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「飲み会」クラスターはこうして発生する。事例から学ぶコロナリスクとその下げ方

飲み会

コロナでしばらく控えていた飲み会。少人数で再開している人も多いのでは?

lansa/Shutterstock.com

10月後半から、全国的に新型コロナウイルスの新規感染者が増加している。大阪府では新規感染者が100人を超える日々が続いており、北海道ではここ1週間で新規感染者が倍増している。

11月5日には、東京でも269人の感染者が確認され、全国合計は8月21日以来初めて1000人を超えた。

GoToキャンペーンの実施やイベントの入場制限の緩和など、コロナと共存した中で経済を動かす政策が進められているが、これは「感染者の急増を許容する」という意味ではない。

国立感染症研究所は、感染防止のために留意すべき事項を周知することを目的に、これまでに確認されたクラスター発生の実例を紹介している。

11月に入り、2020年の終わりが見えてきた中、コロナ禍とはいえ「少人数でなら……」と、忘年会をはじめとした飲み会、会食を検討している人もいるかもしれない。

親しい友人などと実際に会って食事をしたいと考えることは、ごく自然なことだ。けれども、そこには新型コロナウイルスへの感染のリスクが存在するのも事実だ。

クラスター発生状況

10月までのクラスター発生状況を見てみると、一時話題となった接客をともなう飲食店ではなく会食や職場内でのクラスターが増えていることが分かる。

出典:新型コロナウイルス感染症対策分科会 「分科会から政府への提言(10月23日)」

ゼロリスクにすることはできないということを理解しつつ、その中でも極力リスクを下げるために何ができるのか、実際に飲み会の場でクラスターが起きた事例をもとに考えたい。

※以下、国立感染症研究所による解釈上の注意点

  • 当該店舗の利用が単一の感染機会か確定できていない事例があります。
  • 主に感染者自身からの聞き取りに基づいており、ご本人の記憶に依存しています。
  • 床面積、換気状況、店内BGMの有無や大小、衛生管理等の店舗内環境や当日の座席位置、人数、会話の頻度、友人関係、マスク着用状況、酒量、酔いの度合い、一次会、二次会、三次会等明確な利用状況等の詳細情報が調査により得られていない事例があります。

そもそも「咳き込む」などの「症状が出ている人」は飲みの場などへの参加を控えたい

クラスター事例A

出典:国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース(FETP) 同感染症疫学センター「いわゆる『飲み会』における集団感染事例について」


3密の環境で「無症状感染者から全員が感染」した例も。「3密の回避や換気」は欠かせない

クラスター事例B

出典:国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース(FETP) 同感染症疫学センター「いわゆる『飲み会』における集団感染事例について」


大人数の飲み会は、やはり「大規模クラスター」発生リスクがある

クラスター事例C

出典:国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース(FETP) 同感染症疫学センター「いわゆる『飲み会』における集団感染事例について」


換気やマスクをしていても、近距離で接する場合は感染の危険も

クラスター事例D

出典:国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース(FETP) 同感染症疫学センター「いわゆる『飲み会』における集団感染事例について」


「席の移動をともなう飲み会」は感染が広がりやすい可能性

クラスター事例E

出典:国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース(FETP) 同感染症疫学センター「いわゆる『飲み会』における集団感染事例について」


明らかにリスクの高い「回し飲み」はNG

クラスター事例F

出典:国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース(FETP) 同感染症疫学センター「いわゆる『飲み会』における集団感染事例について」


改めて見つめたい、基本的なコロナ対策

クラスターが発生した事例を見ると、あらためて3密の回避や、会話時のマスクの着用一定の距離を保つこと人との接触頻度を少なくすることなど、これまで再三指摘されてきた基本的な対策が重要であることがよく分かる。

また、飲みの場の事例では、回し飲みを行ったり、換気の悪い状況人が密集した状況で飲食をしたりする中でクラスターが生じているケースもみられている。こういった「明らかにリスクが高そうな状況」で実際に感染者がいれば、当然、クラスターが発生するリスクが飛躍的に高まってしまうことは想像に難しくない。

また、クラスター事例の中には、咳などの症状がある中で会食に参加していた人もいた。改めて「体調が悪い場合は、人と接触することを避ける」ということを徹底する必要もありそうだ。

これはなにも飲み会や会食の場だけに限った話ではない。

体調が悪ければ休むという当たり前の選択をちゅうちょしないこと。企業側も、「体調不良の休暇」を推奨するムードを醸成しておくことが、今後コロナと共存する上で、改めて必要なことだといえる。

リスク

新型コロナウイルス感染症対策分科会は、特にリスクの高い場として、5つの場面を提示している。

出典:新型コロナウイルス感染症対策分科会 「分科会から政府への提言(10月23日)」

なお、新型コロナウイルス感染症対策分科会では、感染リスクが高まる5つの場面を提示している。

「こういった状況を避ければ絶対に感染しない」ということを保証するわけではないが、日常生活の中で、こういった環境に身を置かざるをえなくなった場合は、改めて基本的なコロナ対策を思い返して欲しい。

参考:厚生労働省 「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法

(文・三ツ村崇志

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