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限定10台! スタインウェイとレニー・クラヴィッツがコラボした「夢のピアノ」はこうして作られた

ピアノ

Steinway & Sons

  • スタインウェイ&サンズ(Steinway & Sons)は、ミュージシャンのレニー・クラヴィッツがデザインした50万ドル(約5200万円)の限定版デラックス・カスタム・ピアノを発表した。
  • 作られたピアノは10台のみで、売り上げの一部はニューヨークにあるハーレム・スクール・オブ・アーツに寄付される。
  • Business Insiderは今回のコラボレーションについて、レニー・クラヴィッツとスタインウェイのCEOロン・ロスビー(Ron Losby)に話を聞いた。
  • クラヴィッツはこのピアノをアフリカのアートと1920年代のパリのアートシーンにインスパイアされた「夢のピアノ」と呼び、ロスビーは他のカスタム・ピアノに比べれば「現実的な価格」だと語った。
  • スタインウェイは近年、「King Arthur(アーサー王)」や「Fibonacci(フィボナッチ)」「Pictures at an Exhibition(展覧会の絵)」といったカスタム・ピアノを200万ドル以上売っている。

ピアノの世界では、ある名前がその高級市場において抜きんでている。167年の歴史を誇るピアノメーカーで、2014年にはBBCが「ピアノのロールス・ロイス」と呼んだスタインウェイ&サンズだ。

スタインウェイは、コンサートグランドピアノのメーカーとして良く知られていて、富裕層などの自宅リビングを引き立てる贅沢な装飾品としての役割を果たしていることでも知られる。また、以前からハイエンドなピアノのコミッションやコラボレーションにも参加してきた。今秋、スタインウェイはミュージシャンのレニー・クラヴィッツと共同で、最先端かつ贅沢なリビングの一部にもなるピアノを作った。

クラヴィッツとスタインウェイのピアノは10台のみ存在し、その価格は1台50万ドル。売り上げの一部はニューヨークにあるハーレム・スクール・オブ・アーツに寄付される。

「クラヴィッツ・グランドの売り上げの一部が、アートへのアクセスによってさまざまな文化、社会経済を背景に持つ若者を力づけることで均等な機会を与えるというミッションを手助けするために学校へ寄付されることを誇りに思います」とレニー・クラヴィッツはBusiness Insiderに語った。

スタインウェイのCEOロン・ロスビーは、スタインウェイの楽器を演奏して育ったクラヴィッツは、自らのデザイン会社「クラヴィッツ・デザイン」の創業者でもあり、コラボレーションをするパートナーにうってつけだったと、Business Insiderに語った。

ロスビーは、今回のようなコラボレーションは同社が時代にあった企業であり続けるのに一役買っていると言い、これまでに女優のダコタ・ジョンソンやピアニストのラン・ラン、ガラス彫刻家のデイル・チフーリ、ファッションデザイナーのカール・ラガーフェルドと同様のコラボレーションをしてきたと話した。

ある意味、クラヴィッツ・ピアノは人々がスタインウェイのピアノに大金を惜しげもなく使い続ける理由の象徴だと、ロスビーは言う。そして、ロスビーとクラヴィッツはわたしたちに2年をかけて作ったこの最先端のピアノを詳しく見せてくれた。また、ロスビーはどうしてこのピアノは他のカスタム・ピアノに比べて比較的安いのかを明かした。

制作に2年、価格は50万ドル

クラヴィッツはこのピアノをアフリカのアートと1920年代のパリのアートシーンにインスパイアされた「夢のピアノ」と呼んだ。

ブロック・スタイルのその脚柱は、黒檀で仕上げられている。突上棒と重さ40ポンド(約18キロ)のペダルリラは銅の鋳造品だ。

それぞれのペダル、譜面台、蝶番、飾り板は独自のカスタム仕上げ。 鍵盤は光沢のある黒色とつや消しのクリーム色で、椅子はマッカーサーエボニーとチーター柄の合成皮革ででてきている。

ピアノ

Steinway & Sons

「デザインの過程で好きだった瞬間の1つが、手彫りのブロックスタイルのピアノの脚柱に関する時でした」とクラヴィッツは語った。ピアノの脚柱はしばしば見落とされていて、クラヴィッツとスタインウェイは何か「ユニークなもの」を作りたかったのだという。

「これらの脚柱はアフリカのモチーフと結び付いていて、そのユニークな形とサイズ、控えめな、より伝統的な黒檀仕上げで注目を集めます」

ロスビーとスタインウェイは、クラヴィッツとコラボレーションすることを約3年前に決めた。そのデザインと音楽的背景から、彼が同社のピアノのポートフォリオに「ユニークな」何かをもたらしてくれると感じたからだ。

「彼はわたしたちの167年の歴史上どんなものとも異なるピアノを作りました」とロスビーは語った。クラヴィッツは自身もミュージシャンであることから、その音に関しては、このピアノから何が出てくるのか個人的に感じることができたのだという。

ピアノとクラヴィッツ

Steinway & Sons

ハイエンドの中のハイエンド

富裕層向けのカスタム・ピアノを作ったり、こうした限定コラボ商品を出すことで、スタインウェイはハイエンドの中でも最もハイエンドな市場に応えてきた。

Wealth-Xの最新レポートは、ビリオネアにとって芸術は引き続き、一番の関心事であり、情熱であり、趣味であることを示している。2018年には、ビリオネアが購入した楽器の中で最も人気だったのがピアノとギターだと報告している

ロスビーは、限定商品がピアノの価値を保つ助けになっていると指摘する。世界にごくわずかしか存在しないと分かると、人はそれを買いたいとより強く感じるからだという。

ニューヨーク・タイムズの報道によると、中国の多くのピアノ購入者はダイヤモンドやアフリカの木でカスタマイズしたピアノを求めているという。その1つが「Charm of the Dragon(ドラゴンの魅力)」と呼ばれるピアノで、2013年に約110万ドルで売れた

だが、この数字も最近の一部のカスタマイズのリクエストに比べるとかすんでしまうと、ロスビーはInsiderに語っている。

ロスビーによると、スタインウェイは現在、ゴールドの冠と剣 —— これで屋根を持ち上げる —— の飾り付きのピアノを作るために、金細工と金メッキのデザインを専門とする企業と協力しているという。

「わたしたちはこれを"King Arthur Piano(アーサー王のピアノ)"と呼んでいます。価格は150万ドルです」

ピアノ

スタインウェイのピアノ「Pictures at an Exhibition(展覧会の絵)」。価格は250万ドル。

Courtesy of Steinway & Sons

他にも、「Fibonacci(フィボナッチ)」と呼ばれるピアノは、あるアパレル企業のオーナーに240万ドルで売られた。

スタインウェイの最も有名な限定版ピアノの1つは「Pictures at an Exhibition(展覧会の絵)」と呼ばれる、ビジュアル・アーティストのポール・ワイズ(Paul Wyse)によって手描きされたもので、その絵は19世紀のロシアの作曲家モデスト・ムソルグスキーの音楽にインスパイアされたものだ。ロスビーによると、このピアノの価格は250万ドルだ。

スタインウェイのカスタム・ピアノのラインナップを考えれば、「クラヴィッツ・ピアノは現実的な価格だ」とロスビーは話している。

(敬称略)

[原文:Inside the highest end of high-end pianos, with classic brand Steinway & Sons and its newest collaborator, Lenny Kravitz

(翻訳、編集:山口佳美)

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