気候変動の深刻な影響は途上国に。環境「後進国」の日本が果たすべき役割とは【気候変動と格差4】

地球

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30年後の地球を想像すると、何が思い浮かぶだろうか。

2050年にはサハラ以南のアフリカ、南アジア、中南米において、気候変動が原因で約1億4300万人が避難や移住をせざるを得なくなると、予想されている。

気候変動による海面上昇で、水没してしまう地域や国。洪水などの災害の増加によって、移住をせざるを得ない人々。これらは遠い未来の話ではなく、筆者が60歳のときに起こる事象として、予測されている。

そして気候変動による避難や移住は、世界を見ると、既に現実となり始めている。

気候変動による避難や望まない移住

バングラデシュの洪水

海面上昇により塩水が河川に流れ込み、海岸地域に住む人々が真水にアクセスできなくなり、移住を余儀なくされるケースが増えている。

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筆者が仕事をしているネパール西部では、近年、短期間に大雨が降ることが多くなり、洪水が頻発している。

洪水が起こると人的被害はもちろんのこと、農業への被害も深刻だ。洪水のたびに農地は浸水するうえ、大量の砂が流れ込むため、作物を生産できる土地がなくなっている。収入の減少と食糧不足により、長年住み続けた土地を離れ、移住を迫られる農家は少なくない。

バングラデシュでは、海面上昇により塩水が河川に流れ込み、海岸地域に住む人々は真水にアクセスできなくなっている。塩水では農業も営めず、都市部に移住する人が増えている。

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