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マラドーナはあの日の2ゴールで「神」になった…アルゼンチンの英雄、60歳で死去

「神の手」

「神の手」

Getty/El Grafico

  • ディエゴ・マラドーナをアルゼンチンの英雄にしたのは1986年のワールドカップ・メキシコ大会のイングランド戦だった。それはフォークランド紛争の復讐だ。
  • ​マラドーナは「神の手」で先制点を決め、その後にイングランドのディフェンダー5人を抜き去る「世紀のゴール」を決めた。
  • 南米サッカーの専門家、ティム・ビッカリーは、「彼が手を差し出して決めた最初のゴールは、『我々はイギリス人よりも頭がいい』というメッセージを同胞に送った」と述べた。
  • ​「2つ目のゴールはもちろん」と彼は付け加えた。​「『我々はイギリス人より優れている』というメッセージだ」

1986年ワールドカップのイングランド戦でディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)は彼のキャリアを決定づけるパフォーマンスを見せた。そのプレーはフォークランド紛争への復讐の象徴となり、彼はアルゼンチンのアイコンになった。

それは、1984年から1991年をナポリで過ごしたマラドーナを描いたドキュメンタリー映画で2019年の英国アカデミー賞にノミネートされたアシフ・カパディア(Asif Kapadia)監督はそう解釈している。

11月25日に60歳で死去したマラドーナは、1986年のワールドカップ・メキシコ大会の準々決勝、2-1で勝利したイングランド戦で2得点した。彼の最初のゴールは、後に「神の手」として知られるようになる、意図的なハンドによるものだった。彼の2つ目のゴールは、ドリブルでイングランドの5人の選手を抜き去り、最後にはゴールキーパーまでかわした信じがたいもので、2002年に「世紀のゴール 」に選ばれた。

彼はこの大会でアルゼンチンを優勝に導く。

​そのわずか4年前、アルゼンチンとイギリスは、南大西洋のアルゼンチン沖にある小さな島々、フォークランド諸島の領有権をめぐって戦争をし、アルゼンチン軍の649人とイギリス軍の255人が死亡した10週間の戦闘の後、アルゼンチンはイギリスに降伏した。

​「彼は偉大だ。彼はサッカー選手で、ゴールを決めるのが仕事だ」とカパディアはイギリスのチャンネル4に語った。「世界最高の選手になり、ワールドカップで自らの手によるゴールと史上最高のゴールで4年前の戦争で屈辱を与えた国のチームに勝つことができた」と彼は付け加えた。

「それは彼が何者であったかを測る尺度となっている。天才とチートの二面性があると同時に、彼がアルゼンチンにとって重要な存在であることを示している」

マラドーナが亡くなったなんて信じられない。対処するのが難しい。​彼はいつも不滅のように見えた。​私は彼と10時間ともに過ごした!! ​私は彼の左足に触れた。​我々は全力を尽くして世界に、伝説であり、戦士だった男を見せた。

南米サッカーの専門家、ティム・ビッカリー(Tim Vickery)は、この試合が彼をアルゼンチンの「神」に変えたと述べ、カパディアに同意している。

「彼の人生の中で決定的な瞬間となったのは、イングランドとの試合だ」とヴィッカリーはスカイスポーツに語った

「そして、それは相手がイングランドだったという事実が重要で、それは4年前の戦争よりもはるかに深い意味がある」

​「彼が最初のゴールを決めた時に手を使ったのは、『我々はイギリス人より頭がいい』というメッセージを同胞に送るようなものだった」

​「そして2つ目のゴール、並外れたこのゴールで、彼は自陣でボールを受け、耕されたかのようなピッチをドリブルして、イングランドのディフェンスを翻弄した。それは『我々はイギリス人より優れている』という意味だ」

「イングランド戦の2つのゴールで、彼はアルゼンチン国民が夢見た場面を現実のものにした。そしてアルゼンチンは、彼のことを単なる人間ではなく、神であると考えるようになった」

[原文:Diego Maradona's career defining performance at the 1986 World Cup was a symbolic revenge for Britain's war with Argentina, and made him a 'god' back home

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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