オンライン面接中に母が帰宅、パソコンがシャットダウン…就活生が語る“恐怖”の面接8つの事例

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オンライン面接専用ルームを体験する筆者。IID世田谷ものづくり学校で撮影。

撮影:横山耕太郎

オンライン上での就活が、初めて当たり前となった2020年。就活生の中には、慣れないオンライン面接でハプニングに見舞われた大学生も少なくない。

「母親が急に帰宅し、就活中の姿をのぞかれてしまった」

「急にパソコンがダウンし、面接からフェードアウト。人生が終わったかと思った」

実際に“怖ろしい”オンライン面接を体験した就活生の声を紹介する。

1.突然、母親が帰宅する

母帰宅イメージカット

オンライン面接の姿を家族に見られ、恥ずかしい思いをするケースも。また、家族の物音が入り込む心配もある。

Getty images/LumineImages

私立大学4年のYさん(男性・22)はオンライン面接中に母親が帰宅。面接で気が散ってしまい集中できなかったと明かした。

「商社の1次選考の集団面接の際、母親が急に帰宅しました。自室の扉を開け入ってきてしまい、ものすごく焦りました。幸い、画面には写りこむことはありませんでしたが、母の話し声がZoomに入ってしまうアクシデントが発生しました。

母に『面接での姿を見られたくない』という恥ずかしさをもあり、気が散ってしまい散々でした」

オンライン面接を目撃した母からは、こんな言葉をかけられた。

「『面接だと意外と真面目なことを言っているね』と冷やかされました。オンライン面接では身振り手振り、声のトーン、表情をいつもの倍ぐらい表す必要があるため、恥ずかしさ、気まずさを感じないよう家に誰もいない状態がベストだと思います」

2.背景に気を遣う必要がある

散らかる部屋

背景の様子から思わぬイメージを面接官に伝えてしまうケースも(写真はイメージです)。

Getty Images/trekandshoot

都内大学文系4年のYさん(男性・22)は、背景に泣かされた。

「オンラインで企業説明会を受けた時、自室のWi-Fiが弱くて画質が乱れてしまいました。そこで急いでWi-Fiの電波が強い父の部屋に移動したのですが、悲劇が起きました。

ふと画面に映った自分を見てみると、背景に父の登山用リュックやシューズが散乱。他の就活生はシンプルな背景の中で、自分だけアウトドア用品がどっさり映っていました。人事担当に『何かつっこまれるのではないか』と心配になり、冷や汗が止まりませんでした」

3.突如パソコンがシャットダウンする

都内私立大学4年のKさん(男性・22)は第一志望企業の広告代理店の面接を受けていた際、パソコンが急にフリーズしてしまった。

「1次面接の最中、画面が急に停止。すると次の瞬間にパソコンが急に強制終了しました。『人生終わった……』と感じ、手の震えが止まりませんでした。

幸いにも、面接官の方がすぐに電話してくれ、面接の続きはスマートフォンで受けました。面接官は『初めてのハプニングだよ』と言ってくださり、面接も無事に通過できました。とはいえ、あの時は人生で一番焦りを感じました」

4.飼い犬が吠えないか、恐怖を感じる

私立大学4年のTさん(男性・22)はオンライン面接中、飼っている犬が吠えてしまわないか常に不安だったという。

「僕が飼っているトイプードルはあまり吠えないので助かりましたが、オンライン面接に初めて挑む時はとても緊張を感じました。『もし吠え出したらどうしよう……』といった不安は常にあり、吠えないように面接前に犬におやつを与えていました。

固定電話が鳴ってしまう不安もあり、面接中はプラグを抜いて鳴らないようにしていました」

5.オンラインで面接官の顔が覚えられない

困惑就活生女性イメージ

オンライン面接では実際に会っていないことに加え、相手の画面が暗くて見えにくいことも(写真はイメージです)。

Getty images/AH86

食品メーカーに内定した私立大学4年のSさん(女性・23)は、面接官の何気ない問いに凍りついたという。

「オンラインでの一次面接や、オンライン説明会で会った社員の方と、再びオンライン面接で会う機会があったのですが『私の事、覚えてる?』と聞かれた際、正直覚えていなくて、反応に困りました。

