外出自粛令の解除後も、韓国カカオの成長は勢いを保ち続けている。
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韓国コミュニケーションアプリ最大手カカオが2020年第3四半期(7〜9月)の業績を公表した。
8月に発表した第2四半期(4〜6月)決算でも、過去最高の売上高と営業利益を叩き出していたが、今期も好調を維持した。とりわけ、配車・決済サービスのような新規事業が大きな伸びを見せたことは、まだまだ成長の余地があることを示唆している。
主力のメッセンジャーアプリ「カカオトーク(KakaoTalk)」の月間アクティブユーザー数は、7〜9月の平均で4579万人。直前の第2四半期から約29万人上積みした。
「カカオトーク」の月間アクティブユーザー数(MAU)の推移。国民の9割近くが使用している計算だ。
出所:Kakao 3Q20 Earnings Results
売上高は、前年同期比41%増の1兆1004億ウォン(約1012億円)、同社史上初となる四半期での1兆ウォン超え。営業利益は前年同期比でほぼ倍増となる1202億ウォン(約111億円)だった。
売上高は2017年第1四半期(1〜3月)以降、14四半期連続で増収を続けている。
カカオの売上高の推移。
出所:Kakao 3Q20 Earnings Results
特に、カカオトークや配車・決済サービスを含むプラットフォームビジネスは前年同期比58%増と大きな伸びを示した。
カカオトーク事業は、電子商取引(EC)とマーケティングをからめたエコシステムが機能し、前年同期比75%増。
配車・決済サービスを含む新規事業も同139%増、1488億ウォン(約137億円)という数字は、主力のカカオトーク事業の前年同期の売上高に迫る勢いだ。
プラットフォームビジネスの売上高推移。主力のカカオトーク事業(左)だけでなく、新規事業(右)も急成長。
出所:Kakao 3Q20 Earnings Results
また、日本市場でユーザーを拡大しているマンガアプリ「ピッコマ」は、前年同期比65%の伸びを示した第2四半期に続いて成長著しく、同118%増と勢いを増した。
コンテンツ部門のうち、課金コンテンツ(左)の売上高の推移。左上に見えるように、「ピッコマ」は2倍以上の増加。
Kakao 3Q20 Earnings Results
(文:川村力)