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フロリダ州オーランド市、空飛ぶタクシー用の空港を建設へ

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Lilium and Lake Nona

  • アメリカ初となる高速フライング・タクシー・ネットワークの計画が発表された。
  • フロリダ州オーランド市の「レイク・ノナ・バーティポート」計画は、ドイツのリリウム社が開発する電動小型ジェット機を使って、フロリダの高速道路を通らずに時速約300kmで移動することを可能にする。
  • 乗客はウーバーやリフトのようにアプリを通して、電動小型ジェット機(開発中)を予約できるようになる。
  • オーランド・ビジネス・ジャーナルによると、オーランド市議会はリリウム社に9年以上にわたって80万ドル以上の税還付を認めた。プロジェクト全体の費用は2500万ドルになるという。

フロリダ州オーランド市は11月11日、アメリカ初となるフライング・タクシー(空飛ぶタクシー)の空港を建設する計画を発表した。

フライングタクシーを製造するドイツのリリウム(Lilium)社、不動産開発のタビストック・ディベロプメント(Tavistock Development)社、そしてオーランド市が協同し、フロリダの高速道路を迂回する、というよりも飛び越えるための交通ネットワークを開発している。

ノナ湖の近くに建設される「レイク・ノナ・バーティポート(垂直離発着ターミナル)」は、空港ターミナルのような造りで、オーランド・ビジネス・ジャーナルによると、建設コストは2500万ドル(約26億円)だという。

ドイツのミュンヘンを拠点とするリリウム社によると、同社が開発中の垂直離着陸が可能な電動小型機は、1回の充電で1時間飛行でき、300kmを移動することができる。乗客の定員は4人だ。

フロリダの新たな「バーティポート」がどのようなものになるのか、見てみよう。


建設費2500万ドルの「レイク・ノナ・バーティポート」は、ドイツを拠点とする航空機メーカーのリリウム社、不動産開発のタビストック・ディベロプメント社、そしてオーランド市の3者が提携して建設が進められる

レイク・ノナ・バーティポートの完成予想図。

レイク・ノナ・バーティポートの完成予想図。

Lilium and Lake Nona

総面積約2万8000平方メートルの「バーティポート」は、2つの離発着エリア、8つの搭乗ゲート、ターミナルで構成される。


この未来的な空港は、2025年に完成予定だ

レイク・ノナ・バーティポートの完成予想図。

レイク・ノナ・バーティポートの完成予想図。

Lilium and Lake Nona

空港の完成までに、アメリカ連邦航空局(FAA)、フロリダ州運輸局(FDOT)、その他の規制当局からの承認を得る必要がある。

バディ・ダイアー(Buddy Dyer)市長は11月11日、このプロジェクトについて次のようにコメントした

「この新技術が本当の意味で交通のエコシステムを再構築し、オーランド市民に長期的な利益をもたらすためには、周辺の都市、ディベロッパー、交通事業者の間でしっかりとしたパートナーシップを築くことが必要だ」

「当市は先進的なエアモビリティーの分野でグローバルリーダーとなるために、適切なパートナーを見つけることに注力してきた」


市議会はリリウム社に対し、9年以上にわたって80万ドル(約8300万円)以上の税還付を承認した

レイク・ノナ・バーティポートの完成予想図。

レイク・ノナ・バーティポートの完成予想図。

Lilium and Lake Nona

Source: Orlando Business Journal.


リリウム社が開発する電動垂直離着陸機(eVTOL)「リリウム・ジェット」は、オーランド市の新たな交通ネットワークに組み込まれることになる

5人乗りのリリウム・ジェット。

5人乗りのリリウム・ジェット。

Lilium

リリウム社は、リリウム・ジェットが「低騒音、高速、無公害」であることを約束している

同社の計算によると、リリウム・ジェットでノナ湖からタンパまで行く場合の所要時間は30分以内となる。「同機が400m以上の高度で飛行している時に地上で騒音が聞こえることはなく、離陸時にはトラックが通り過ぎる際と同じくらいの騒音になるだろう」とリリウム社の公式サイトに記載されている。


リリウム・タクシーの乗客は、ウーバーやリフトのようにアプリを通して予約する

レイク・ノナ・バーティポートの完成予想図。

レイク・ノナ・バーティポートの完成予想図。

Lilium and Lake Nona

レイク・ノナ地区が発表した声明によると、開業当初のリリウム・ジェットの運賃は、ファーストクラスの航空券と同程度になるという。また、このフライトが普及するに従って運賃は安くなるだろうとも述べている。


レイク・ノナ・バーティポートは、フロリダ州の中心部に位置し、半径約300km以内には2000万人が暮らしている

レイク・ノナ・バーティポートは、フロリダ州の中心部に位置する。

レイク・ノナ・バーティポートは、フロリダ州の中心部に位置する。

Lilium and Lake Nona

オーランドやタンパといったいくつかの主要都市から、レイク・ノナ・バーティポートの高速交通ネットワークが利用可能となるだろう。レイク・ノナ地区は、約44平方キロメートル、人口約6万5000人の計画都市で、オーランド国際空港もほど近い。


このプロジェクトにより、オーランドでは140人以上の雇用が創出され、フロリダ州全体ではさらに数百人の雇用が創出されるという

5人乗りのリリウム・ジェット。

5人乗りのリリウム・ジェット。

Lilium

ニューヨーク・タイムズによると、バーティポート建設地を含む地区を担当する市議会のジム・グレイ(Jim Gray)委員は、このプロジェクトにより、140人の雇用が創出され、その報酬は平均6万5000ドル(約680万円)になると述べた。

「これこそ我々が求めていることだ」とグレイは言う。

「我々には給与の高い雇用が必要だ。だからこそ、このプロジェクトが成功するように税の還付という形で投資することは、絶対に正しいことだと思う」


リリウム社は2015年に4人のエンジニア、ダニエル・ワイギャンド(Daniel Wiegand)CEO、セバスチャン・ボーン(Sebastian Born)、マティアス・マイナー(Matthias Meiner)、パトリック・ネイサン(Patrick Nathen)によって設立された

4人のリリウム社共同設立者。左からセバスチャン・ボーン、パトリック・ネイサン、ダニエル・ワイギャンドCEO、マティアス・マイナー。

4人のリリウム社の共同設立者。左からセバスチャン・ボーン、パトリック・ネイサン、ダニエル・ワイギャンドCEO、マティアス・マイナー。

Lilium and Lake Nona

航空機のスタートアップとして設立されたリリウム社は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、500人以上の社員がいる。

2019年、リリウム社は最初の製造工場をドイツで開設した。同社の公式サイトによるとその後、3億7500万ドル(約390億円)以上の資金を調達したという。

レイク・ノナ・バーティポートは、リリウム社がアメリカの航空ネットワークへ参入する初めての事例となった。リリウム社のCOO(最高執行責任者)レモ・ゲルベール(Remo Gerber)は、11月11日に次のように述べた

「地域の高速エアモビリティーは民間主導で構築することができ、オーランド市や国際空港に到着する人々にサービスを提供するレイク・ノナのような町が、高速輸送ネットワークへ参加するかどうかを自分たちで判断する力を与えるものだ。」

[原文:Orlando just unveiled plans for the first US flying taxi airport. Passengers will be able to book the vehicles via an app and zoom over the highway at 186 mph — take a look.

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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