を辞めた。
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ガーディアンによると、Pottermoreの2014年の日刊予言者新聞の記事(現在は削除されている)でゴシップ記者リータ・スキーターは、ロンがハリーとともに魔法省で2年間働き、その後、兄ジョージと悪戯専門店ウィーズリー・ウィザード・ウィーズを共同経営するようになったとしている。
ジニーは日刊予言者新聞で働いている。
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現在は削除されている同じ2014年の日刊予言者新聞の記事で、ファンはシリーズ終了後のジニーの人生を垣間見ることができた。
クィディッチの女子チーム「Holyhead Harpies」でプロとしてプレーした後、ジニーは日刊予言者新聞のクィディッチ特派員として働いている。
[原文:16 little-known facts about the Weasley family that 'Harry Potter' fans may not know]
(翻訳、編集:山口佳美)