ツイッターのジャック・ドーシーCEO。
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- ツイッターのジャック・ドーシーCEOは、ソーシャルメディアには中毒性があると思うと述べた。
- 「そして、我々はそれを認識して、よりよい利用パターンを顧客に知ってもらうようにしなければならない。そのための情報は多ければ多いほどいい」
- ドーシーとフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、11月17日(現地時間)に行われたアメリカ上院司法委員会の公聴会で、アプリの中毒性について質問された。彼らの回答は異なっており、ザッカーバーグは「結論は出ていない」と述べた。
- 専門家によると、ソーシャルメディア・アプリは、新しい投稿で「社会的な幸福」を得るためにユーザーが何度も繰り返し使用するように設計されているという。
ツイッター(Twitter)のジャック・ドーシー(Jack Dorsey)CEOは、ツイッターやフェイスブック(Facebook)といったソーシャルメディア・プラットフォームは中毒性があると思う、と述べた。
11月17日(現地時間)に行われたアメリカ上院司法委員会の公聴会では、2020年大統領選挙とコンテンツの管理の問題について質問が行われた。その際、ドーシーとフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOは、リンゼー・グラハム(Lindsey Graham)議員から、彼らのプラットフォームが中毒性を持つかどうかについて聞かれた。
両者の回答は大きく異なり、ザッカーバーグは中毒性があるかどうかについて「結論は出ていない」と述べ、ドーシーは中毒性があると思うと述べた。
「他のものと同じように、これらのツールは中毒性があると思う」とドーシーは述べた。
「我々はそれを知り、それを認めて、顧客によりよい使用パターンを知ってもらわなければならない。そのための情報は多ければ多いほどよい」
ザッカーバーグは、フェイスブックがユーザーにとって中毒性があることを指摘する内部調査を見たことがないといい、「私がこれまで見てきたところでは、それは決定的ではない。ほとんどの調査では、大多数の人がこれらのサービスに中毒性などの問題があると認識していない、または経験していないことを示唆している」と述べた。
「しかし、私はユーザーが自分の経験をよりうまく管理できるようになるべきだと考えており、それは我々が特に力を入れていることだ」
研究によると、ソーシャルメディア・アプリはユーザーに「社会的幸福(social well-being)」という感情を生み出すことができるため、中毒になる可能性があるという。クリーブランド・クリニックの心理学博士、ジョセフ・ロック(Joseph Rock)によると「研究者たちは、ヘビーユーザーは次第にその感覚に鈍感になり、同じ効果を得るためにはより多くの人に接触する必要があることを発見した」という。
元グーグル(Google)社員で「人道的技術」の提唱者、トリスタン・ハリス(Tristan Harris)は、ソーシャルアプリはスロットマシンのように設計されており、中毒性があると主張してきた。ユーザーは、ツイッターやフェイスブック、インスタグラム(Instagram)の画面をスワイプすることで新しい投稿や写真を見つけて「報酬」を受ける。それは人々がくり返しそうするように仕向けるものだと。
ハリスは2019年、Business Insiderに対して、ドーシーとザッカーバーグが述べているような利用状況に関するデータ提供では、アプリ中毒の問題は解決しないと述べた。
ハリスは「不安や新しさを求める欲求を感じて、60秒後に再び電話に手が届くようになったら」、それは「シートベルトが必要だとか、『そんなことしないで』とか言ってもしかたない」と述べている。
彼は「次のドーパミン補充」のためにアプリを開くのではなく、ポジティブな体験を作り出すようにしてほしいとアプリ設計者に呼びかけている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)