会社はもはや社員のキャリアを守れない。「変化の時代」の生き残り戦略はこの6パターン【田中研之輔】

プロティアン思考術

撮影:今村拓馬

企業はあなたを守れない

今回はまず、こんなグラフからご紹介したいと思います。

図表1

(出所)帝国データバンク「『新型コロナウイルス関連倒産』動向調査〈11月2日(月)16時現在判明分〉」2020年11月2日をもとに編集部作成。

右肩上がりの上図が示すのは、新型コロナウイルス関連の倒産件数です。この倒産件数は、法的整理または事業停止、負債1000万円未満・個人事業者を含んでいます。11月2日に公開された最新のデータがここ数年の最多倒産数になっています。

さらに詳しく、新型コロナで倒産している業種を見てみましょう。倒産件数が突出して高いのが、飲食店。ホテル・旅館、アパレル小売店、建設・工事業が続きます。

図表2

(出所)帝国データバンク「『新型コロナウイルス関連倒産』動向調査〈11月2日(月)16時現在判明分〉」2020年11月2日をもとに編集部作成。

GoToキャンペーンなどの施策も講じられていますが、苦境は続いているのです。

このように、新型コロナのダメージは甚大なものであり、同様の傾向は今後もしばらく続く可能性があります。この現実から目を背けてはいけません。あなた自身、あるいは家族や友人の中にも、新型コロナによる経済的影響を受けている人がいるはずです。

このような状況に直面するなか、改めて認識していただきたいのは、「私たちのキャリアとは、さまざまな組織や集団、社会情勢の影響をもろに受ける脆弱性を持っている」という点です。

キャリアの脆弱性を認識することではじめて、目の前の変化や社会状況に応じて、自ら主体的に、変幻自在にキャリアを形成していく必要性を理解することができるようになります。

その上で、キャリアの脆弱性を補填するために、中長期での戦略をしっかり練ることが不可欠です。

以上のような現状を把握した上で、プロティアン思考術としてやるべきこと。それは、この苦境をいかに乗り切るか、目の前の変化にどう適合するかを「自分事」として考え抜くことです。決して対岸の火事ではないのです。

こうした状況は、我々の誰もがこれからの人生で経験しうることです。その時に、給付金や補助金といった国が用意するセーフティネットにすがるのか、自分の力で何とか突破口を見出すかによって、行動は大きく変わってきます。

プロティアンは、もちろん後者。当事者の立場から考え抜きます。では以降、これから直面しうるあらゆる危機の中でどのようにキャリアを守っていけばよいのかを解説しましょう。

生き残り戦略は6パターン

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