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- 調査会社のeマーケターは、2020年のホリデーシーズンにオンライン販売が空前の勢いで伸びると予想している。
- 2020年の11月から12月にかけてのオンライン販売は、前年比35.8%の増加が見込まれており、今年のホリデーショッピングでの消費額予測値1兆130億ドルのうち、1904億7000万ドルをオンライン販売が占めるとeマーケターのアナリストは予測している。
- 一方、店頭での売上高は、前年から4.7%減小すると予測している。
- オンライン販売の急増により、小売店や配送会社が注文に対応できなくなり配送が遅れる「シッパゲドン」が発生すると専門家は警告している。
新型コロナウイルスの大流行が続き、人々が今も外出を避けていることから、2020年のホリデーシーズンには前例のないほど多くの人がオンラインショッピングをすることになると予想されている。
小売業界は、これまでとは違うホリデーシーズンに向けて準備を進めている。買い物客は「ニューノーマル」に対応するための製品を購入するかもしれないし、多くの人々が長期的な失業に直面しているため、ホリデーショッピングに費やせる予算が、これまでよりも少ないかもしれない。
だが、最も注目すべき変化は、人々がどのように買い物をするかという点だろう。つまり店舗での買い物からオンラインショッピングへの移行だ。
市場調査会社eマーケター(eMarketer)の分析によると、2020年のホリデーシーズンにおけるオンライン販売は、前年から35.8%の増加が見込まれており、今年のホリデーショッピングでの消費予測額の1兆130億ドル(約106兆円)のうち、1904億7000万ドル(約20兆円)をオンライン販売が占めると考えられている。一方、店頭での売上高は前年から4.7%減小すると予測されている。
「2020年のホリデーシーズンは、買い物客が人混みを避け、店内での買い物回数を最小限に抑えたいと考えているため、オンラインショッピングへの移行が引き続き見られるだろう」とeマーケターの首席アナリスト、アンドリュー・リップスマン(Andrew Lipsman)は、先日公開されたレポートで述べている。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、ホリデーシーズン中の混雑した店内での買い物を、新型コロナウイルスの感染リスクが高い活動として分類している。そのため小売業者は、大勢の客が来店しないよう店内での取り引きや販売で集客することを避けるようになり、客がオンラインで注文して店舗駐車場で受け取る「カーブサイド・ピックアップ」といった方法を活用するようになるだろう。
だが買い物客はオンラインショッピングを第一に選択すると予想され、小売業者と配送会社が急増する荷物の配送をこなしきれずに、ホリデーシーズンの配送が滞る「シッパゲドン(shipageddon)」への懸念が高まっている。配送会社は、ホリデーシーズンを前にしてすでにキャパシティを超えていると警告しており、業界の専門家も、荷物が遅れる可能性が高いと述べている。
配送データを追跡するソフトウェア企業、シップマトリックス(ShipMatrix)がウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に語ったところによると、同社はサンクスギビングデー(11月26日)からクリスマス(12月25日)の間に配送される荷物を、1日当たり8630万個と推計しているが、すべての配送会社のキャパシティを合わせても1日7910万個にしかならない。つまり、配送できない荷物が、毎日約700万個発生するということだ。
「荷物を送る人は、どの配送会社が配送するにしても、普段より多くの日数がかかることを覚悟しなければならない」と、シップマトリックスのサティス・ジンデル(Satish Jindel)社長は、WSJに語った。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)