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新型コロナウイルスから身を守ろうとして、わたしたちが犯しがちな9つのミス

レストラン

2020年5月5日、オランダの首都アムステルダム。

Eva Plevier/Reuters

新型コロナウイルスの感染がアメリカとヨーロッパで広がっている。

「わたしたちは大きな痛みに直面するだろう…… 状況は良くない」と、感染症の専門家でアメリカ国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の所長アンソニー・ファウチ博士はワシントン・ポストに語っている。

世界を見回せば、アメリカだけでなく、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、スイス、インドなどでも新型コロナウイルスの新規感染者が最近、大幅に増加している。

ただ、わたしたちが最も気にすべきなのは、公園でマスクを外していたり、手洗いを30秒間しない人ではない。

「今こそひとりひとりの責任、リスク計算が求められる時です。わたしたちはそれをあまり得意としていませんが」とジョンズ・ホプキンス大学センター・フォー・ヘルス・セキュリティー(JHCHS)の感染症の専門家アメシュ・アダリヤ(Amesh Adalja)博士はInsiderに語った。

感染者数が増加する中、公衆衛生の専門家が指摘するわたしたちが自らの行動を見直すべき、9つの大きな間違いを見ていこう。


ミス1. 友人や家族と小規模な集まりを何度も開く

食卓

Shutterstock

新型コロナウイルスは人々が長時間にわたって呼吸し、食べたり、笑ったり、歌ったり、会話をする場所で広がりやすい。北半球では気温が下がるにつれ、こうした状況が人々の自宅でも生まれやすくなっている。

「アメリカの状況を見れば、感染の多くが小規模な家庭や、友人との夕食会やちょっとしたパーティーといった小規模な集まりで見つかっている」とファウチ博士はインタビューで指摘している。「こうした家族や友人の無邪気な集まり…… 6人、8人、10人といった人間が誰かの家で集った時に無症状の感染者がいれば、突然4、5人が感染してしまう」と語った。

大半の人々は、ハロウィーンのパーティーや大規模な選挙集会、結婚式といった、たくさんの人が集まるイベントはリスクが高いと認識している。ただ、親しい人とのちょっとした集まりは必ずしもそうではないだろう。

「小規模な集まりでもウイルスが広まる可能性はあります。こうした状況では、人々はさほど意識しない傾向が強くなるようです。少人数の集まりだからです」とアダリヤ博士は言う。「そうすると、人々はあまり手を洗わず、マスクを着用しないかもしれません。友人や家族に囲まれていると、大切だとされているソーシャル・ディスタンスもあまり意識しないかもしれません」


ミス2. ウイルスにさらされた際に適切な期間、隔離をしない

ホワイトハウス

Chip Somodevilla/Getty Images

世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を担当するマイク・ライアン(Mike Ryan)氏は、パンデミックについてもしも1つだけ過去に戻って変えられるとしたら「感染の連鎖を断つために、感染者に接触した全ての人をそれぞれ適切な期間、隔離するようにしたい」 という。

ライアン氏は「現在、感染者数が大幅に増加している国をはじめ、どこでも(感染が)組織的に起きたとはわたしは考えていない」とWHOの10月の記者会見の中で語った。

アメリカでは、全般的にこれがあまりきちんとされていない

国の指導者も"お手本"にはならなかった。トランプ大統領とペンス副大統領はどちらも、ウイルスにさらされた際の隔離のルールを守らず、潜在的に周囲の人々を危険にさらした。

ただ、他の国では隔離はより真剣に受け止められていて、手に負えない状況に陥る前に流行を鎮める役に立っている。


ミス3. 自分は家にいるから安全だと考える

キッチン

Jae C. Hong/AP

アメリカの疾病予防管理センター(CDC)の最近の研究では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性となった人と一緒に住んでいて、その後自分で検査を受けた人の53%が、1週間以内に自らも感染していたことが分かった。

新型コロナウイルスが屋内の、換気の良くない場所で密集している人たちの間で広がりやすいことを考えれば、家庭内で感染が広がりやすいというのもうなずける。


ミス4. ウイルスにさらされたら、できるだけ早く検査を受ける

検査

2020年4月22日、ニューヨーク州。

J. Conrad Williams, Jr./Newsday RM via Getty Images

感染者と接触した後、急いで検査をしても恐らく結果は"陰性"だろう。

なぜなら、感染するまでにはある程度の時間がかかるからだ。公衆衛生の専門家たちは、一般的にウイルスにさらされてから数日待って検査することを推奨している。

「(ウイルスに)さらされて、検査で陽性になるか、ただ待つというのは良いアイデアではありません」とバージニア工科大学の教授で感染症の専門家リサ・リー(Lisa Lee)氏はInsiderに語っている。リー氏はかつて14年間にわたってCDCで働いていた。

「すぐに周りの人から離れる必要があります。14日間ほどそうしましょう」

自分以外の他人と空間を共有しなければならない場合は、十分な距離を確保し、マスクを着用するなどの対策が必要だ。


ミス5. 何かが許されているということは、そうすることが安全に違いないと考える

外食

2020年9月8日、カリフォルニア州。

Jeff Gritchen/MediaNews Group/Orange County Register via Getty Images

パンデミックの最中、何かが許されているからといって、それが必ずしも低リスクということではない。

「感染を防ぐために安全な決断を下すのは、まさにひとりひとりにかかっています」とウィスコンシン州ミルウォーキーにあるCOVID-19 Unified Emergency Operations Centerの医長ベン・ウェストン(Ben Weston)氏はInsiderに語った。ウィスコンシン州はアメリカの新型コロナウイルスのホットスポット(一大感染地)の1つだ。

