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敗北を認めるか、戦いを続けるか? 家族、側近、メディア…… トランプ大統領の周辺で分かれる意見

トランプ一家

2019年12月11日、ホワイトハウス。

REUTERS/Tom Brenner

アメリカのトランプ大統領は大統領選での"敗北"を受け入れていないが、その取り巻き"トランプワールド"の中でも"敗北宣言"すべきか、選挙結果を争い続けるべきかで意見が分かれているようだ。

複数の主要メディアが民主党のジョー・バイデン候補の当選が確実となったと報じた後、トランプ陣営はバイデン候補が「大急ぎで不当に勝者のふりをしている」とコメントし、11月9日(現地時間)以降、選挙結果をめぐって法廷で争う姿勢を示した。

Business Insiderでも報じているように、トランプ陣営の弁護団の中でも法廷闘争は"望みが薄い"との見方が優勢のようだ。だが、陣営は法廷闘争にかかる費用として、支持者に引き続き献金を求めている。

トランプ大統領は「ここではほとんどひとりで過ごしている」とあるホワイトハウス関係者はCNNに語った。ただ、「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」を支持する多くの人々は、トランプ大統領を擁護するための集会を開いている。トランプ大統領の側近や主な支持者たちは何と言っているのか、見ていこう。


メラニア・トランプ夫人:「敗北を受け入れて」

ファーストレディーは公式な声明を発表していないが、トランプ大統領に敗北を受け入れるよう個人的に話したと、ある関係者はCNNに語った

「これまで通り(自分の意見を)伝えたんです」という。


娘婿ジャレッド・クシュナー氏:両方?

トランプ大統領の義理の息子は、大統領に"戦うように"とも"選挙結果を受け入れるべき"とも伝えたと報じられている。

関係者2人は、クシュナー氏が負けを認めるよう伝えるために大統領にアプローチしたとCNNに語っている。

ただ、この報道に対し、大統領選のキャンペーン・アドバイザーであるジェイソン・ミラー(Jason Miller)氏は「この報道は本当ではない…… ジャレッドは正確を期すため、あらゆる法的救済策を追求するようトランプ大統領にアドバイスした」とツイッターで反論している。

アクシオス(Axios)ニューヨーク・タイムズは、クシュナー氏がトランプ大統領に戦いを続けるようアドバイスしたとの関係者の話を引用している。


FOXニュースの司会者ローラ・イングラム氏:「敗北を受け入れて」

大統領の熱心な応援団の1人であるFOXニュースの司会者ローラ・イングラム氏は6日夜、珍しい行動に出た。敗北を認めるよう大統領にアドバイスしたのだ。

「今回の選挙の好ましくない結果を受け入れる時には、トランプ大統領は(NBCの司会者)サバンナ・ガスリー氏との対話集会で見せたのと同じ品位と冷静さを持ってそうする必要がある」と語った。


友人ショーン・ハニティー氏:望みを捨てないで

FOXニュースの司会者でトランプ大統領の友人でもあるハニティー氏は、トランプ大統領のために希望をもたらそうとしているようだ。

9日時点での同氏のツイッター・フィードには、今回の選挙結果を2000年のブッシュ対ゴアと比較した右派メディア「ブライトバート」の記事が含まれていた。法律の専門家はこれを、不十分な比較だと指摘している。

ハニティー氏は他にも、保守系の政治コメンテーターであるグレッグ・ジャレット(Gregg Jarrett)氏が書いた「大統領は全米50州の選挙人によって選ばれるもので、偏向した報道組織によって選ばれるものではない」というブログ投稿もツイートしている。


リンゼー・グラム上院議員:戦え

ノースカロライナ州選出のグラム上院議員は6日に放送されたショーン・ハニティー氏の番組で、トランプ大統領の法廷闘争のために個人的に50万ドル(約5200万円)を献金したと語った

