「肩書きのない名刺」が、自由な羽を与えてくれる【小国士朗4】

小国士朗

学生時代に起業し、名刺の力をまざまざと見せつけられた小国士朗(41)。

NHKでは、その名刺の力によって、入れない場所に入り、普通は見ることができない光景を見ることもできた。

名刺に書かれた肩書きの強さ、便利さを、誰よりも享受してきた一人でもある。

しかし、独立に際して小国は、「肩書きのない名刺」を選んだ。小国の名刺に書かれているのは名前だけ。裏を返すと、これまで手がけてきたプロジェクト名が示されている。

「NHKの名刺を渡すと、みんなホッとした顔をするんです。ああ、この人はまっとうな人だろうな、と(笑)。僕、まっとうに見えないところがあるから、NHKの名刺に助けられてきたところもありました。

でも、いつも思っていたんですよね。『NHKのディレクターの小国です』って言えば、相手もわかったような気持ちになってくれる。でも、わかったつもりになって、本当は、わかっていないことっていっぱいあるなって」

だから、と小国は言う。

「名刺に肩書きを入れて、わかってもらったつもりになるのはやめよう。そのかわり、15分いただいて、自己紹介をしよう。そこでちゃんとコミュニケーションをしようと決めたんです」

「15分、時間をいただいていいですか?」

小国士郎 名刺

小国の名刺には、本当に肩書きがない。裏面には、プロジェクト名が並ぶ。

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