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『ワンダーウーマン 1984』は劇場公開と同時にネット配信…他のハリウッド超大作も続くのか

Wonder Woman 1984

『ワンダーウーマン 1984』

Warner Bros.

  • 映画『ワンダーウーマン 1984』は、劇場公開初日の12月25日から1カ月間、HBOマックスでストリーミング配信される。
  • コロナウイルスの症例が急増する中、このような動きは、他の映画会社が『ブラック・ウィドウ』のような目玉作品のストリーミング配信を受け入れるように後押しする可能性がある。
  • ​ディズニーに詳しい情報筋は、ディズニー・プラスでは「すべての可能性が考慮されている」と述べた。
  • ​一部のアナリストは、これは異常な時代の産物だと主張しているが、パンデミックは今後何年にもわたってハリウッドに影響を及ぼすことになるだろう。

​『ワンダーウーマン 1984』はワーナーのHBOマックスで12月25日から1カ月間、ストリーミング配信される。

​劇場公開されるハリウッド超大作としては前代未聞の動きだ。とりわけ、9月に『テネット』を公開したワーナー・ブラザースにとっては異例のことだ。しかし、アメリカでコロナウイルスの感染者が急増し、各メディア企業がストリーミングサービスの加入者を拡大しようとしていることから、映画会社が代替的なリリース戦略を採用することは避けて通れないステップでもある。ストリーミングサービスは、パンデミックの影響を受けていないものの1つだからだ。

製作費2億ドルの『テネット』は、アメリカでの興行収入が2カ月で5600万ドルと失望を味わった(世界では3億5000万ドル以上を稼いでる)。一方、ディズニーは自社のストリーミングサービス、Disney+(ディズニー・プラス)で加入者に追加料金を課して『ムーラン』を配信した(『ワンダーウーマン 1984』が、月額14.99ドルで最も高価な配信サービスであるHBOマックスで追加料金なしでストリーミングされることは注目に値する)。

一部のアナリストは、これはすべて異常な事態に対する反応だと主張している。

​Box Office Proのチーフアナリストであるショーン・ロビンス(Shawn Robbins)は、「映画会社は未だに、特に超大作映画に関しては、これまで慣れ親しんできた収益を得る方法、劇場を必要としている」と述べた。

​「このような最新ニュースがあっても、その点では何も変わっていない」

​Exhibitor Relationsのシニアメディアアナリストであるジェフ・ボック(Jeff Bock)は、これがストリーミングにとってどのような意味を持つのかについて、より楽観的な見方をしている。

「『ワンダーウーマン 1984』がストリーミングに軸足を移したのは、パンデミックに直面して、明らかにストリーミングが台頭してきていることを示している」とボックは述べた。

​「ワーナーには選択肢がなく、ネットフリックス(Netflix)やDisney+に対抗するコンテンツがどうしても必要だった。スーパーヒーロー超大作を使わない手はない。ワーナー・ブラザースは、さらに上を目指しているだろう」

​未だに映画会社が世界興行収入で『ワンダーウーマン 1984』のような大作の収益に頼っているのは事実だ。​しかし、パンデミックがハリウッドを変えたことは否定できない。映画館が完全に復活し、コロナウイルス関連の規制がなくなった後でも、長期的には影響が残るだろう。

​アメリカで営業している2つの大手映画館チェーン、AMCシアターとシネマークは、ユニバーサル・ピクチャーズと契約を結び、劇場公開を短縮することで、ユニバーサルの映画がこれまでよりも早くデジタル・プラットフォームに登場できるようにした。ワーナー・ブラザースもまた、契約を結ぶために交渉中だという。

Black Widow

『ブラック・ウィドウ』

Marvel Studios

『ワンダーウーマン 1984』のストリーミング公開は、当初の予定から丸1年後の2021年5月に劇場公開が延期された『ブラック・ウィドウ』のような他の超大作が、同様の動きをする可能性があることを意味している。

ディズニーに詳しい情報源は、匿名を条件にDisney+では『ブラック・ウィドウ』を含めて「すべてが検討中」であると述べた。計画はまだ確定していないという。

ディズニーはコメントを求めたが、返答はなかった。

ディズニーのボブ・チャペック(Bob Chapek)CEOは11月の収支報告会見で、Disney+への『ムーラン』の有料配信は喜ばしいと述べ、来月はさらに別の話をすると、何らかの発表を行うことをほのめかしている。

Comscoreのシニアメディアアナリストであるポール・ダーガラベディアン(Paul Dergarabedian)は「映画会社は『ワンダーウーマン 1984』が成功すれば、主力タイトルのいくつかのリリース計画を変更するだろう。それはは驚くべきことではない」と述べた。

バラエティ(Variety)ブルームバーグは10月、ジェームズ・ボンド映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を製作したMGMがネットフリックスやアップル(Apple)と「何度か話し合いを行った」が、正式なオファーには至らなかったと報じた。​ダーガラベディアンは、4月に封切られる予定の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』がストリーミングに軸足を移すかどうかを言うのは時期尚早だと述べた。

「ブロッコリ(ボンド映画のプロデューサー)がそのブランドを純粋に劇場映画として維持したいという強い願望を持っていると考えると、007はそうならないと私は思う」と彼は言った。

「しかし、この絶え間なく進展する状況が我々に教えてくれたのは、この市場では誰もが信頼できる『通念』や標準的な手順は存在しないということだ」

[原文:'Wonder Woman 1984' will stream the same day it hits theaters and could open the door for 'Black Widow' and other tentpole movies to follow

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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