トランプ大統領の選挙集会で、「Make America Great Again」の赤い帽子が、迷彩柄や愛国的な柄の帽子の上に置かれていた。ペンシルベニア州モントゥアズビル、2019年5月20日。
- ケンタッキー州ルイビルで2つのレストランのオーナー夫妻が、トランプ支持者に対する「オリーブの枝」(和解の象徴)の提供の延長を決めたと、地元紙ルイビル・クーリエ・ジャーナルが報じた。
- トランプ支持の旗、Tシャツ、帽子などのグッズを提供した人には、レストランの「ポロ」では無料でメインディッシュともう一品が提供され、「シックス・フォークス・バーガー・カンパニー」ではハンバーガーとフライドポテトが提供される。
- オーナーのトロイ・キングとセレーナ・ジョンソンは、当初このサービスを11月11日まで提供する予定だったが、サービスに関する脅迫があったことで11月末まで延長することにした。
- トランプ大統領は敗北を認めておらず、一方、当選確実となったジョー・バイデン候補は結束を呼びかけた。
ケンタッキー州ルイビルでレストラン2店舗を経営するオーナー夫妻は「MAGA(Make America Great Again)」と書かれた帽子、旗、Tシャツなどのグッズと引き換えに食事を無料でサービスすると表明した。
ルイビル・クーリエ・ジャーナルが報じたように、「シックス・フォークス・バーガー・カンパニー(Six Forks Burger Company)」と「ポロ(Pollo - A Gourmet Chicken Joint)」を経営するオーナー夫妻は、トランプ大統領の選挙での敗北を受けて、トランプ支持者への「オリーブの枝(和解の象徴)」の提供を延長すると、11月8日にフェイスブック(Facebook)で表明した。
オーナー夫妻は、「ジョー・バイデン(Joe Biden)とカマラ・ハリス(Kamala Harris)を全面的に支持したことを誇りに思う」とフェイスブックの投稿で述べた。
「しかし、敗れたドナルド・トランプ大統領の支持者へ、『オリーブの枝』の提供を延長せざるを得ないようだ」と、付け加えた。
ルイビル・クーリエ・ジャーナルによると、トランプグッズを渡すと、「ポロ」ではメインディッシュとサイドディッシュが無料になり、「シックス・フォークス・バーガー・カンパニー」では、チーズバーガーとフライドポテトが無料になる。
バイデン候補は、デラウェア州ウィルミントンで11月7日に行った演説で、激しい選挙戦で生じた分裂と争いを受けて、アメリカの結束と融和を呼びかけた。だが、トランプ大統領は選挙の結果を受け入れることを拒否しており、証拠もないまま不正投票や民主党に票を「盗む」行為があったと主張している。
「バイデンの勝利が確実だとわかると、それはわかったが、どうやって団結したらいいのかと思った」と、妻のセレーナ・ジョンソン(Selena Johnson)さんとともにレストランを営むトロイ・キング(Troy King)さんは、ルイビル・クーリエ・ジャーナルに語った。
「我々が協力しなければ、バイデンが大統領になっても違いは生まれない」
11月8日のフェイスブック投稿では、このサービスに関して少なくとも1件の脅迫を受けたが、逆にサービスを延長することにしたと述べた。当初は11月11日までを予定していたサービスを、11月末まで延長したのだ。
11月9日の時点で、まだサービスを利用した人は誰もいないと、オーナー夫妻はルイビル・クーリエ・ジャーナルに語っている。フェイスブックのコメント欄は、オーナーを賞賛する人がいる一方で、店では二度と食事しないと言う人もいるなど分裂している。
「今こそ、違う考えの人と手を携える時だと感じている。そして、アメリカ人として未来をどうしたいかを考えるべき時だ」と、オーナー夫妻はフェイスブックで述べている。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)