ジル・バイデンさん(2009年5月28日)。
Jim Young/Reuters
- 民主党の大統領候補ジョー・バイデン氏の妻ジル・バイデンさんは、教育者としてフルタイムの仕事をしながら、ファーストレディーの役目を果たすことになりそうだ。
- それは231年に及ぶファーストレディーの歴史上、初めてのことだ。
- ジル・バイデンさんは以前、自身にとって教育とその仕事がいかに重要かを語っていた。
先週行われた米大統領選で当選確実と報じられた民主党の大統領候補ジョー・バイデン氏の妻ジル・バイデンさんは、231年の歴史上初めて、フルタイムの仕事をしながらファーストレディーの役目を果たすことになりそうだ。USAトゥデイが報じた。
バイデンさんは学士号、2つの修士号、教育の博士号を持つ大学教授だ。オバマ政権下では8年間、セカンドレディーの役目を果たしつつ、ノーザン・バージニア・コミュニティー・カレッジで教鞭をとり続けた。
それは今後も変わらない。バイデンさんはファーストレディーを務めながら、仕事を続けるつもりだと、USAトゥデイは報じている。
「彼女はまさに、ファーストレディーの役割を21世紀のものにするでしょう」とファーストレディーの歴史を研究しているキャサリン・ジェリソン(Katherine Jellison)氏はUSAトゥデイに語った。
「アメリカ人は歴史的に、ファーストレディーにはできる限りホワイトハウスに、大統領の隣にいてもらいたいと考えてきました」とジェリソン氏は指摘する。
「大統領の妻がファーストレディーであると同時に、働くプロフェッショナルであるという考え方をアメリカ人がより受け入れようとする時が来たのかもしれません」
バイデンさんは以前から、さまざまなインタビューやツイートで教育に対する自身の情熱と献身を示してきた。
「教育はわたしの仕事ではありません。わたしそのものなのです」とバイデンさんは8月、党大会での演説を前にツイートした。
大統領選での夫の"勝利"の前から、バイデンさんはファーストレディーになっても教育者としての自身の仕事を続ける考えを明らかにした。
「わたしたちがもしホワイトハウスへ行くことになっても、わたしは教え続けるでしょう」とバイデンさんは8月、CBSのインタビューで語った。
「教師を大切にしてもらいたいし、その貢献を知り、その専門性を奮い起こしてもらいたいとわたしは思っています」
ただ、夫の選挙戦中は教えていなかった。戦いを支えたかったからだという。
「彼はわたしのキャリアを常にサポートしてくれました」とバイデンさんは1月、CNNで語っていた。
「そして今、わたしにとって彼をサポートすることは重要な意味を持ちます。わたしは変化を望んでいるからです」
ファーストレディーとセカンドレディーの役割は、大統領や副大統領に比べて流動的だ。近年では、大統領の指針を強化したり、拡充するための取り組みを担っている。例えば、ミシェル・オバマ夫人は子ども向けの健康的な食生活とライフスタイルを促進する「Let's Move」というキャンペーンの"顔"だった。メラニア・トランプ夫人は子どもたちの精神的、社会的健康に取り組む「Be Best」というキャンペーンを展開している。
「(ファーストレディーの)良いところは、自分が望むようにそれを定義付けられるところです」とバイデンさんは2019年、Vogueに語った。
「それはまさに、わたしがセカンドレディーとしてやったことです。わたしはその役割を自分が望むように定義付けました。わたしは引き続き、全ての同じ課題に取り組んでいくつもりです。教育はとても重要ですし、軍関係者の家族もそうです。コミュニティー・カレッジに無償で通えるようにするため、わたしは国中を訪ねて回るつもりです」
[原文:Jill Biden would be the nation's first FLOTUS to have a full-time job in the role's 231-year history]
(翻訳、編集:山口佳美)