Hollis Johnson/Business Insider
- アマゾンは、ユーザーがアレクサ搭載のスマートスピーカーとどのような会話をするかを追跡しているが、コロナウイルス大流行の初期に変化が起きたことに気がついた。
- ユーザーはアレクサに「今何時?」と聞く代わりに「今日は何曜日?」と聞くようになったのだ。
- アマゾンはまた、コミュニケーションツールを利用する人の増加や、Fire TVでトレーニングや瞑想のクラスを視聴する人の増加など、ユーザー行動の変化も発見した。
- 全体的に見て、スマートスピーカーの利用はパンデミックで増加し、人々は家にいる間、ニュース、音楽、エンターテインメントのためにこのデバイスを使うようになった。
アマゾン(Amazon)によると、コロナウイルスの大流行は、人々がスマートホームでどのように行動するかなど、我々の日常の習慣や日課の多くを変えたという。
アマゾンは、同社のスマートホーム製品を動かすバーチャル・アシスタント、アレクサ(Alexa)にどのような質問をするのかを含めて、スマートスピーカーのエコー(Echo)シリーズを人々がどのように使用しているのかを調査している。アメリカとイギリスにおける流行の初期の数カ月間は、人々が家に閉じこもり、多くの企業やオフィスが閉鎖されていたが、アマゾンはアレクサに対するよくある質問の1つが減少していることに気付いた。「今何時?」だ。 その代わり、ユーザーはアレクサに少しだけ難しい質問をするようになった。「今日は何曜日?」と。
この変化は、アマゾンが発見した過去8カ月間のユーザー行動の変化の1つだ。アマゾンは、「Zoom」やアレクサ対応デバイスをインターホンのように使える機能「Drop In」など、コミュニケーション・ツールを利用するユーザーが増えているという。
また、Fire TVのようなアマゾン製品を使ってバーチャル・フィットネスやウェルネス・クラスをストリーミング配信で利用するユーザーも増加したという。アマゾンは、2月から7月の間にペロトン(Peloton)の利用が300%も増え、Headspaceのガイド付き瞑想クラスの視聴が80%増加したと述べている。
アマゾンのスマートホーム担当バイスプレジデント、ダニエル・ラウシュ(Daniel Rausch)が最近のインタビューでBusiness Insiderに語ったところによると、全体として人々はパンデミック前よりも、これらのデバイスの使用が増えており、多くの人々が自宅で仕事をしているので、一日を通して同じように使用しているという。
「データを見ると、パターンが異なっていることは間違いない」とラウシュは言います。
「日中に家を出る場合は利用に山や谷があるのに対して、一日を通しての変化が少ない」
アマゾンの調査結果は、公共ラジオ放送のナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)とエディソン・リサーチ(Edison Research)が4月に発表したレポートと一致している。それによると、人々、特に若いユーザーは、家の中に閉じこめられているときにスマートスピーカーを使うようになったという。18歳から34歳のユーザーの50%がニュースや情報を得るためにこのデバイスを使うと答え、52%が音楽やエンターテインメントを楽しむために使うと答えている。
自宅で過ごす時間が増えているため、ユーザーはデバイスをより多く使用するだけでなく、より多く購入するようになっているようだ。18歳未満の子どもを持つスマートスピーカーの所有者のうち、71%が子どもを楽しませるために別のデバイスの購入を考えていると回答しており、2019年春の47%から増加している。また、ストラテジー・アナリティクス(Strategy Analytics)が8月に発表したレポートによると、世界のスマートスピーカーの売り上げは上昇傾向にあり、2020年はパンデミックにもかかわらず、第1四半期から第2四半期にかけて6%増加している。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)