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2020年の大統領選は、トランプ大統領と民主党のジョー・バイデン候補が同時に勝利宣言をする可能性がある。
このシナリオは、アクシオス(Axios)の報道から浮上した。両陣営の関係者がそれぞれ語った。
ただ、"勝利宣言"は次の大統領になるのに必要な"選挙人による投票"で勝つこととは違う。"選挙人による投票"にはもっと時間がかかる。
アメリカではこれまで、各放送局が大統領選の日の夜に勝者の見込みを報じてきた。だが、今回は期日前投票の多さも手伝って、例年通りに行くかどうかは不透明だ。
アクシオスの11月1日の報道によると、トランプ大統領は早い段階で自身が優勢であれば、早ければ3日夜にも勝利宣言をしたいと考えているという。
同じくアクシオスの11月3日の報道によると、バイデン候補は報道機関がそのデータや見通しをもとに自身の"計算上の勝利"を報じ始めたら、"アメリカの次の大統領"として国民に向けて演説をするという。
集会で演説をするため、マスクを取る民主党のバイデン候補(2020年10月24日、ペンシルベニア州)。
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そして"次の大統領"として演説をした後、バイデン陣営は政権づくりを急ぐ考えだという。
バイデン陣営が行動を急ぐ背景には、トランプ大統領が大統領選の結果を法廷闘争に持ち込む兆候を見せているからだとアクシオスは報じている。
集会を開くトランプ大統領(2020年11月2日、ペンシルベニア州)。
Carlos Barria/Reuters
つまり、票の集計が続き、それぞれの結果が法廷で争われる中、2人の候補者が自身の勝利を主張する状況が起こり得るということだ。
"ブッシュ対ゴア"の影
アクシオスは、バイデン陣営が今回の大統領選の見通しを検討した結果、このような計画に至ったと報じている。
2000年の大統領選では、民主党のアル・ゴア候補が共和党のジョージ・W・ブッシュ候補にいったんは敗北を認めたものの、フロリダ州でのブッシュ候補との差が狭まり、敗北宣言を取り消した。
フロリダ州での票の数え直しをめぐる判断は最高裁まで持ち込まれ、最終的にはブッシュ候補が勝利した。
2000年10月、討論会に臨む民主党のアル・ゴア候補と共和党のジョージ・W・ブッシュ候補。
AP Photo/Ed Reinke, File
「ジョージ・W・ブッシュが勝利宣言をしたことで、ブッシュが勝者として振舞う一方、民主党陣営は守勢になった」とアクシオスは指摘している。
バイデン陣営のキャンペーン・マネジャー、ジェン・オマリー・ディクソン(Jen O'Malley Dixon)氏は「わたしたちのデータ、見通しの理解を使って、わたしたちは元副大統領がきちんとアメリカ国民に演説できるようにします」と2日、報道陣に語った。
(翻訳、編集:山口佳美)