ドイツ・ミュンヘン市内のテスラ旗艦店。2020年7月撮影。
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9月、米カリフォルニア州が2035年にガソリン車の新車販売を禁じる方針を打ち出したのに続き、中国も10月末に2035年をメドに新車販売をすべて環境対応車(プラグインハイブリッド含む)に切り替える方針を打ち出した。
フランスやイギリスもすでにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する決定を(時期はそれぞれ2040年、2035年)下しており、大まかに言えば、主要先進国では20年以内に環境対応車以外を新車で購入することはできなくなる可能性が高まってきた。
ヨーロッパではすでにそうしたトレンドを見据えた動きが本格化している。
ドイツはEV+PHVでシェア20%超え近づく
ドイツ連邦自動車局(KBA)によると、同国で10月に乗用車新規登録された電気自動車(EV)は前年同月比365.1%増の2万3158台、過去最多を更新した。また同月、プラグインハイブリッド車(PHV)の新規登録も前年同月比257.8%増の2万4859台と大幅に増えた。
ドイツにおけるEVの市場シェア(10月)は8.4%、PHVは9.1%と、環境対応車だけでシェア20%超えが近づいてきた。
なお、同国に本拠を置く自動車大手メルセデス・ベンツは10月上旬、新型EVの「EQS」を皮切りに、10年計画で高性能スポーツカー「AMG」、超高級車「マイバッハ」、多目的スポーツ車(SUV)「Gクラス」を含むほとんどのガソリン車ラインナップを電動化する計画を発表している。
テスラが「バカ売れ」するノルウェー
「世界で最もEVの普及している国」として知られるノルウェーでも、環境対応車の普及拡大は止まらない。
ロイター通信によれば、2019年に同国では新車販売台数が前年比30.9%増と驚異的な伸びを記録。新車販売台数に占めるシェアは42.4%(6万316台)と、半数に手が届く勢い。ちなみに、同年最も売れたEVはテスラ「モデル3」だった。
そうした勢いは2020年も衰えていない。電動車専門メディア「エレクトライブ・ドットコム」によると、ノルウェーで10月に乗用車新規登録されたEVは前年同月比110.4増の7873台、新規登録台数の60.8%を占めたという。
また同月、PHVの新規登録台数は2372台、前年同月比では0.3%増。ノルウェーではEVが圧倒的な主流になりつつある。
なお、自動車専門の市場調査会社JATOによると、ヨーロッパでは今年9月に環境対応車(EVおよびPHV)の販売台数が史上初めてディーゼル車を上回った。
(文:川村力)