ライドシェア企業の命運を握るフードデリバリー…売り上げ前年比半減のリフトも進出

フードデリバリーは、パンデミックでウーバーの命をつないだと言える。そして、最大のライバルもこのゲームに参入している。

フードデリバリーは、パンデミックの中でウーバーの命をつないだと言えるだろう。そして、最大のライバルもこのゲームに参入している。

Mario Tama/Getty Images

  • リフトは、ウーバーイーツに対抗する配達サービスを開発中だと投資家との電話会議で発表した。
  • 配送サービスはまだ「非常に初期の段階」にあり、ウーバーイーツのような消費者向けのプラットフォームにはならないという。
  • 成長を続けるウーバーのフードデリバリー部門は、パンデミックでライドシェアが通常の数分の1にとどまっているため、ウーバーのビジネスに大きな恩恵をもたらしている。

ライドシェアのリフト(Lyft)は、乗車率がパンデミックで以前の数分の1の水準にとどまる中、ウーバー(Uber)の戦略に倣って独自の配送サービスを展開し、収益を強化しようとしている。

リフトの幹部は、11月10日に行われた投資家との第3四半期の業績報告会見の中で、この計画を発表した。同社の売り上げは前四半期に比べて47%増加したが、それでも2019年同期比では48%も減少している。同様に、乗客数は1250万人で、前四半期から44%増加したが、前年同期比では44%減少した。

同社の幹部によると、配送サービスはレストランと提携するが、ウーバーイーツ(Uber Eats)のような消費者向けの食品配送プラットフォームにはならないという。リフトのジョン・ジマー(John Zimmer)社長は、同サービスはまだ「非常に初期の段階」であり、そのアイデアは同業他社が課すような高額な手数料なしに企業向けのサービスを提供するものだと述べた。

​「レストランや小売店からは、彼らが求めているのはパートナーであって、20%から30%の手数料を取る仲介者ではないということを聞いている」とジマーは述べ、事業者が求めているのは「商品をA地点からB地点へ移動させるのを支援するが、顧客との間に介入しない」パートナーだと付け加えた。

リフトのライバルであるライドシェア大手のウーバーは、パンデミックの間、ウーバーイーツ部門に依存しており、このデリバリービジネスへの注文はここ数カ月で急増している。​この成長は、人々の移動の急減がその中核事業であるライドシェアに与えた大きな打撃を和らげている。

第3四半期、ウーバーイーツの予約は前年同期と比べて倍以上に増え、前四半期比では23%増加した 。収益は14億5000万ドルで、前年比125%増だった。一方、同社の配車事業の収益は13億7000万ドルで、前年同期比で53%減だった。同社は11億ドルの損失を計上し、売上高は前年比で18%減だったと報告した。ウーバーは配達事業のさらなる強化を計画しており、7月に発表した食品配達のPostmatesを26億5000万ドルで買収する契約がまもなく完了する

リフトの幹部は電話会見で、2021年末までに黒字化する計画を再確認し、2019年に目標を設定したときの予想より30%少ない乗車数でも実現可能だと付け加えた。

[原文:Lyft is taking aim at Uber's booming food-delivery business with a delivery service of its own

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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