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Z世代が消費の主役になることで苦境に立つのは…「アルコール」「自動車」「ドアベル」など

Z世代が消費の主役になる日がやってくる。

shaunl / Getty Images

  • バンク・オブ・アメリカのグローバル調査部門によるジェネレーションZ(Z世代)に関するレポート「OKズーマー(OK Zoomer)」では、台頭しつつあるこの世代の新たな消費傾向を浮き彫りにしている。そして、実際にこの世代の人気を集めることができない既存業界は多い。
  • レポートによると、1996年から2016年までに生まれたZ世代が最重視するのは、持続可能性、行動主義、テクノロジーであることが明らかになっている。
  • 購買力という点で見ると、Z世代は2031年までにミレニアル世代を上回ると予想されている。そして、こうしたZ世代の一連の消費行動に乗り遅れるリスクがあると見られている製品が5つある。
  • Z世代の消費傾向が、旧世代と比べて最も大きく異なりそうな分野は、自動車、かみそり、アルコール、ゴルフ、そしてドアベルだ。

ミレニアル世代がいろいろなものをぶち壊したと考えている企業があるなら、その企業は、まだジェネレーションZ (Z世代)にお目にかかったことがないのだろう。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)のグローバル調査部門による、Z世代に関する最新のレポート「OKズーマー(OK Zoomer)」では、1996年から2016年までに生まれたZ世代が、自動車、アルコール、ショッピングモールといった多くの業界に問題をもたらす可能性を浮き彫りにしている。

BofAはこのレポートの作成にあたり、アメリカ、イギリス、フランス、日本、ドイツ、韓国、中国、インド、メキシコ、ブラジルに住む16歳以上の1万4500人以上を対象に調査をおこなった。調査は、2020年8月にオンライン・アンケートツール「サーベイモンキー(SurveyMonkey)」を通じて実施されている。

ここで言う「業界にもたらされる問題」とは、Z世代の価値観に関係している。Z世代の価値観は、それまでの世代とは大きく異なっている。そしてこのことが、将来の消費にとって大きな影響を持っているのだ。彼らの価値観には、持続可能性や、テクノロジーの詳しい知識、行動主義が根を下ろしている。これらが、現在大量生産されている多くの商品にリスクをもたらすのだ。

たとえば、BofAの調査によると「借金をしてまで自動車を手に入れる必要はない」と考える人は、ミレニアル世代では25%ほどだったのに対し、Z世代では31%だった。さらに、ミレニアル世代の41%が「翌年の自動車購入を検討している」と答えたのに対し、18~24歳の層では、そう答えた人は31%にとどまった。

BofAの予測によれば、全世界におけるZ世代の収入は2030年に33兆ドルまで増加し、2031年にはミレニアル世代全体の収入を上回るという。

このような購買力は、Z世代が投資や購入の意欲をそそる業界に対して、かなりの影響力を持つことを意味する。現在のところ、安全圏にあるとされる分野は、高級品、Eコマース、大手テクノロジープラットフォームなどだ。一方で、Z世代に運命を左右されるリスクがある分野もある。以下で紹介しよう。


自動車

自動車

Alan Schein Photography/Getty

BofAの調査によればZ世代は、法的に運転が認められている年代の14.8%を占めているにもかかわらず、運転免許所持者に占める割合は11.7%にとどまっている。実際、運転免許を取得するティーンエイジャーの率は、緩やかに減少している。1978年には69.3%だったが、2011年には51.7%まで低下したとBofAは指摘している。

BofAの調査に参加したZ世代の31%は「自動車購入のために借金はしない」と回答。60%が「シェアリング・サービスを利用してもいい」と答えた。

さらに、Z世代の31%は「ロボットに運転してもらってもかまわない」と答えている。この割合は、ベビーブーマーの世代ではわずか13%だった。低炭素型の輸送に対する関心も高まっているとBofAは述べている。


シェービング用のかみそり

シェーバー

Photo by Joel Sharpe /Getty Images

BofAのレポートでは、P&GのCFOのコメントが紹介されている。彼はユーロモニター(Euromonitor)のデータを引用しつつ、アメリカでは過去5年で男性向けシェービング用製品の販売が11%減少していると述べている。ユーロモニターによれば、アメリカの男性向けヒゲそりと刃の市場は、2015年には24億ドルだったが、2018年には22億ドルまで減少したという。


アルコール

アルコール

Nikada/Getty Images

BofAのレポートによれば、それぞれの国の法律で飲酒が認められている年齢に達しているZ世代のほとんどは、以前の世代ほど酒を飲まないという。

飲酒可能年齢に達しているZ世代の約半数が、「まったく酒を飲まない」と答えている。この割合は、ミレニアル世代では31%だった。18歳から24歳の回答者のうち、「1週間に1回以上酒を飲む」と答えた人は21%しかいなかった。

アメリカでは、未成年者の飲酒は減少傾向にある。ただし、減少のペースは、男子よりも女子のほうが緩やかだ。BofAの調査によれば、2009年から2019年にかけて、12歳から20歳の男子の飲酒は28.5%から17.2%に、同じ年齢の女子の飲酒は25.8%から19.9%に減少したという。


ゴルフ

ゴルフ

Alex Pantling/Getty Images

「CBインサイツ(CB Insights)」と全米ゴルフ財団(National Golf Foundation)のデータをもとに、BofAのレポートは、ゴルフがZ世代を惹きつけるのに苦労していると指摘している。1990年代半ば以降、18歳から35歳のゴルフ人口は900万人から600万人に減少したという。2008年以降、ゴルフ人口全体でも500万人近く減少している。


ドアベル

ドアベル

FilippoBacci / Getty Images

BofAのレポートによれば、Z世代とミレニアル世代の多くは、誰かの家を訪ねたときに、ドアベルを鳴らすよりも、メールを送って家の中にいる人を呼び出すのを好むという。この傾向は、ウォール・ストリート・ジャーナルの2017年の記事でも指摘されている。その記事に登場する20歳のある人物は、ドアベルについて「ぞっとする」と語っていた。

「ガーディアン」のメディア編集者ジム・ウォーターソン(Jim Waterson)が2017年にツイッター上で1万1502人を対象に実施した調査では、調査参加者の54.4%がドアベルを「怖くて気味が悪い」と回答した。

[原文:A ton of industries are selling things Gen Z doesn't care about, like alcohol, razorblades, and even cars

(翻訳:梅田智世/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)

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