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Shutterstock/Dragana Gordic
- この記事はインサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「利用ベース自動車保険(The Usage-Based Auto Insurance)」のプレビュー版。レポート完全版(有料)はこちらから
利用ベース保険(UBI:Usage Based Insurance)の登場で、自動車保険のパーソナライゼーションが進んでいる。Pay-per-mile、Pay-as-you-drive、Pay-as-you-goとも呼ばれるこうした保険商品では、年齢などの人口統計学データの代わりに、走行距離や運転の仕方によって保険料を決定している。
保険会社と加入者、双方にとって大きなメリット
利用ベース保険は大手保険会社やインシュアテック企業などが提供している。ライドシェアなどのギクワーカー向けの保険商品もある。
Business Insider Intelligence
コロナウイルスの流行や技術の進歩に後押しされ、利用ベース保険の市場は今後数年の間に大幅な拡大が予想される。利用ベース自動車保険の世界市場は、2019年の推定240億ドル(2兆5000億円)から年平均成長率23%で伸び続け、2027年には1257億ドル(13兆1500億円)に達するとReportlinker.comは予測している。
利用ベース自動車保険は、保険会社にとって多くのメリットがあり、加入者にもこれが還元される。保険会社はこのモデルを取り入れることで、顧客ロイヤルティや顧客満足度を向上できる。幅広いデータをもとに契約者一人ひとりのリスクを正確に査定できるため、保険金の支払い額を抑えたり、リスク分析の精度を上げることができるのだ。
インサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「利用ベース自動車保険」では、この分野における成長機会を分析。また、このモデルの利点を解説し、業界の主要プレイヤーを紹介している。
アメリカで提供されている保険商品を解説
保険におけるIoTの活用は、自動車保険の分野が最も進んでいる。
Business Insider Intelligence
レポートでは、利用ベース自動車保険を提供する既存の保険会社3社とインシュアテック企業1社を取り上げ、各社のオンボーディング(新規顧客の定着)、IoTデバイス、データ収集方法、料金設定などを解説。各保険商品の留意すべき点や、各社の事業にパンデミックがどのような影響を与えているのかも触れる。
このほか、さらに多くの保険会社が利用ベース自動車保険を提供すべき理由を示し、競合に対する優位性を築くために提供すべきサービス項目を明らかにする。
※本レポートの作成のため、2020年7月に3社の担当者に取材。プログレッシブ(Progressive)社の提供する「Snapshot」については、直接取材ができなかったため机上調査によって得られた情報を掲載している。
本レポートで言及される企業:
Allstate, Metromile, Nationwide, Progressive, Root, Slice, State Farm, Travelers, USAA, and Zego
本レポートのキーポイント:
- コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限によって、人々が車を運転する頻度は減少。こうしたなか、パーソナライズされた自動車保険への需要が高まっている。
- 運転の仕方が保険料に反映されれば安全運転への動機づけとなり、保険金請求件数の減少にもつながる。保険会社は支払額を抑え、収益を上げられる。また、車載デバイスによって収集・蓄積されたデータはリスク分析に活用でき、加入者ごとのリスクをより正確に査定できるようになる。
- 保険会社は自動車メーカーと協働することで、車両から直接データを収集できるようになる。自動車メーカーとの提携関係は保険会社にとって競争上の強みとなる。
- オールステート(Allstate)、プログレッシブ(Progressive)、メトロマイル(Metromile)、USAAの各社は、利用ベース自動車保険を提供。契約者のリスクを査定するため、さまざまな技術やデータを活用している。
本レポートの完全版では:
- 利用ベース自動車保険を提供することのメリットについて解説する。
- 利用ベース自動車保険の商品内容について、どのようなプランを提供すれば競合に対する優位性を築けるのかを示す。
- 利用ベース自動車保険を提供する4社について解説する。
- 上記4社がデータ収集のために使っているIoTデバイスや、どのようなデータを集めているのかを明らかにする。
- 上記4社がパンデミックによって受けた影響について触れる。また、それぞれの保険商品に関する留意点を示す。
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(翻訳・野澤朋代)