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- この記事はインサイダー・インテリジェンス(eMarketer)による調査レポート「モバイル広告費成長予測2020:Q3修正版(US Mobile Ad Spending Update Q3 2020)」のプレビュー版。レポート完全版(有料)はこちらから
モバイル広告はアメリカのデジタル広告費の3分の2を占めるが、コロナによる影響は免れていない。それでも、他の広告分野と比較すると善戦しており、2020年にはかろうじてプラス成長を維持できるだろう。
コロナの影響で大きく減った広告費
これは今の広告不振を考えれば大健闘といえる。コロナウイルス感染拡大が深刻化する前にeMarketerが出した予想では、2020年にアメリカの広告費は、約200億ドル(約2兆880億円)増える見込みだった。
だが、その後これを下方修正し、今は164億ドル減の2257億9000万ドルになると見ている。デジタル広告費に限定すると、22億ドル増の1346億6000万ドルで、モバイルの伸びがなければマイナスとなる。
修正後の予測では、2020年のモバイル広告費は前年比4.8%増の915億2000万ドルで、当初の予測値の1053億4000万ドルには遠く及ばない。
モバイル広告は伸びるが、コロナ前の予測値には届かない
アメリカにおけるモバイル広告費の成長予測。コロナウイルス感染拡大が深刻化する前の3月に出された値を「黒」、6月に出された値を「赤」で表示。
Business Insider Intelligence/ eMarketer
感染の新たな波が起きなければ、モバイル広告費の伸びはコロナ危機前の勢いを取り戻し、来年には1120億9000万ドルに達する見込みだ。だが、安定した成長を維持しつつも数年間はコロナ前の予測値を大きく下回り続けるだろう。
3月時点の予測では、モバイル広告費は2021年に1235億9000万ドルまで増え、2024年には1672億5000万ドルに達すると見込まれていた。修正後の予想では、年を追うごとに当初の予測値に近づきつつも、2024年の段階で1614億9000万ドルと、追いつくまでに至らない。
とはいえ、デジタル広告費のなかでモバイルが占める割合は拡大している。2019年の65.9%に対し、2020年には68%まで増加している。コロナ前の予測値である68.3%をやや下回っているのは、コネクテッドTVの視聴率と広告費が比較的急ピッチで伸びたためだ。
3月と4月には、広告主とパブリッシャーの双方が大きな打撃を受けた。だがCPM(インプレッション単価)と広告費は4月に底を打ったことが広告主や代理店への取材から分かってきた。
時勢に合わせた広告出稿が増えた5月には広告費も上向きに転じたが、増加幅はほとんどの媒体でわずかだった。この時期にはまだ多くのパブリッシャーが、6月から第3四半期にかけての本格的な回復を視野に戦略の評価段階にあった。
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[原文:US mobile ad spending will grow in 2020 despite pandemic-related setbacks]
(翻訳・野澤朋代)