マクドナルドは、植物由来肉のバーガー「PLT」をカナダでテストした。
McDonald's
- 米マクドナルドは11月9日(現地時間)、植物由来のハンバーガーや「チキン」など、肉を使わないメニュー「マックプラント(McPlant)」を展開すると発表した。
- 「マックプラント」のブランド名は、かなり普通で、もっと言えば少々お粗末な感じだ。
- しかし、ブランディングに真剣に取り組んでいるこのファストフードチェーンが「Mc」をつけたことで、植物性食品への長期的な取り組みを明らかにしている。
マクドナルドは、植物由来の「肉」に投資している。そしてそれを「マックプラント(McPlant)」と呼ぶことにした。
11月9日(現地時間)、米マクドナルドは、植物由来の「チキン」やハンバーガーなどを「マックプラント」として開発していると発表した。
そう、マックプラントだ。マックナゲット(McNuggets)、マックフルーリー(McFlurries)、マックマフィン(McMuffins)といった伝統に従って、マクドナルドはその名とメニュー項目をマッシュアップすることに決めた。
控えめに言っても、その名前は鼻につく感じだ。ソーシャルメディアでも評判が悪かった。
しかし、このファストフードチェーンについて何年も記事を書いていると、「Mc」という接頭語の響きは少し違って見える。マックプラントという名前の陳腐さは認めるが、このマクドナルドの決定は、どれだけ真剣に植物ベースの食品に取り組むかという決意表明だ。
マクドナルドはブランディングに非常に意欲的だ。2020年初めに入手した2012年のマーケティングガイドによると、「Mc」という接頭辞を追加することが許可される製品、サービス、プログラムは、「我々のブランドの価値と独自性を高める」ものに限られる。
「マックフォン(McPhone)」、「マックミーティング(McMeeting)」、「私はマクドナルドでマックプライド(McPride)を持って働いている」など、ブランドに長期的な戦略的価値を付加することのない無意味な「Mc」や「Mac」を使った用語やフレーズを使うな、とそのガイドには書かれている。
「このような使用はすべて禁止されており、ナンバープレートやスピーチ、社内資料などでの使用も禁じられている」
マクドナルドが植物由来のメニューに「Mc」を加えることは、同社にとってこれが長期的な優先事項であることを明確に示している。また、マクドナルドが、ここ数年レギュラーメニューに植物由来の商品を加えている競合他社と同じ認識を持つようになってきていることも示している。
その名前は長期的な展望を表している
他のファーストフードチェーンは、植物由来のメニューを自社ブランドの中核的な要素にリンクさせることに成功している。例えば、バーガーキング(Burger King)は 「インポッシブル・ワッパー」を発売し、植物ベースのバーガーがこれまでのメニューから切り離されたものではなく、クラシックなバーガーを楽しむための新しい方法であることを示した。
「これはギミックではない」とバーガーキングの親会社レストラン・ブランド・インターナショナル(Restaurant Brands International)のホセ・シル(Jose Cil)CEOは2019年、Business Insiderに対して述べている。
「これが長期的にバーガーキングのメニューの一部になると確信している」
マクドナルドはビヨンド・ミート(Beyond Meat)との提携の一環としてカナダで植物由来バーガー「PLT」をテストした際、植物由来の商品名を「インポッシブル…」や「ビヨンド…」とするトレンドに乗らなかった。商品名が「ビヨンド・マック」でないということは、マクドナルドが2020年早くに終了した提携に全面的に取り組む準備ができていないことも示しているのだろう。
マックプラントの名は、植物ベースの商品がマクドナルド独自のものとして長期的にメニューに追加されることを明確に示している。同社の国際事業部門の社長であるイアン・ボーデン(Ian Borden)は9日、投資家に対して、マックプラントは「マクドナルドだけのために作られている」と語った。
マクドナルドの幹部によると、マックプラントは全世界で提供されるという。各国の市場が植物由来のオプションを求めていることが明らかになれば、マックプラントのバーガー、チキン、朝食用サンドイッチがメニューに加わることだろう。
「マクドナルドが植物由来のメニューに参入するかどうかは問題ではない」とCEOのクリス・ケンプチンスキー(Chris Kempczinski)は9日に述べた。
「いつになるかが問題だ」
[原文:The McPlant's goofy name reveals how seriously McDonald's is taking plant-based 'meat']
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)