マクドナルドの新しい店舗デザイン(イメージ)。
McDonald's
- アメリカのファストフード大手マクドナルドの幹部は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が外食産業を永久に変えるだろうと見込んでいる。
- 「このパンデミックを経験したことで、わたしたちの顧客のニーズは以前とは違ったものになるだろう」とCEOのクリス・ケンプチンスキー(Chris Kempczinski)氏は11月上旬、投資家向けのイベントで語った。
マクドナルドは、新型コロナウイルスのパンデミックが外食産業を永久に変えるだろうと見込んでいる。
「このパンデミックを経験したことで、わたしたちの顧客のニーズは以前とは違ったものになるだろう」とCEOのクリス・ケンプチンスキー氏は11月上旬、投資家向けのイベントで語った。
こうした変化の中には、新型コロナウイルスの感染者数が減り、リモートでなく対面での仕事に戻る人が増えれば、元に戻るものもあるだろう。だが、ケンプチンスキー氏や同社の他の幹部らは、パンデミックが恒久的な変化も生むと考えている。
ゴードン・ハスケットのアナリスト、ジェフ・ファーマー(Jeff Farmer)氏は、マクドナルドの幹部らが挙げた顧客の"習慣"は、新型コロナウイルスのパンデミックで「永久に変化した」と指摘する。
1. 顧客は接触したくない
McDonald's
これからの時代は"非接触"だ。マクドナルドは自らが「3つのD」と呼ぶデジタル、デリバリー、ドライブスルーを強化している。ドライブスルーのレーンが3つある店舗の新デザインもその1つだ。注文から受け渡しまでがさらに早くなる。
2. アメリカ人は自分たちが知っているもの、信頼しているものを望む
コロナ禍では、"よく知っているもの"を求める人々から大手ブランドは利益を得た。マクドナルドの幹部らは、このトレンドが続くと見込んでいる。そして、アメリカでは75%の人々がマクドナルドの店舗から半径3マイル(約4.8キロメートル)以内に住んでいることから、ファーマー氏はマクドナルドがこの"変化"において良い位置につけていると見ている。
3. 新しいというだけで嫌われる可能性も
マクドナルドの新しいパッケージ。
McDonald's
人々が"知っているもの"を求めているということは裏返せば、顧客は"お試し"に消極的になっているということだ。マクドナルドは、ハンバーガーやチキン、コーヒーといったコアメニューを強化することでこれに対応している。新しいことを試す代わりに、マクドナルドは既存のメニューを改良しようとしている。
「わたしたちは、21の強化されたチキンバーガー、コーヒーの向上、マクドナルドの植物ベースのプラットフォーム(マックプラント)が話題を呼び、客足を伸ばす助けになるだろうと見ている」とUBSは11月上旬、顧客向けのメモの中で述べている。
4. 顧客はコントロールしたい
コロナ禍でより多くの選択肢が示されたことで、人々はドライブスルー、デリバリー、モバイルオーダーなど、食べ物を注文するためのさまざまな手段を手放さないだろう。現在、マクドナルドは「大半の顧客のニーズに合うサービスを提供している」とファーマー氏は書いている。
「マクドナルドの好調な売り上げを支えるのに不可欠だとわたしたちが考える、2つの重要な顧客要素に取り組もうとしているように感じる —— 利便性と手頃な価格だ。しばらくの間は1桁台半ばの売上成長率が続くだろう」とシュティフェルは11月上旬のレポートで述べた。
[原文:4 ways McDonald's execs say the pandemic will forever change the restaurant industry]
(翻訳、編集:山口佳美)