トランプ氏が最需要のフロリダ州を制した。
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11月4日午前8時(日本時間)から順次開票がはじまったアメリカ大統領選は、最大の激戦州フロリダ州でトランプ氏が勝利したと米CBSなど3大ネットワークが伝えた。
割り当てられている選挙人はカリフォルニア州(55人)、テキサス州(38人)に続く29人で全米で3番目。激戦州の中では最多となっている。
最終盤の世論調査では、バイデン氏の優位が伝えられていた。例えば、ファイブサーティーエイトの世論調査(11月2日)よるとトランプ氏が46.6%、バイデン氏が49.1%。バイデン氏が2.5ポイント差でリードしていた。イプソスの調査(10月27日〜11月1日)でもバイデン氏が51%、トランプ氏が47%としていた。
DDHQは11月3日時点で、バイデン氏がフロリダ州で勝つ可能性を「64.7%」としていた。
フロリダにおいて、世論調査は「敗北」したことになる。
勝利の鍵を握る「スイングステート」
接戦が伝えられる今回の大統領選だが、今回の勝利の鍵を握るのは「スイングステート」と呼ばれる激戦州だ。
アメリカでは伝統的に共和党支持者が多い州や民主党支持者が多い州など、各州で支持政党の傾向がある。
共和党を支持する傾向の州(レッドステート、赤い州)は南部や西部の内陸部に多く、農業や畜産に従事し、政治的にも宗教的にも保守的な傾向の人々が多いとされる。代表的なのはジョージア州やルイジアナ州、オクラホマ州、テキサス州などだ。
一方で、民主党を支持する傾向の州(ブルーステート、青い州)は北東部や西海岸などの都市部に多く、政治的にも宗教的にもリベラルな傾向の人々、黒人や移民などのマイノリティの人々などが多いとされている。ニューヨーク州やマサチューセッツ州、カリフォルニア州など代表的だ。
トランプ氏はレッドステートで、バイデン氏はブルーステートでの勝利を固められるかが、まずは勝利への第一条件となる。
一方で、全米各州の中には「スイングステート」と呼ばれる州がある。大統領選のたびに、民主党・共和党が接戦を繰り広げる激戦州だ。両候補とも150億円以上もの広告費を投じており、この「スイングステート」の行方が大統領選の結果を大きく左右すると見られている。
フロリダ州のほか、スイングステートには「ラストベルト」と呼ばれるウィスコンシン州・ミシガン州・ペンシルベニア州、共和党の支持基盤だったジョージア州・アリゾナ州・テキサス州、「アメリカの縮図」と言われるオハイオ州などがある。
このうち、フロリダ州、テキサス州、オハイオ州などでトランプ氏の勝利が報じられた。この他の州では接戦が伝えられる。
現時点ではどちらの候補がリードしているか明言できない状況だ。開票は明日もまだ続く。
バイデン氏「我々は勝利できる道へ向かっている」
ABCによると、民主党のバイデン氏はトランプ大統領に先んじて地元・デラウェア州で支持者の前で演説した。
バイデン氏は「結果が出るのは明朝かもしれないし、もっと長くかかるかもしれない」とした上で、「気分は上々だ。我々は勝利できる道に向かっている」と語った。
一方で「我々は忍耐強くあらねばならない」「票の集計が終わるまで待たねばならない」と述べ、開票がまだ続くと強調した。
具体的には「アリゾナ州を獲得できる」「ミネソタ、ジョージア、ウィスコンシン、ミシガンについても期待している」と希望を込めた。また「ペンシルヴベニアでも勝利できる」と発言した。
(文・吉川慧)