無料のメールマガジンに登録

平日17時にBusiness Insider Japanのメルマガをお届け。利用規約を確認


ワーナー・ブラザーズ、2021年のアメリカ劇場公開作品はすべてHBOマックスで同時配信

イドリス・エルバ

『スーサイド・スクワッド』のイドリス・エルバ(Idris Elba)。

Warner Bros.

  • ワーナー・ブラザースは、2021年に劇場公開されるすべての映画が、HBOマックスでも同日に配信されると発表した。
  • これには、『スーサイド・スクワッド』『ゴジラVSコング』『マトリックス4』といった作品が含まれる。
  • この発表は、わずか3カ月前、『テネット』の劇場公開に尽力していたワーナー・ブラザースにとって、大きな方針変更だ。
  • この動きは、苦戦しているHBOマックスを後押しする可能性が高く、HBOにとってストリーミング・サービスの加入者増が最優先事項であることを示している。
  • HBOマックスは、ストリーミングデバイスの大手であるRokuとの契約が成立していないが、今回の決定が交渉をうまく運ぶ要因となる可能性もある。

ワーナー・ブラザース(Warner Bros.)が12月3日(現地時間)、2021年に劇場公開する予定の映画について異例の配給戦略を発表した。コロナウイルスのパンデミックで、アメリカの映画業界が大きな打撃を受けているためだ。

同社は2021年に公開するすべての映画を、アメリカのHBOマックス(HBO Max)で同日に配信開始する。これらの作品はHBOマックスで1カ月間視聴可能で、その後は劇場のみでの上映となる。

この計画は今のところ2021年限定だが、ハリウッドにとって大きな、そして永続的な影響をもたらす可能性もある。

ハリウッド映画は通常、75日間は劇場のみで公開され、その後デジタルやストリーミングで公開されるが、パンデミックでこの期間が短縮されてきている。中には、今年は劇場公開を取りやめ、ビデオ・オン・デマンドやストリーミングのみで公開している作品もある。またユニバーサル・ピクチャーズ(Universal Pictures)は複数の大手映画館チェーンとデジタルでの公開までの期間を大幅に短縮した契約を締結している。

だが、ワーナー・ブラザースの発表は、こうした戦略の中でもとりわけ大きな進展だ。同社はわずか3カ月前には、クリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)監督の『テネット(Tenet)』の劇場公開に全力を注いでいた。だが、同作のアメリカにおける興行収入は、5700万ドル(約59億3700万円)と振るわなかった(世界では3億5000万ドル:約364億5600万円以上)。

今回の動きには、コロナウイルスのパンデミックが、劇場に代わるリリース戦略を実験してきた映画製作会社に対し、いかに大きな影響を与えたかを反映している。リーガル(Regal)やシネワールド(Cineworld)といった大手映画館チェーンはアメリカとイギリスで営業を停止しており、再開の目処は立っていない。

劇場関連の株価は今回の発表の後、暴落し、最大手のAMCは8%も下落した。

しかし、映画製作会社の興行収入の大半は国外での売り上げであり、ワーナー・ブラザースの2021年の映画も、アメリカ以外では従来通り劇場でのみ公開される。2019年、同社は国際市場で28億5000万ドル(約3000億円)を稼いだ。これに対して国内の売り上げは15億8000万ドル(約1600億円)だ。

この動きは、ワーナーメディア(WarnerMedia)のHBOマックス登録者を増やそうとする戦略でもある。HBOマックスはケーブルテレビ局のHBOの既存顧客の取り込みに苦戦している。

同社はストリーミング配信デバイス最大手のRokuとの提携がまだ成立しておらず、バラエティ(Variety)のトッド・スパングラー(Todd Spangler)は、今回の動きが提携につながるのではないかとツイートした

ワーナーメディアは2020年、ジェイソン・キラール(Jason Kilar)新CEOの下、何百人ものレイオフやストリーミング事業への注力など、激動の時を経験している。8月には、ワーナーメディア・エンターテインメント会長のロバート・グリーンブラット(Bob Greenblatt)、HBOマックスの最高コンテンツ責任者のケビン・ライリー(Kevin Reilly)が解雇されて、ワーナー・ブラザースCEOのアン・サーノフ(Ann Sarnoff)が昇格し、映画、テレビ、ネットワーク、ストリーミングの全部門を監督することになった。

今回の発表により影響を受ける作品は以下のとおり。

  • 『The Little Things(原題)』
  • 『Judas and the Black Messiah(原題)』
  • 『トムとジェリー(Tom & Jerry)』
  • 『ゴジラVSコング(Godzilla vs. Kong)』
  • 『モータルコンバット(Mortal Kombat)』
  • 『Those Who Wish Me Dead(原題)』
  • 『The Conjuring: The Devil Made Me Do It(原題)』
  • 『イン・ザ・ハイツ(In the Heights)』
  • 『Space Jam: A New Legacy(原題)』
  • 『スーサイド・スクワッド(The Suicide Squad)』
  • 『Reminiscence(原題)』
  • 『Malignant(原題)』
  • 『DUNE/デューン 砂の惑星(Dune)』
  • 『The Many Saints of Newark(原題)』
  • 『King Richard(原題)』
  • 『Cry Macho(原題)』
  • 『マトリックス4(Matrix 4)』

[原文:In a major blow to US theaters, Warner Bros. announces that all of its movies in 2021 will debut on HBO Max the same day they arrive in cinemas

(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

Popular

あわせて読みたい

新着記事

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み