香港立法会(議会)選挙に向けた民主派予備選で、投票を待つ有権者たち(2020年7月11日、香港)。
REUTERS/Tyrone Siu
- 香港警察は11月5日、中国政府が導入した国家安全維持法に違反していると思われる事柄を市民に通報してもらうホットラインを立ち上げた。
- 通報は電話、メール、ショートメッセージ、WeChatで匿名で受け付ける。
- 立ち上げ当日の午後6時までに1000件以上の通報があったと、警察の広報担当者はサウス・チャイナ・モーニング・ポストに語った。どのような通報があったか、当局がこうした通報に対応したかどうかは明らかにしなかった。
- 国家安全維持法は6月30日に施行された。これにより、中国政府は香港で「分離主義、政府転覆、テロリズム」と見なすものは何でも取り締まり、罰することができるようになった。
- ホットラインの立ち上げは、サウス・チャイナ・モーニング・ポストが10月28日に最初に報じた。ある政府関係者は「至るところに目と耳がある」と同紙に語った。
香港警察は、中国政府が導入した国家安全維持法への違反を密告してもらうためのホットラインを立ち上げた。立ち上げから数時間で、1000件を超える通報があったという。
ホットラインは11月5日に開設された。通報は電話、ショートメッセージ、Eメール、WeChatで受け付け、通報者の個人情報は収集しないという。
「このホットラインは、国家の安全に関わる情報、写真、音声、動画といった機密情報を受け付けるためのものだ」と香港警察はコメントしている。
5日の午後6時時点で、ホットラインには1000件を超える通報があったと、警察の広報担当者はサウス・チャイナ・モーニング・ポストに語った。どのような通報があったか、当局がこうした通報に対応したかどうかは明らかにしなかった。
中国政府が導入した香港の国家安全維持法は6月30日に施行され、反対派は抗議の声を上げ続けてきた。
新しい法律が施行されたことで、中国政府は香港で「分離主義、政府転覆、テロリズム、外国の干渉」と見なすものは何でも取り締まり、罰することができるようになった。
「至るところに目と耳がある」
ホットラインの立ち上げは、サウス・チャイナ・モーニング・ポストが10月28日に最初に報じた。
ある香港政府の関係者は、ホットライン開設の目的を「至るところに目と耳がある」というシグナルを送ることだと同紙に語った。
5日にはWeChatのホットラインがパンクしたと、スタンダード紙が報じた。
電話回線も一時パンクしたという。
国家安全維持法に反対する人々のデモを警戒する警察(2020年7月1日、香港)。
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国家安全維持法の導入は事実上、香港が1997年にイギリスから中国に返還されて以来謳歌してきた政治的自治に終わりを告げるものだった。
以降、多くの民主化運動のリーダーたちが香港を離れ、イギリスといった複数の国が香港市民やその家族に市民権や亡命への道を提供している。
(翻訳、編集:山口佳美)