中国、2025年までに国土の半分で人工降雨…生産性向上や自然災害の防止に期待

雲が広がる上海の観光スポット、外灘。

雲が広がる上海の観光スポット、外灘。

Yang Jianzheng/VCG via Getty Images

  • 中国政府は人工的に雨や雪を作り出す「気象改変プロジェクト」の対象地域を、これまでの5倍に拡大すると発表した。
  • 中国国務院は、2025 年までに550万平方kmをこのプロジェクトの対象にするとしている。これは中国の国土の約56%にあたる面積だ。
  • 中国は「クラウド・シーディング」を実施する多くの国の1つで、農作物の生産や自然災害の防止のために適切な気象状態を作り出そうとしている。
  • 「クラウド・シーディング」とは、雲の中にヨウ化銀や液体窒素といった化学物質を散布してそれを種として氷晶を発達させ、雨や雪を降らせることをいう。

中国政府は、気象改変プロジェクトの対象地域を大幅に拡大して、2025年までに国土の半分で人工的な降雨や降雪を可能にすることを目指すと発表した。

クラウド・シーディング(雲の種まき)」の仕組みは、1946年にアメリカのゼネラル・エレクトリックの化学者によって発見された。中国は1960年代に独自の計画を立ち上げている。

現在では、アメリカや日本を含む多くの国々で人工降雨プログラムが実施されているが、北京のものは世界最大で、3万5000人が雇用されていると、ガーディアンが報じた

中国国務院の声明によると、2025年までにクラウド・シーディング・プロジェクトの対象地域を、これまでの5倍の規模にあたる550万平方kmに拡大するという(中国の面積は960万平方kmであり、国土の56%がカバーされることになる)。

国務院によると、同プログラムは2035年までに「世界的に高度な水準」に達し、「干ばつや雹(ひょう)などの自然災害」の軽減や、「森林や草原の火災」への緊急対応に役立てることができるという。

2019年8月29日、青空が広がった中国・北京の紫禁城を訪れる人々。

2019年8月29日、青空が広がった中国・北京の紫禁城を訪れる人々。

Getty

人工的に雨や雪を降らせることは、原理的にはとても簡単だ。雲の中にヨウ化銀や液体窒素といった化学物質を散布することで、それを核として氷晶が発達し、やがて雨や雪となって降ってくる。

2008年の北京オリンピックの開会式当日の天気予報は雨だったが、中国政府は北京で局地的なクラウド・シーディング・プロジェクトを実施し、開会式前に強制的に雨を降らせることで雲をなくすことに成功したという。結果的に開会式では晴天が広がった。

2016年6月、中国政府はクラウド・シーディング・プロジェクトに3000万ドルの予算を投入し、塩とミネラルを詰めた弾丸を空に発射し始めた。さらにその1年後、中国政府はこのプロジェクトを促進するために、4機の航空機と「897基のロケットランチャー」を含む膨大な装備の供給に1億6800万ドルを投じたとガーディアンが報じている。

Business Insiderが以前報じたように、中国財務省は2020年までに、クラウド・シーディングの技術を利用して少なくとも毎年600億立方メートルの雨を人工的に発生させたいと考えている。

2019年1月、中国国営の新華社通信は、新疆ウイグル自治区西部で実施されたクラウド・シーディングにより、農作物の70%が雹害を避けることができたと報じた。

[原文:China is massively expanding its weather-modification program, saying it will be able to cover half the country in artificial rain and snow by 2025

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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