Brendan McDermid/Reuters
- ゴールドマン・サックスの最新調査によると、管理職や取締役に女性が多い企業は、男性主導の企業を上回っている。
- ヨーロッパの主要600社の株価調査で、女性リーダーが多い企業の株価は、少ない企業に比べて、そのパフォーマンスが年平均で2.5%も高かった。
- ゴールドマンの株式ストラテジスト、シャロン・ベルは、「上級職に占める女性の割合は、単なる目標としての多様性だけでなく、株主資本コストの低下、株価パフォーマンスの強化、ボラティリティの低下と関連している」と述べた。
ゴールドマン・サックスの最新の調査によると、リーダー層により多くの女性がいるのは企業にとって有益なことであるという。
2008年の金融危機以降、ストックス欧州600指数の銘柄の株式パフォーマンスを調査したところ、女性のリーダーシップが高い企業は、そうではない企業よりもパフォーマンスが高いことがわかりました。女性管理職や女性役員の割合に基づいた指標の上位4分の1の企業は、下位4分の1の企業よりも年率で2.5%高いパフォーマンスを示した。
この調査を主導したゴールドマン・サックスのヨーロッパ株式ストラテジストのシャロン・ベル(Sharon Bell)は、その結果を11月9日のフィナンシャル・タイムズ紙に寄稿している。
「上級職に女性の割合が多いことは、単なる目標としての多様性スコアではなく、株主資本コストの低下、株価パフォーマンスの向上、株式のボラティリティの低下と関連している。これは企業、投資家、社会にとってよいニュースだ」とベルは述べている。彼女はまた、相関関係はその理由を示すものではなく、リーダー層における女性のシェアが上位にある企業がハイパフォーマンスだという事実には、いくつかの要因があると指摘した。
「女性が多様な意見をもたらし、アプローチも多様化できるようになった可能性がある。男女両方の幅広い人材プールから雇用することで、企業は最高の人材を引き寄せることができるのかもしれない」
ゴールドマン・サックスによれば、ヨーロッパの上位600社で女性取締役の割合は過去20年間に増加しているが、女性管理職の割合は同じ速度では上昇していない。 600社の取締役会メンバーの約30%が女性だが、CEOはわずか6%だ。また、小売、メディア、旅行、レジャー、ヘルスケア、金融などの一部の業界では、男性よりも女性の従業員が多いのに対し、そのすべてで女性のマネージャーは50%未満だ。
この調査ではまた、パンデミックの間、女性のリーダーが多い企業は業績が悪い傾向にあることも明らかになった。
調査によると、2020年2月末から9月末までに、女性役員が多い上位4分の1の企業は、下位4分の1の企業に比べて株価が7%減少した。ベルによると、社会的な隔絶によって最も打撃を受けているサービス業で女性従業員の割合が高いためだという。
ゴールドマン・サックスが「Womenomics: Europe Moving Ahead(ウーマノミクス:欧州は前進している)」と題したこの調査結果を最初に発表したのは10月中旬のことだった。
[原文:Companies with more women in management outperform their male-led peers, according to Goldman Sachs]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)