8日にはFOXニュースに出演し、敗北宣言をせず、法廷で争うよう大統領に勧めた。


ニューヨーク・ポスト:諦めよ

選挙戦終盤、ニューヨーク・ポストはウクライナで民主党のバイデン候補とその息子による不正があったとする根拠に乏しい、物議を醸した記事を出すなど、トランプ大統領を熱心に擁護した。

だが、"メディア王"ルパート・マードック氏が所有するタブロイド紙は今回、現実を受け入れたようで、同紙の一面には「ジョーの時間だ」という言葉が躍った。

また、7日の論説では、トランプ大統領の再選を「ほぼ不可能」と表現した。

大統領に対しては、「"盗まれた選挙"という陰謀論的な主張」を捨て、自身の「レガシー」を守るために敗北宣言するよう求めた。


元ニューヨーク市長ルディ・ジュリアーニ氏:戦え

ジュリアーニ氏は、選挙結果を争おうとするトランプ大統領の先鋒だ。

「少なくとも60万の票が問題になっている時に(トランプ大統領が)敗北宣言をするわけがない」と語ったとCBSは報じている


息子ドナルド・トランプ・ジュニア氏、エリック・トランプ氏:強気な姿勢

大統領の息子2人は5日、強気な姿勢でトランプ大統領を擁護し、大統領を積極的に擁護しようとしない共和党の重鎮をツイッターで非難した

9日の時点で、2人は不正投票や選挙プロセスにおける信頼の欠如を主張する大量の投稿(中にはツイッター社から警告ラベルを付けられているものも)をリツイートしている。


上院のミッチ・マコーネル院内総務: 明言せず

マコーネル氏は6日、「全ての合法的な票は集計されるべき」とツイートした。選挙に不正があったとするトランプ大統領の根拠のない主張を明確に支持しなかったものの、このメッセージは大統領に同調する多くの人々によって繰り返された。

マコーネル氏は7日、バイデン候補の"勝利"を受け入れることを拒否したと、ニューヨーク・タイムズが報じた


ホワイトハウスのケイリー・マケナニー報道官:「ノー!!」

異例ともいえる、大統領選のアドバイザーでありホワイトハウスの報道官でもあるマケナニー氏は、大統領を支持している。

同氏は8日、「わたしたちが疑問を呈することなく、ジョー・バイデンの下で抵抗せずに団結するはずだって? ノー!!」とツイートした。


テッド・クルーズ上院議員:敗北宣言は「早すぎる」

テキサス州選出のクルーズ上院議員は8日のFOXニュースで、敗北宣言をするのは「早すぎる」と語った。「この選挙で誰が勝ったのか、現時点でわたしたちには分からない」からだという。Newsweekが報じた


FOXニュースの司会者ジェニー・ピロ氏:Fight this fraud

FOXニュースの司会者は5日、共和党員に対して「意地を見せろ」「この不正と戦え」と呼びかけたエリック・トランプ氏の投稿をリツイートした

そして「今こそ、わたしたちの合衆国憲法、わたしたちの大統領、わたしたちの生活様式のために立ち上がる時だ」と付け加えた。


元下院議長ニュート・ギングリッチ氏:反ユダヤ的陰謀論を主張

8日の『Fox & Friends』に出演したギングリッチ氏は、選挙に不正があったとする根拠のない主張を完全に支持した。さらに「ジョージ・ソロスのような」人間たちが選挙を盗もうと陰で糸を引いていたと、根拠なく主張した。

「これはジョージ・ソロスのような人間たちが資金を提供した左派の権力争いなどではないと共和党員を説得するには、(バイデンは)あれこれとやらなければならないだろう」とギングリッチ氏は語った。

「そして、率直に言ってこれは腐敗した、盗まれた選挙だ」

ハンガリー生まれのユダヤ人であるアメリカの著名投資家ソロス氏は、進歩的な取り組みに資金を提供していて、筋金入りの右派からは、世界秩序をコントロールするために陰で糸を引いていると根拠なく非難されるなど、しばしば標的にされている

[原文:Concede or fight? What Trump's lawyers, family, and allies in Congress and the media are telling him to do after losing to Joe Biden

(翻訳、編集:山口佳美)

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