オンラインだと実際に会っていないことに加えて、相手の画面が暗くて見えにくいこともあって、顔を覚えにくいんです。『覚えてません』とも言えず、はぐらかすしかありませんでした」

6.腰痛対策が必要になる

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オンラインでの長時間にわたるインターン。腰痛に悩まされる就活生も少なくない。

Getty images/kazuma seki

「就活当初はヨギボー(クッション)に座り、ローテーブルにパソコンを置いていましたが、腰が痛くなりすぎたので、ゲーミングチェアとL字デスク合わせて1万5000円くらいで購入しました。何時間も続くインターンもありましたが、それ以降は快適に就活に取り組めるようになりました」

ただ、ゲーミングチェアは背もたれが大きいため、面接官から「座りやすそうなイスだね」と突っ込まれることも。

「そんな時には『就活のために準備しました』みたいに答えて、『万全に準備した学生』をアピールしました。ただ、ゲーミングチェアは、ちょっと『ゲーマーっぽい印象になるかな?』とも思ったので、受ける企業によっては、背もたれを倒して画面に映らないようにしています」

7.大学のパソコンが使えず、思わぬ出費

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交通費等がかからないオンライン就活だが、中には設備投資に出費せざるを得ないケースも存在する。

Getty images/Filipovic018

交通費等のコストがかからないオンライン就活だが、中には大きな出費を迫られた学生も。

私立大学4年のAさん(女性・22)は以下のように語る。

「オンライン面接が4月に始まり、10万円程のパソコンを購入せざるを得ませんでした。それまでは学校のパソコンで作業をしていましたが、新型コロナウイルスによる大学の完全閉鎖で利用できなくなってしまったためです。自腹でオンライン設備に投資しなくてはならず、痛手でした」

8.急にカメラが故障して冷や汗

都内私立大学4年生のTさん(男性・22)はオンライン面接が始まった4月ごろ、パソコンの内蔵カメラが壊れた。

「本格的に面接がスタートし始めた4月中旬ごろ、突然パソコンのカメラが壊れました。幸い面接中の故障ではなく、修理期間中はiPhoneで面接を受ける形になりましたが、画質がどうしても悪く、回線も安定せず不安なまま面接をしていました。iPhone面接は、面接官の顔が小さく写り、パソコンと比べると面接を受けにくく、苦戦しました」

「オンライン面接の救世主」専用スペース貸し出し

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撮影:横山耕太郎

「家ではオンライン面接に集中できない…」。そんな就活生に、オンライン面接専用のスペースを提供する取り組みもある。

廃校になった中学校を起業向けオフィスなどとして活用している施設・IID世田谷ものづくり学校では、就活中の学生であれば1時間100円で使える部屋「Yellroom (エールーム)」を整備した。

エールームは吸音パーテーションで区切られた個室になっており、ノートPCに加え、顔を照らす大型のライトと高機能マイク、Webカメラを常設。事前予約制で、利用料金の中にはそれらの機材の使用料も含まれている。

オンライン面接スペースの設置は、世田谷区が企画。 通信環境整備はNTT東日本へ依頼し、 IID世田谷ものづくり学校が場所を提供し、8月から始まった。9月以降は月に10人から15人の利用があるという。

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世田谷区工業・ものづくり・雇用促進課長の香山桂子氏。

撮影:横山耕太郎

今回の取り組みについて世田谷区工業・ものづくり・雇用促進課長の香山桂子氏はこう話す。

「世田谷区内の大学から、『通信環境が不安定になり、面接を打ち切られてしまうこともある』など就活生の窮状を聞きました。行政がこのような取り組みをする例はあまりないと思いますが、大学も十分なサポートができない今、少しでも力になりたいと思っています」

新型コロナウイルスの感染拡大は収まらず、現在の大学3年生の就職活動も、オンラインが主体となる可能性も大きい。

良からぬハプニングで、大事な面接で勝機を逃したくないと思うのは、就活生全員が願うところ。

「オンライン就活元年」となった就活生と同じ失敗を繰り返さないためにも、万全な準備が求められていることは間違いなさそうだ。

(取材・文 、丹治倫太郎横山耕太郎

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