スタンフォード大学の経済学者たちの研究によると、トランプ大統領がパンデミックの最中に行った選挙集会は「700人以上の死につながった可能性がある」という。


ミス6. コロナ対策は、1つやっていれば大丈夫だと考える

マスク着用

Michael M. Santiago/Getty Images

新型コロナウイルスについては、"これさえやっておけば大丈夫"という対策はまだない。

ウェストン氏は、人々によく見られる「混乱」の1つが「対策のレイヤー」を意識していないことだという。

「レイヤーの1つが、マスクの着用です」とウェストン氏は語る。「もう1つが物理的な距離で、もう1つがオープンエアの環境…… 屋外が理想的です」

ウェストン氏はこうした対策を個々の予防策と考えるのではなく、これらには「相乗効果」があると覚えておくべきだと指摘する。

「人はこう考えるんです。食料品店に行く時はマスクを着けていれば大丈夫、だからレジで並んだ時に誰かの近くに立っても平気だ、と」

だが、ウェストン氏は屋外にいる時でもファーマーズ・マーケットのような場所では、他人と距離を取り、マスクを着用することが大切だと強調する。最近受けた検査で、自分が"陰性"だったとしても、だ。

「忘れられがちなのは、これらのレイヤーは1つでもそれぞれ重要な意味を持ちますが、全て揃わなければ十分な効果を発揮しないということです」


ミス7. しばらくは「これまでとちょっと違う」ことを無視する

集会

選挙集会でトランプ大統領の演説を聴く支持者ら(2020年10月12日、フロリダ州)。

Evan Vucci/AP Photo

新型コロナウイルスに勝つためには、国は必ずしもロックダウン(都市封鎖)をしなくても良いかもしれないが、流行を真剣に受け止める必要がある。

韓国では、感染症の専門家で大学教授のYae Jean Kim氏が、新型コロナウイルスとの戦いを制するには「参加、協力、一般市民のコンプライアンス」が重要だと指摘している(韓国では検査と接触者の追跡も積極的に行っている)。

「パンデミックの早い段階からわたしたちはマスク着用を推奨し、その後、大勢での集まりを避けるようアドバイスしました」とKim氏は11月2日、WHOの記者会見の中で語った。「ただ、ロックダウンや国境の閉鎖はせず、わたしたちは疫学的な状況にしたがってさまざまな程度のソーシャル・ディスタンスを実施しました。8月半ばから9月にかけて、一部の大都市圏は感染第2波に見舞われましたが、さまざまな対策のおかげで流行は制御されました」という。

韓国の人々が新型コロナウイルスをこれほど深刻に受け止めたのは、38人が死亡した2015年のMARS(中東呼吸器症候群)の流行を人々が覚えていたおかげでもあると、Kim氏は話している。

「あれ以来、人々の考え方も変わりました。一般市民の協力とコンプライアンスが全ての人の安全にとって重要だと分かっているのです」


ミス8. 友人や家族は自分と同じくらい注意をしている(もしくは気にしていない)と考える

トランプ大統領

Cheriss May/Getty Images

家族や友人が新型コロナウイルスにどれだけ注意しているか、何かしらの症状があるか、あなたは本当に知っているだろうか? 答えは恐らく"ノー"だろう。

心理学の最近のある研究では、一般的に人は自身のコロナ対策を正直には語らず、感染しても隠そうとすることが分かった。

研究では、20~80代の400人以上に新型コロナウイルスのパンデミックの最中、どのくらい自分が正直だったか尋ねた。その結果、自らの予防策や症状について嘘をつくことが非常に一般的であることが分かったという。

この研究では、自分がどのくらいソーシャル・ディスタンスを守っているか、4人に1人が他人には全く正直に話していないと答えた。そして、新型コロナウイルスに感染したことがあるという調査対象者の半数以上が自身の症状を周りには隠していたという。

「情報を隠している人を責めるのではなく、本当のことを言えなくしている障壁を理解することが重要です」とこの研究論文の共同著者アリソン・オコーナー(Alison O'Connor)氏は8月、プレスリリースの中でコメントしている

「心理的に自分を守るために、わたしたちは何かを隠したり、嘘をつく方が安全だと感じることがあるのです」


ミス9. 自分が生活している地域の感染状況を無視する

退院

新型コロナウイルス感染症から回復し、退院した男性(2020年7月27日、メキシコ)。

Edgard Garrido/Reuters

自分が生活をしている地域でたくさんの感染者が報告されているなら、感染のリスクは高いだろう。もしそうなら、人混みを避けたり、外出時にはソーシャル・ディスタンスを多めに取るなど、予防策を強化する必要がある。

これは、地域によってやりやすいところとそうでないところがある。例えば韓国では、オンラインで誰もが読みやすい形でウイルスに関する最新情報が毎日発表されている。クラスターが発生している場所もきちんと分かるようになっている。

一方、感染が拡大しているアメリカでは、こうした詳しい情報を入手するのは難しいため、予防策を徹底する方が近道だ。

「陽性率の高いウィスコンシン州では、小規模イベントですら、自分がウイルスを持っているとは思ってもいない発症前の人間がウイルスを拡散している可能性が十分にあります」とウェストン氏は言う。

「要するに、新型コロナウイルスがたくさんいるということです」

[原文:COVID-19 is surging across the US and Europe. Here are the 9 most common mistakes people make when trying to protect themselves from the virus.

(翻訳、編集:山口佳美)

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